寄稿者様への御連絡は、各御所属先へお問い合わせください。
・防災に踏み込んだ(取り組み始めた)きっかけは?
前職場である日本赤十字看護大学に在籍していた際に、東日本大震災が起こりました。被災者の皆様の健康問題について、新聞記事を中心に情報を集め分析する研究に取り組んだことがきっかけで、災害看護、防災活動に携わるようになりました。2014年4月からは、日本初の国公私立5大学共同大学院である「災害看護グローバルリーダー養成プログラム」で教育、研究に携わっています。2016年4月には熊本地震が発生しましたが、熊本は夫の故郷ということもあり「防災」に関わる不思議なご縁を感じています。
・ご自身の活動の中で、一番のエピソード(うまくいったことや、いかなかったことも)という事例をひとつあげてください。
看護師というと、「病院で働いている」イメージが世間一般では強いのですが、病院だけではなく、行政、企業、地域など多くの場で人々の生活や健康を支援しています。つまり、看護職として行える防災活動も多岐にわたり、災害が発生した際は、避難所での健康管理(感染予防・エコノミークラス症候群の予防など)やトイレを含めた環境調整、平時の防災教育では「健康」の視点を取り込み、病気や障害を持つ人びとにも災害への備えのアドバイスを行っています。しかし「へぇ~看護師さんってそんなことまでするんだ~大変だね」など、看護師が防災活動に携わる意義を十分に伝えられていないことは、今なお課題です。
・防災活動は「つながり」が課題ですが、ご自身で感じる現状の課題についておしえてください。
防災活動を通じて、行政、企業、NPO等の団体組織、住民の皆様など、多くの人びととつながることができました。しかし、具体的に災害発生時にどのようにつながれるか、相互に協力し合えるかについては、まだまだ明確ではない点が課題だと感じています。
・ご自身の活動の中で、繋がれるといいなぁ(繋がってよかった)と思われる(地域、企業、団体、個人など)についてご紹介ください。
東京駅周辺防災隣組、一般社団法人都市防災研究所の守茂昭さんには、レジリエントな地域コミュニティをどのように構築するか、災害発生時、自分たちの身を自分たちで守るためには「医療」を含めての備えを検討されており、多くの示唆や刺激を受けています。
・TEAM防災ジャパンサイトについて、期待されることについてメッセージをお願いいたします。
防災というと日本では「自然災害」が中心になりがちなのですが、仙台防災枠組ではオールハザードへの対策が求められています。これからは東京オリンピックも控えており、人為災害やテロ災害、感染症の蔓延も危惧されています。これらの災害への啓蒙や対策に関わる情報発信も期待しています。
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