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運営:防災推進協議会 協力:内閣府防災担当

リレー寄稿

※寄稿者様へのご連絡は、各ご所属先へお問い合わせください。

丹羽麻子(にわ・あさこ)

2020年8月17日

丹羽麻子(にわ・あさこ)

男女共同参画と災害・復興ネットワーク
国立女性教育会館 事業課 専門職員

生年月日:1965年9月28日
出身地:東京都
最近の防災・減災活動:防災・復興施策へのジェンダー視点の反映に取り組む「男女共同参画と災害・復興ネットワーク」の一員として、政策提言や情報発信に取り組む。自治体や地域防災団体等の求めに応じ、男女共同参画視点での防災をテーマに講演を行う。
国立女性教育会館では、男女共同参画視点での災害研修の企画運営を担当。2020~2021年度埼玉
県防災会議委員。著書:『相談の力 男女共同参画社会と相談員の仕事』(共著、明石書店)では、東日本大震災での相談支援経験から見えてきたことを執筆した。

防災を取り組み始めたきっかけは?

長らく三重県男女共同参画センターで相談事業に従事していましたが、家族の転勤で福島県郡山市に転居が決まった後に東日本大震災が起こりました。阪神淡路や中越地震を経験した方々から女性相談の必要性を聞いていたので、避難所支援で知り合った地元の女性たちとNPOを立ち上げ、女性の相談支援に取り組みました。
家庭や地域における性別格差は災害時には生命に直結する大問題なのだと、寄せられたたくさんの相談ケースを通して痛感させられました。その後、復興庁に期限つきで民間採用され、男女共同参画を担当しました。


ご自身の活動の中で、一番のエピソード(うまくいったことや、いかなかったことも)という事例をひとつあげてください。

近畿地方の小さな町に講演にうかがったとき、たくさんの男性たちがとても熱心に参加してくださったことです。
夜の公民館は軽トラックで三々五々集まってきた各地区の区長さんや自主防災の役員さんたちで満席でした。最初は動員かなと思ったのですが、それは私のとんだ見当違いで、みなさん「どうしたら誰も取り残さずに助けられるのか」を真剣に考えておられ、質疑応答もとても活発でした。
「男女共同参画」や「ジェンダー」などというと煙たがられることも往々にしてあり、防災分野への導入には苦労するのですが、現場を預かる立場の方には喫緊のリアルな課題として認識されはじめているのだなと、感慨深いものがありました。


防災活動は「つながり」が課題ですが、ご自身で感じる現状の課題についておしえてください。

防災・復興分野と男女共同参画分野の「つながり」をどうつくっていくか、が課題です。
まだまだ防災は「男性のしごと」と捉えられがち。しかし、東日本大震災でもその後の災害でも、実は女性たちは大変な知恵と力を発揮しています。地域防災委員や避難所リーダーに女性が参画し、多様な人材の混成チームとなることで、防災備蓄品や避難所運営のあり方など、災害対策の中身が広がり充実します。男女共同参画視点による災害対応研修機会の増設や調査結果の情報共有を進めて、これまで没交渉だった2分野の間に風穴を開けていきたいです。


ご自身の活動の中で、繋がれるといいなぁ(繋がってよかった)と思われる(地域、企業、団体、個人など)についてご紹介ください。特に、つながれてよかった個人をリレー寄稿にご紹介ねがいます!

ウィメンズネットこうべ代表の正井礼子さんです。
阪神淡路大震災のとき、それまで見向きもされてこなかった被災女性たちの声を聴き、支援し、行政の施策へと繋いでこられました。私がろくに面識もないのに被災下の郡山からアドバイスを求めたときも、貴重な資料をすぐに送ってくださり、励ましてくださいました。正井さんたちが災害下での性暴力被害や固定的性別役割強化などの実態について取り上げた際には、心ないバッシングにも遭ったのだそうです。それでも粘り強く訴え続けてくださったおかげで、ジェンダー視点での災害対策が具体化してきたのだと思っています。


TEAM防災ジャパンサイトについて、期待されることについてメッセージをお願いいたします。

防災とは特別なことではなく、日常の延長にあるもの。各分野の取組と関わる人々の顔が見えるこのサイトは、そのことを実感させてくれますね。暮らし・地域に防災が根付くきっかけに役立っていけばと思います。