まなべる、いかせる、つながれる。防災・減災のオンライン基地。

運営:防災推進協議会 企画編集:助けあいジャパン 協力:内閣府防災担当

リレー寄稿

山口裕之(やまぐち・ひろゆき)

宮城県立光明支援学校

生年月日:1967年3月7日
出身地:山形県鶴岡市
最近の活動:
・文部科学省「学校防災マニュアル(地震・津波災害)作成の手引き」作成協力者
・文部科学省「『生きる力』を育む防災教育の展開」作成協力者
・月刊実践障害児教育(平成25年10月号)『特集・やるなら今から! 子どもたちを守る防災教育/災害時における「生きる力」,意思表示の重要性』
・全国特別支援学校知的障害教育校PTA連合会 第15回代表者連絡協議会講師(講演「防災教育の日常化」,「クロスロード」ファシリテート)
・滋賀県教育委員会主催 平成 26 年度「滋賀県防災教室指導者講習会II」講師…講演「防災教育の日常化 〜特別支援学校での取り組みを通して〜」

・地域防災にはまったきっかけは?

東日本大震災の前から,高校の地学の授業で過去の災害について当時の新聞記事を使った調べ学習を行ったり,県内の地学教員のグループで次の宮城県沖地震に向けた啓発活動に取り組んでいました。そんなこともあってか,震災後は防災に関する仕事が次々とやってきました。
私の先祖の中には明治三陸地震の津波で亡くなった親族が多くいます。当時青年だった曾祖父も一度津波にのまれてから生還してきたということを,震災後に聞かされました。私の命は津波と深いかかわりがあると知り,防災の仕事がこんなに来るならそれも縁だろうと,残りの教員生活は防災を柱にやっていこうと決意しました。


・地域防災に関わって、改めて大切だと感じたことは?

三つあります。
1)繰り返しの大切さ…知的障がいのある子どもたちも,何度も繰り返し教えることによって,地震から身を守る行動をしっかり身につけることができました。
2)日常生活の中に防災があること…考えて行う行動では100年持ちません。100年先まで防災を伝えるためには,日々習慣として行う当たり前の行動の中に防災を練り込んでいく必要があると震災後に考えるようになりました。
3)学校の勉強はすべて防災であること…学校では子どもたちの「生きる力」を育む教育を行っています。防災訓練だけでなく,授業や休み時間の遊び,人間関係,部活動など学校で学ぶすべてのことが「生きる力」を高め,それが災害時に生きてくることを東日本大震災で学びました。


・地域防災・減災に取り組んでみて感じる今の社会課題は?

正直な話,私の活動は学校内に止まっていて地域や社会との接点はまだまだ少ないです。したがって活動の中から社会の課題を感じることはあまりないのですが,街づくりや防潮堤など復興に関する問題を県民として近くで見ていて感じることがあります。それは,対立を解消する,あるいは対立からプラスの何かを生み出す力を,学校教育の中で育てていかなければいけないということです。


・TEAM防災ジャパンの一員に推薦!という方をご紹介ください。

わしん倶楽部代表の田中勢子さんを紹介します。仙台で市民対象の「楽しく学ぶ防災・減災教室」を開催するなど,年齢や性別を問わず楽しめる体操やゲームを通して防災・減災を楽しく学べる場をつくっている方です。ズーズー弁の防災体操やクロスロード宮城野編など地域に根ざした題材が豊富です。
もう一人,瀧川猛先生を紹介します。防災教育チャレンジプランやぼうさい甲子園などで数々の賞に輝いた千葉県立東金特別支援学校の防災教育を作り上げた方です。「あたりまえ体操」の替え歌で「あたりまえ防災」をつくるなど,知的障がいのある生徒にも分かりやすく伝えるためのアイディアに満ちあふれています。


・TEAM防災ジャパンへの想い、メッセージをお願いいたします。

宮城県では各学校に一人ずつ防災主任が配置され,学校の防災体制や防災教育の中心的役割を果たすことを期待されているところです。ですが,各学校にひとりぼっちな上に,必ずしも防災の知識や経験のある教員が配置されているわけでもないので,適切な情報に手軽にアクセスできる場が必要です。
TEAM防災ジャパンが,そのような各所で孤立している防災リーダー初心者に,適切な情報や人脈を届けてくれる場になってくれたらと期待しています。