まなべる、いかせる、つながれる。防災・減災のオンライン基地。

運営:防災推進協議会 企画編集:助けあいジャパン 協力:内閣府防災担当

リレー寄稿

木本さゆり(きもと・さゆり)

木本さゆり(きもと・さゆり)

関東子ども健康調査支援基金 共同代表 兼 事務局
放射能から子どもを守ろう関東ネット 共同代表

出身地:東京都
最近の防災・減災活動:東日本大震災によって起きた東京電力福島第一原子力発電所の事故のため、放射能汚染地域となった関東の各地で(栃木、茨城、千葉、埼玉、神奈川県など)、ボランティアの医師や地域の市民団体と連携して、子どもたちの「甲状腺エコー検査」を2013年秋から毎月実施しています。
関東子ども健康調査支援基金 http://www.kantokodomo.info/

・防災に取り組み始めたきっかけは?

原発事故は、福島県だけでなく、関東にも放射能汚染地域をつくりました。関東には環境省が指定した「汚染状況重点調査地域」が52市町村ありますが、事故当時、汚染の状況は住民には知らされなかったため、子どもたちを初期被曝から守ることはできませんでした。市民による土壌汚染調査に関わって、自分たちが「放射線管理区域」以上の汚染地で生活していると分かりました。「子どもたちを放射能から守りたい」と願うたくさんの方々との出会いをきっかけに基金が立ち上がり、寄付金で検査機を購入して「小児甲状腺がん」のスクリーニング検査を始めました。


・ご自身の活動の中で、一番のエピソード(うまくいったことや、いかなかったことも)という事例をひとつあげてください。

市民による甲状腺検診には、たくさんのお子さんと保護者がみえます。自覚症状のない小児甲状腺がんへの不安を解消し、子どもの健康状態を確認するには、検診以外に方法がないためです。リスクコミュニケーションでは不安は解消されません。市民が求めている実情と、理由を、汚染地域の自治体(栃木、茨城、千葉)が理解くださり、この3年半の間に自治体の主導で甲状腺エコー検査を行うところがいくつも増えたことが、何よりうれしいです。


・防災活動は「つながり」が課題ですが、ご自身で感じる現状の課題についておしえてください。

政策そのものによって人と人とのつながりが分断されていると思います。
また、福島県の発表では、小児甲状腺がんのお子さんは現在184人とのこと。そういった報道が、関東ではとても少なくなっています。健康への影響はまだわからないからこそ、現状を全国に伝えていく必要があると思いますが、事故から6年が経って、報道が減り、事故が終わったかのように感じ、不安を口にしにくくなったり、意識が低下して周囲とつながっていようという気持ちが弱くなってしまっているように感じます。


・ご自身の活動の中で、繋がれるといいなぁ(繋がってよかった)と思われる(地域、企業、団体、個人など)についてご紹介ください。

「放射能からこどもを守ろう関東ネット」に加盟している43団体の皆さん、地域の生産者・住民の暮らしを守るために、母乳検査をはじめ、食品検査、土壌調査をされてきた「常総生活協同組合」、福島県にある「認定NPO法人 いわき放射能市民測定室 たらちね」、小児甲状腺がんの方に療養費を給付している「3・11甲状腺がん子ども基金」、低認知被災地の市民に関わり発信を続けている宇都宮大学国際学部 清水奈名子先生の活動などに、日々教えられ、支えられています。


・TEAM防災ジャパンサイトについて、期待されることについてメッセージをお願いいたします。

こんなにもたくさんの市民が、防災、減災の為に活動をしていることに驚きました。特に東日本大震災は、原子力発電所の過酷事故を引き起こし、大勢の市民が被害当事者となりながら、自ら防災・減災活動に取り組んでいるのが現状です。このサイトに寄せられているのは、多様な「市民にとって必要な支援」であり、同時に「行政への政策提言」だと感じました。このサイトを、市民同士の情報交流の場としてだけでなく、行政の政策に生かしていっていただきたいです。

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