まなべる、いかせる、つながれる。防災・減災のオンライン基地。

運営:防災推進協議会 企画編集:助けあいジャパン 協力:内閣府防災担当

リレー寄稿

河瀬聡一朗(かわせ・そういちろう)

石巻市雄勝歯科診療所 所長
松本歯科大学障害者歯科学講座 非常勤講師

生年月日:1978年1月10日
出身地:神奈川県川崎市
減災活動:
・2012年9月 第29回一般社団法人日本障害者歯科学会総会および学術大会
 シンポジウム 「東日本大震災後の歯科医療支援」
・2014年11月 第31回一般社団法人日本障害者歯科学会総会および学術大会
 シンポジウム 「3.11復興の中で考える障害者歯科医療の未来」
・2015年3月 神奈川歯科大学大学院 横須賀・湘南地域災害医療歯科学センター主催 講演「災害×障がい児・者×復興」
・2015年3月 岩見沢市 大空と大地の中で主催 市民防災フォーラム
 シンポジウム
・災害時の歯科保健医療対策 一世出版、2015 (共著)

・地域防災にはまったきっかけは?

特に抵抗力の弱い障がい児・者では、長期間の避難生活によるストレス、口腔ケア不足等により口腔疾患や誤嚥性肺炎を発症しやすくなります。さらに人工呼吸器などの生命維持のために電源を必要とする人にとっては、電源喪失により命の危機に瀕します。
しかし災害歯科支援活動の中で、障がい児・者の支援が後手に回っている現状を目の当たりにしました。障害者歯科を専攻した者として被災地で何かのお役にたちたいと思ったことです。


・地域防災に関わって、改めて大切だと感じたことは?

発災後、一般避難所には支援リストを行政で作成し、そのリストに沿って医療や物資が避難所に入りました。しかし、東日本大震災では支援の手を多く必要とする障がい児・者施設や高齢者施設のリストが私の支援に入った地域ではありませんでした。
それにより「社会的弱者」が「災害弱者」となり平時以上に悪環境となっていました。
復興の過程で地域、行政は「社会的弱者」について発災時の対応を再度考える必要があると思います。


・地域防災・減災に取り組んでみて感じる今の社会課題は?

障がい児・者について考える際に、差別や偏見という側面を避けては通れません。差別や偏見により多くの障がい児・者が避難所などで辛い思いをしました。
その問題解決は非常に難しいですが先ずは人間育成の過程、つまり教育の中で障がい児・者を身近に感じ、正しい知識を伝える必要があると思います。
差別や偏見を無くす決定的な解決法にはならないかもしれませんが、社会全体の課題として考えてみてはどうでしょうか。


・TEAM防災ジャパンの一員に推薦!という方をご紹介ください。

多く推薦したい方はいるのですが、今回は小倉健一郎先生と阿部久良さんを推薦します。
小倉先生は現在伊東市民病院救命救急科に勤務しております。東日本大震災直後より南三陸町へ医療支援で入っていました。その後も石巻雄勝診療所の所長をされ、被災後の地域医療の他、地域を明るく元気にされた方です。国内外で医療活動をされておりますので、知識・経験が共に多分野に渡り豊富な先生です。
阿部さんは、石巻市雄勝町大須の生まれで、東日本大震災当日は患者、病院関係者がほぼ全員亡くなった石巻市雄勝病院におりました。彼は自分のとっさの判断で、病院を出て高台に逃げました。それにより命は救われました。
その後も、生まれ育った雄勝町に住み、数少ない若い者として、地域の復興などの一躍を担っています。


・TEAM防災ジャパンへの想い、メッセージをお願いいたします。

宮城県の新聞では、毎日必ず震災関連のことが取り上げられていいますが、神奈川県の実家で新聞を見ても、震災関連を探す方が難しいという状況になってきました。温度差と風化を感じます。
この災害から学ぶべきことは沢山あると思います。風化させてしまっては、過去の災害で終わってしまいます。是非この様な機会を通じて、より多くの人に被災地の状況、今後の防災について考える場を提供し続けていただければと思います。