まなべる、いかせる、つながれる。防災・減災のオンライン基地。

運営:防災推進協議会 企画編集:助けあいジャパン 協力:内閣府防災担当

リレー寄稿

清水奈名子(しみず・ななこ)

宇都宮大学国際学部

出身地:東京都
最近の防災・減災活動:
清水奈名子著「栃木県における原発事故被害と支援ニーズの分析 ―被害者アンケートと聞き取り調査から―」(『「人間の復興」に必要な医療と健康支援とは? ―原発事故5年、いま求められていること―』原子力市民委員会特別レポート3 2016年11月刊行)
http://www.ccnejapan.com/CCNE_specialreport3.pdf

・防災に取り組み始めたきっかけは?

東日本大震災の際に、東京電力福島第一原子力発電所で大規模な事故が発生し、多くの方が栃木県に避難されました。同僚の有志の方々が、これらの避難者支援の活動を始められ、そのお手伝いをするうちに関わるようになりました。また福島県の隣にある栃木県も、放射能汚染を受けて苦しい状況にあることを、県内に暮らす子育て中の女性たちから教えていただき、栃木県の被災者の調査・研究活動も同時に進めてきました。


・ご自身の活動の中で、一番のエピソード(うまくいったことや、いかなかったことも)という事例をひとつあげてください。

福島県からの避難者や、栃木県内の被災者にお願いして、被害経験についての聞き取りを行い、書きおこして原稿にまとめる作業をした時のことです。何人もの方から、最も深刻な被害について話した部分は「差し障りがあるから原稿から削除してください」と言われ、衝撃を受けました。一番苦しい、つらい経験や想いは記録することができず、社会には伝わりにくいことを教えられ、より真剣に被害の実態について学ぶ必要性を感じました。


・防災活動は「つながり」が課題ですが、ご自身で感じる現状の課題についておしえてください。

一番の課題は、市民と行政、関係する企業が対等な立場でつながり、意見を交換することのできる場が不足していることです。また、防災関連の会議出席者は男性が多い傾向があるため、日々の生活に多くの責任を負っている女性の声が反映されにくいことも大きな課題です。これらの課題を放置しておくと、市民が感じている支援ニーズと、国、自治体、企業などによる支援の間に大きなずれがあるまま、政策が進められることになります。


・ご自身の活動の中で、繋がれるといいなぁ(繋がってよかった)と思われる(地域、企業、団体、個人など)についてご紹介ください。

放射能汚染から生活や子どもたちを守るために、現在にいたるまで活動している多くの市民団体や個人の皆さんです。栃木避難者母の会、関東子ども健康調査支援基金、各地の放射能から子どもを守る会、アジア学院ベクレルセンター等の各地の市民による放射線量測定活動、避難者受入団体や、とちの実保養応援団などの保養(放射線量の低い地域での短期滞在)運営・受入団体の皆さんに日々教えられ、支えられています。


・TEAM防災ジャパンサイトについて、期待されることについてメッセージをお願いいたします。

東日本大震災が示したように、大規模な自然災害が発生するときには、原発事故のような深刻な人災も同時多発的に発生することを、今後の防災の課題として積極的に伝えていただきたいです。深刻な事故が発生してからでは手遅れですので、すべての市民が当事者となる可能性がある災害時の社会的危機について、丁寧に議論するために必要な情報や、海外で進んでいる対策の情報などについても提供してくださることを、期待しています。