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内閣府政策統括官(防災担当)
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防災推進協議会

リレー寄稿

地域防災の担い手をご紹介

寄稿者様への御連絡は、各御所属先へお問い合わせください。

石井正(いしいただし)

東北大学病院 総合地域医療教育支援部 教授

主な活動地域
宮城県 全域
最近の防災・減災活動

生年月日:1963年2月23日
出身地:東京
最近の防災・減災活動:外科医として石巻赤十字病院勤務中の2011年2月、宮城県災害医療コーディネーターを委嘱され、東日本大震災では石巻医療圏の災害救護活動を統括した。その後2012年、災害医療ACT研究所を立ち上げ災害医療コーディネート研修会を継続的に各県で開催しているほか、宮城県の支援による避難所アセスメント電子ツールの開発や宮城県災害医療コーディネーター活動も行っている。
主たる講演:<シンポジウム> Medical response to the Great East Japan Earthquake in the Ishinomaki Medical Zone and our efforts to prepare for future disasters,第3回国連防災世界会議パブリック・フォーラム(2015年3月14日)
著書:石巻災害医療の全記録(講談社;ブルーバックス)

・防災に取り組み始めたきっかけは?

大学の医局人事で外科医として勤務していた宮城県石巻市にある石巻赤十字病院において、2007年に同院の災害救護活動管理が業務の一つである「医療社会事業部長」に任命されたことから、災害医療救護の世界にかかわるようになりました。これをきっかけに石巻圏の災害医療体制整備のお手伝いをするようになり、2011年2月(東日本大震災発災1か月前)には宮城県より「災害医療コーディネーター」を委嘱されました。

・ご自身の活動の中で、一番のエピソード(うまくいったことや、いかなかったことも)という事例をひとつあげてください。

東日本大震災時、宮城県災害医療コーディネーターとして、石巻に参集した救護チームを束ねる「石巻圏合同救護チーム」を立ち上げ、同医療圏の災害医療救護活動を統括しました。圏内に当初300か所以上あった避難所に対し環境・衛生状態・傷病者内訳などを項目としたアセスメントを継続的に行い、石巻医療圏を14のエリアに分けて救護チームを割り振って運営する「エリア・ライン制」を導入し、亜急性期から慢性期にかけて、包括的な救護活動を展開しました。同チームに参加した救護チームは計955チーム、カバーした避難所数は最大328ヶ所(46480名)、避難所や定点救護所で診療した延べ人数は53696名に上りました。

・防災活動は「つながり」が課題ですが、ご自身で感じる現状の課題についておしえてください。

東日本大震災では、発災後数日間携帯電話もメールもインターネットもつながらず、大変苦労しました。自分も座長代理として参加した2017年設置の総務省研究会「大規模災害時の非常用通信手段の在り方に関する研究会」では、「医療機関等は通信サービスが途絶する事態に備え、非常用通信手段を確保すべき」を提言の一つとして発信しましたが、現時点では災害対応に必要十分なデータ通信速度を担保するVSAT(Very Small Aperture Terminal)等の設備を有する医療施設はほとんどなく、衛星携帯電話の確保レベルにとどまっています。災害医療救護拠点における必要な通信インフラの充足が大きな課題と考えています。

・ご自身の活動の中で、繋がれるといいなぁ(繋がってよかった)と思われる(地域、企業、団体、個人など)についてご紹介ください。

地域:医師として働いた宮城県仙台市、石巻市、気仙沼市、岩手県遠野市は今でも大切に思っています。 企業:東日本大震災時にご支援いただいたNTTドコモ、積水ハウス、日本セイフティ、イオン、Google、日本光電、宮城ヤンマー、などなどの皆さまには大変感謝しています。 団体:日本赤十字社、東北大学、DMAT、災害医療ACT研究所、石巻赤十字病院とは現在も深くお付き合いさせていただいています。 個人:これまでお付き合いさせていただいた(今もいただいている)全ての災害医療、地域医療、外科医療、行政(国、宮城県、石巻市、仙台市など)、総合診療、漢方医療、東北大学の関係者の方々、家族、友人

・TEAM防災ジャパンサイトについて、期待されることについてメッセージをお願いいたします。

ご存知の通り、日本は世界に冠たる災害大国です。恐らく未来永劫、東日本大震災級の災害が繰り返し発生すると思われます。従って、災害時の被害を最小限にするためには、老若男女問わず、職種を問わず、地域を問わず、すべての日本人は防災に対して関心を持ち、そのスキルを上げなければなりません。TEAM防災ジャパンサイトには、あらゆる立場の日本人にとっての防災スキルをアップのための懸け橋になることを期待しています。
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