まなべる、いかせる、つながれる。防災・減災のオンライン基地。

運営:防災推進協議会 企画編集:助けあいジャパン 協力:内閣府防災担当

リレー寄稿

齋藤朝子(さいとう・ともこ)

埼玉県立日高特別支援学校 小学部教諭

生年月日:1973年7月26日
出身地:埼玉県さいたま市
最近の防災・減災活動:
・防災教育チャレンジプラン 2013年、2014年、2015年 2015年度実践団体の報告(一般枠)「埼玉県立日高特別支援学校」
・ぼうさい甲子園 平成27年度小学生の部優秀賞、平成28年度小学生の部奨励賞
・しぴれん(全国肢体不自由PTA連合会)「わたしのまちのがっこう vol.2 災害から自分を守るチカラをつける!
・実践障害児教育 2016年9月号 「肢体不自由特別支援学校の防災教育『かわせみ防災タイム』」

・防災に踏み込んだ(取り組み始めた)きっかけは?

最初に着任した学校では防災教育担当の教員は体育科の男の方が多く、「おかしも」の約束を強調する避難訓練等はとても怖い印象がありました。同年代の女性教員と一緒に「防災教育のイメージを変えよう」と気軽に引き受けた4年目の春から気づけば3校の肢体不自由校で11年関わってきました。特に東日本大震災をきっかけに教員として、4児の母として「学校として子供たちを守る」ことを強く意識するようになりました。震災後に現任校へ異動するとすぐに校内の防災マニュアルを改訂することになりました。その中で特別支援学校の防災対策には課題が多く、改善するために防災担当が積極的に取り組まないと本校の児童生徒を本気で守ることができないと思ったからです。同じ思いの教員達と一緒にインターネットなどで事例を調べましたが、肢体不自由校のものが見つからなかったので自分たちで取り組み、発信していこうと思いました。


・ご自身の活動の中で、一番のエピソード(うまくいったことや、いかなかったことも)という事例をひとつあげてください。

最初に取り組んだのが緊急地震速報を用いた「ショート訓練」の実施でした。本校には緊急地震速報受信機がなく、教職員からは意味のない訓練だと猛反対を受けましたがそこをなんとか説得しました。いつどこで地震が起こるか分からないことに教職員が気づき、防災意識が向上し、真剣に取り組むようになりました。また、その様子を見た児童生徒たちが友達の分の防災頭巾をとって渡す姿や必要な支援を頼む姿、友達の真似をして身を守るポーズをとるようになりました。その様子を皆に伝えたい、と記録としてカメラに収めようとすると「先生も早く隠れないと危ないよ、早くここへおいで」と怒られてしまいます。それほどみんなが命を守ることに真剣であることに驚きを隠せませんでした。防災教育の無限の可能性を感じています。


・防災活動は「つながり」が課題ですが、ご自身で感じる現状の課題についておしえてください。

インターネットなどを通じて本校の取り組みが少しずつ知られるようになってきました。全国の皆さんと情報交換をさせていただくようになり、新しい発見や気づきなどたくさん勉強させていただいています。しかし一方で本校は市境にあり、公園や工場が多い環境なので地域にはまだまだ知られていません。校区の学校や県内の特別支援学校の防災担当の教員、防災関係者、地域の方など「顔の見えるつながり」がこれからは必要だと思っています。


・ご自身の活動の中で、繋がれるといいなぁ(繋がってよかった)と思われる(地域、企業、団体、個人など)についてご紹介ください。

防災の研修などに参加すると意欲的な方が多く、パワーをいただいています。しかし本校のような災害時に要援護者となる人たちについてはまだまだ知られていないことが多く、もどかしく思うことも多いです。防災教育に取り組んでいる団体はもちろん、特別支援学校や福祉に関する団体など同じような立場の方たち等、それぞれの視点から新しい気づきが生まれるといいなと思っています。


・TEAM防災ジャパンサイトについて、期待されることについてメッセージをお願いいたします。

防災についての情報が一元化されているのでとても分かりやすく、毎回参考にさせていただいています。ここで取り上げていただくことで本校のような身体障害のある人たちの防災について関心を持っていただける方が増えてくれるといいなと思います。これからもTAEM防災ジャパンサイトを見れば様々な立場からの発信があり、ここをきっかけに色々な人たちが繋がることができる拠点となるような役割になっていただけるといいなと思います。震災後、まずは何から始めたらいいか悩んでいたあの時の私のような人が一歩進むきっかけになるサイトとなるよう、今後もいちファンとしても応援させていただきます。