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【関東大震災100年】指田朝久(さしだともひさ)

東京海上ディーアール株式会社 経営企画部 主幹研究員

主な活動地域
東京都 千代田区
最近の防災・減災活動

関東大震災から100年経ちましたが、教訓として伝わっていると考えられることはなんですか?

教訓として伝わっていることは9月1日を防災の日として定め、自治体や自治会では防災訓練が継続して行われていることです。また、小学校などをはじめ地震防災の教育が行われており、耐震性の高い建物の中にいることを前提に、揺れを感じたら机の下にもぐる動作をすること、地震のあとの火災があること、そして首都が地震に襲われることがあること、などが強度の違いはあるものの一定程度認識されていることです。ただし、全員が対策をとれているかというと、備えはまだ万全ではありません。

いま、関東大震災級の地震が起きたら、心配なこと、解決していないと思う課題はなんですか?

「命と生活を守る」とメッセージが出されています。今議論が進んでいない分野は生活を守る、つまり震災後の経済をどう守っていくのかということです。事業継続計画BCPの構築が企業はもとより自治体や医療介護分野、教育関係などすべての分野に求められてきていますが、まだ不十分です。個々の企業などの備えに加えて、日本全体の経済復興をどう行うのかについては官民協調が必要ですが、全く手つかずです。関東大震災では財界や商工会議所などの民間の力による復興が目覚ましかったのですが、ここからの教訓の学びとりはこれからです。

関東大震災からの100年に学び、子孫たちに何をどう伝えていくか、考えていることをお聞かせ下さい。

子孫の世代では南海トラフ地震や首都直下地震に遭遇することは確実です。いたずらにおびえるのではなく、科学的に備えて想定内の出来事にすることの大切さを伝えていきたいと思います。絶対に止まりませんとか絶対に安心ですとかはあり得ない。リスクは決してゼロにはならず、リスクとともに賢く生きていくことを学んでほしいと思います。
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