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内閣府政策統括官(防災担当)
協力
防災推進協議会

リレー寄稿

地域防災の担い手をご紹介

寄稿者様へのご連絡は、各ご所属先へお問い合わせください。

入江さやか(いりえさやか)

松本大学 地域防災科学研究所 教授

主な活動地域
長野県 松本市
最近の防災・減災活動

防災を取り組み始めたきっかけは?

読売新聞東京本社科学部の記者だった1992年秋に「天変地異担当」を命じられたのがきっかけです。 翌93年の「北海道南西沖地震」では3日目の朝に奥尻島に取材に入り津波災害の凄まじさを目の当たりにしました。1995年には「阪神・淡路大震災」の取材を経験。その後、米国留学などを経て、2000年にNHKに入局しました。NHKでは社会部災害班、報道局災害・気象センターなどで災害報道に携わり、最後は放送文化研究所で災害報道・災害情報の調査研究を担当しました。2022年4月からは長野県の松本大学に移り、地域防災関連の講義で教鞭をとっています。 職場を変えながらも、災害報道・災害情報がライフワークになりました。

ご自身の活動の中で、一番のエピソード(うまくいったことや、いかなかったことも)という事例をひとつあげてください。

NHK名古屋放送局時代(2003~2006年)以来関わっているNSL(マスメディアと研究者のための地震災害に関する懇話会)の活動です。NSLは、東海地方のメディア・大学・行政で防災に関わるメンバーが情報や問題意識を共有し、オフレコで語り合う勉強会です。今年で発足から21年目を迎え、勉強会も154回を数えます。 災害担当の記者が異動してNSLとのつながりが途切れそうになったり、活動が低調になった時期もありましたが、関係者の努力で息の長い活動が続いています。メディア・大学・行政が、お互いの考え方や意思決定のプロセスなどを知ることは、地域防災を推進する上で非常に有効だと実感しています。 東日本大震災以後、全国で同様の勉強会や懇話会が立ち上がっていますが、2001年に発足したNSLはその先駆けといえるでしょう。

防災活動は「つながり」が課題ですが、ご自身で感じる現状の課題についておしえてください。

NHKを定年退職し、今春から松本大学地域防災科学研究所の教授として、防災士の資格をめざす学生たちを対象とした「災害メカニズム論」「防災コミュニティ論」「防災活動論」などの講義を担当しています。「地域で防災のために何かできることはないか」という学生たちの意欲は高く、それを形にする場、地域と「つながれる」場をどのように作っていくかが私自身の課題です。 もう一つは、ここ信州で、NSLのようにメディア・行政・大学が本音でつながれるコミュニティを作ることです。これは「課題」というより、私の「妄想」に近いですが…(笑)。

TEAM防災ジャパンサイトについて、期待されることについてメッセージをお願いいたします。

東日本大震災以降も、全国でさまざまな災害が発生しています。被災した自治体や住民による取り組みの事例、特に「グッド・プラクティス」を全国で共有し、教訓と経験を生かしていくことがとても大切だと考えています。TEAM防災ジャパンがその良きハブとなることを願っています。
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