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内閣府政策統括官(防災担当)
協力
防災推進協議会

リレー寄稿

地域防災の担い手をご紹介

寄稿者様へのご連絡は、各ご所属先へお問い合わせください。

原沢研祐(はらさわけんすけ)

公益社団法人群馬県柔道整復師会 理事(保険部長)、公益社団法人日本柔道整復師会 特別諮問委員、一般社団法人日本集団災害医学会(JAMD) 会員

主な活動地域
群馬県 全域
最近の防災・減災活動

生年月日:1956年12月26日
出身地:群馬県
最近の防災・減災活動:中越沖地震・東日本大震災の救護活動記録の発刊(2012年)、災害時・緊急出動時の超音波画像観察マニュアル作成(2014年)、集団災害医学会での発表(2015年、2016年)、「災害における柔道整復師の役割」をJAMDに論文掲載(2016年)

・防災に取り組み始めたきっかけは?

1995年の阪神・淡路大震災発生時、災害医療に貢献できないかという思いから、群馬県柔道整復師会は、群馬県接骨師赤十字奉仕団を立ち上げました。2010年には群馬県接骨師赤十字奉仕団緊急出動隊を結成。災害などが起きた場合、その地域周辺の会員を即座に現場派遣することを可能としました。2016年には県内五師の会(医師会、歯科医師会、薬剤師会、看護協会、柔道整復師会)の間で「五師会による災害時の医療救護活動に関する協定書」を締結。災害時に県と五師会で広域災害・救急医療情報システムを共有することにより、連携体制を強化しています。

・ご自身の活動の中で、一番のエピソード(うまくいったことや、いかなかったことも)という事例をひとつあげてください。

当初はトリアージタッグに慣れておらず、現場で適切に行動をすることの難しさを痛感しました。円滑なタッグの運用を行うには、各種訓練で使用するだけでなく、タッグに慣れ親しむことが効果的であると考え、日本赤十字社から講師を招いて講習会を開催してきました。また、国際医療技術財団の開催しているJIMTEF災害医療研修コースにも会員を派遣して、トリアージの方法や災害医療チームとしての組織づくりなどを学び、災害における臨床能力の向上を目指しています。その甲斐あって、現在、県ならびに日本赤十字社群馬県支部の訓練ではイエロータッグを任されており、骨折・脱臼について現場の医師と相談しながら処置を施しています。

・防災活動は「つながり」が課題ですが、ご自身で感じる現状の課題についておしえてください。

医療提供の他に、群馬県柔道整復師会館自体が施設周辺住民に食料や宿舎などを提供する必要があります。当会事務所に隣接する多目的ホールを災害時の避難場所として群馬県と前橋市に登録。現在、200人分の水や食料、簡易トイレ、寝袋などを備蓄し、緊急時には周辺住民に会館を開放し、食料などが提供可能となっています。災害発生後、必要とされる医療ニーズは時々変化していきますので、柔道整復師としては超急性期医療にこだわらず、幅広くカバーするためのシステム作りを視野に入れ、今後の教育を実施していく必要があります。また、我々の母団体、(公社)日本柔道整復師会は災害派遣柔道整復チーム(DJAT:Disaster Judotherapist Assistance Team)を結成しており、組織としてDJATとの連携を図る人材の育成も必須であると感じています。東日本大震災の救護に出動した際、インターネットによる情報拡散や位置情報の把握は目を見張るものがありました。さまざまな通信機器やインターネットにより現場が即座につながり、課題解決に用いられました。現場での安全を考慮し、会員の位置情報などを把握できるシステム作りも今後の課題として残っています。

・ご自身の活動の中で、繋がれるといいなぁ(繋がってよかった)と思われる(地域、企業、団体、個人など)についてご紹介ください。

日本赤十字社群馬県支部との連携は非常に重要なものであったと考えています。実際の現場にも日本赤十字社の輸送車両に同乗して駆けつけており、今後も絆を強固にしていきたいと思います。また、医師会を中心とした県内五師の会とのつながりも重要です。骨折・脱臼を扱う専門職として、現場の連携をスムーズに行うためには医師や看護師、その他すべてのコメディカルとの協力が必要とされます。このため、連携に関わる全ての医療従事者と患者対応における事前の調整作業ができるよう、さまざまな医療関係の団体との関係を深めていきたいと思います。

・TEAM防災ジャパンサイトについて、期待されることについてメッセージをお願いいたします。

災害に関わる情報の発信を今後も続けていただきたいです。それにより医療従事者の知識向上が図れると感じています。これを全国的に広げて、「国民医療の一助」となるべく当会も協力し共に防災意識を高めていきたいと思います。
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