寄稿者様への御連絡は、各御所属先へお問い合わせください。
・防災に取り組み始めたきっかけは?
初めて災害支援活動に関わったのは、2005年のパキスタン地震です。2011年、東日本大震災では、発災直後から先遣隊の一人として宮城県石巻市に入り、主に行政や自衛隊、社会福祉協議会、各支援団体との渉外業務を担いました。その後も現地責任者として長期的な支援活動を実施し、2016年には地域振興を目的とした団体設立に関わりました。今では、石巻を「第二の故郷」だと感じています。
・ご自身の活動の中で、一番のエピソード(うまくいったことや、いかなかったことも)という事例をひとつあげてください。
宮城県石巻では、行政・自衛隊・社協・支援団体がお互いの強みを活かしながら、連携する仕組みがつくられました。各当事者が、組織文化の違いを認めつつ、それぞれの役割を担いながら、時にはその役割を少しはみ出しながら、最善を尽くそうとしていました。うまくいかなかったことの方が多かったのかもしれませんが、被災者を中心に最善を尽くそうとする多様な立場の方が集うことが大切だと感じました。
・防災活動は「つながり」が課題ですが、ご自身で感じる現状の課題についておしえてください。
日本で生活していると、誰しもが災害に遭遇する可能性があります。それは、時に私たちを被災者にし、時に私たちを支援者にもします。西日本豪雨(平成30年7月豪雨)から3ヶ月が経とうとしています。災害発生当初は、報道が過熱し社会的な関心は高まりますが、徐々にその関心は薄れていきます。しかし、被災された方たちの生活は様々な課題と共に続いていきます。復興までの道のりは長く、その時そのタイミングで必要な支援があります。社会的な関心が少なくなったとしても、被災地と「つながる接点」を持ち続けたいと思います。差し伸べた手は、いつしか巡りめぐって、もしもの時に私たちの助けになると信じて。
・ご自身の活動の中で、繋がれるといいなぁ(繋がってよかった)と思われる(地域、企業、団体、個人など)についてご紹介ください。
西日本豪雨の支援活動を立ち上げる時に、東日本大震で共に活動したボランティアが大勢駆けつけてくれました。また、これまでに被災地となった熊本地震や九州北部豪雨で被災された方たちも、「こんどは、何か役に立ちたい」と支援の声をあげてくれています。そんな、一人ひとりのボランティアや支援者の体験が、災害に強い社会を創っていくのだと感じています。
・TEAM防災ジャパンサイトについて、期待されることについてメッセージをお願いいたします。
情報のプラットフォームである「TEAM防災ジャパンサイト」と、支援団体・組織のプラットフォームである「全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)」など中間支援組織と、有機的な連携がより深まると良いですね。
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