寄稿者様への御連絡は、各御所属先へお問い合わせください。
防災を取り組み始めたきっかけは?
大学院博士課程に進学したときに、当時の指導教官だった林敏彦先生(故人)に、阪神・淡路大震災からの経済復興に関して研究するよう勧められたのがきっかけです。本格的に防災に足を踏み入れたのは、阪大の助手を経て、創設されたばかりの人と防災未来センターに専任研究員として着任してからですね。中でも2003年に熊本県水俣市で発生した土石流災害の調査がとても印象に残っています。
ちなみにその調査結果は、人と防災未来センターが発行する調査研究レポートの第1号でした。
ご自身の活動の中で、一番のエピソード(うまくいったことや、いかなかったことも)という事例をひとつあげてください。
2004年に発生した新潟県中越地震で、被災飲食事業者が避難所向けに弁当を作って収入を確保した事例を発見し、それを「弁当プロジェクト」と名付けたことです。
2007年の中越沖地震の際にその経験を自ら伝えにいって、柏崎市でもそれが実施されたときはうれしかったですね。東日本大震災では、被災者自身が復興のために働いて対価を得る「キャッシュ・フォー・ワーク」というコンセプトを各方面に働きかけ、被災地での雇用創出に尽力しました。そのために一般社団法人まで立ち上げたのですが、大学教員と社会起業家の二束のわらじは私には無理でした。なのでNPOなどの運営にかかわる方々を心底尊敬しています。
防災活動は「つながり」が課題ですが、ご自身で感じる現状の課題についておしえてください。
私が現在関心をもっているのは、復興のための資金、すなわち「お金」のつながりです。
日本はこれだけ経済的に豊かな国で、かつ災害が多い国であるにも関わらず、自然災害の被害のうち保険がなされている割合が、先進国の中ではとても小さいんです。人命を守ることも大事ですが、そのあとの生活再建も同じぐらい重要です。
すべての人々の生活再建を保証し、なおかつ将来世代に負担を残さないようなファイナンスの仕組みはどうあるべきなのか、そんなことを考えながら研究をしています。
ご自身の活動の中で、繋がれるといいなぁ(繋がってよかった)と思われる(地域、企業、団体、個人など)についてご紹介ください。特に、つながれてよかった個人をリレー寄稿にご紹介ねがいます!
基本的に大学人で、アカデミックなコミュニティにいますので、それ以外の方々からは刺激を頂くことが多いです。たまに古巣の人と防災未来センターに足を運ぶと、防災に熱い思いを持った方と出会うことが多いですね。
数年前にそこで出会った一人である、吹田市危機管理課の有吉恭子さんをご紹介したいと思います。
TEAM防災ジャパンサイトについて、期待されることについてメッセージをお願いいたします。
この業界に入ってから気が付けば20年ぐらいになります。当時はよくも悪くも狭い世界だなあという感じでしたが、リレーコラムは圧倒的に知らない人が多くなっていて、つながりのひろがりが生まれていることに気づかされました。
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