運営
内閣府政策統括官(防災担当)
協力
防災推進協議会

リレー寄稿

地域防災の担い手をご紹介

寄稿者様への御連絡は、各御所属先へお問い合わせください。

田口空一郎(たぐちくういちろう)

一般社団法人 フューチャー・ラボ 代表理事
一般社団法人 エンドオブライフ・ケア協会 専務理事
NPO法人 医療の質に関する研究会 統括研究員 事務局長
防災士、BCS認定プロフェッショナル・ビジネスコーチ

主な活動地域
東京都 全域
最近の防災・減災活動

生年月日:1977年11月18日
出身地:東京都
最近の防災・減災活動:
2014年8月 「すごい災害訓練DECO浦安」浦安市と共催
2014年9月 「浦安市総合防災訓練」参加
2014年10月 「第2回IT×災害会議」登壇
2015年4月 被災地復興支援イベント「下谷神社の集い」開催
2015年8月 「防災居酒屋@復興バー銀座店」登壇
2015年9月 「すごい災害訓練DECO」プレ・イベントを大阪市立大学と共催予定

・地域防災にはまったきっかけは?

3.11の発災時、都内とはいえ、一瞬死を覚悟した程の長く大きい揺れを経験し、被災地から続々と入ってくる深刻な情報を聞く中で、まさにこれは未曾有の国難だと感じ、政府・与党と医療団体で構成する被災者健康対策チームに志願して飛び込み、国会に常駐して被災地の健康問題の情報収集・分析を行うなどしました。また、石巻市と南相馬市を中心とした沿岸被災地への医療支援活動などを行う中で、一般社団法人フューチャー・ラボを設立しました。 多くの専門家の協力を得て、ファーストエイド、サバイバルスキル、デジタルマップによる図上災害訓練(DIG)、リーダーシップ教育などの諸要素を組み込んだ災害訓練プログラム「DECO(Disaster Evacuation Coaching)」を開発し、昨年浦安市と共同開催しました。今後も様々な主体と連携して開催していく予定です。

・地域防災に関わって、改めて大切だと感じたことは?

地域防災において、個人での貢献には限界があります。やはり、地域コミュニティをどのように活性化させ、共助の基盤として機能させていくかを、地域コミュニティのメンバーが参画して明確化することが重要です。 しかし町会や自治会などの住民組織は組織率を低下させており、ただでさえ少子高齢化する社会の中で、歴史と伝統を誇る地域コミュニティであっても胡坐をかいてはいられない状況です。コミュニティの持続可能性を担う若い世代をどう確保し、育成するか、地域の総合力が問われます。震災大国・日本においては、子育て支援にも地方創生にも防災の観点が不可欠です。

・地域防災・減災に取り組んでみて感じる今の社会課題は?

地域防災の実行面で最も重要なのは、そこに主体的かつ指導的に関わる人々のリーダーシップであり責任感です。しかし、現代日本社会特有のネガティブな在り方を示す言葉―縦割り、指示待ち、リスク回避、横並び、右に倣え、事なかれ、出た杭は打て、臭いものに蓋、等々―を眺めてみる時、この国の無責任体質がいかに根深いものであるかを想像させてくれます。 地域防災にとっての社会課題は種々ありますが、防災というテーマに関わらず、地域の運営に関わる人々のマインドこそが重要であり、もし上記のような無責任なマインドが潜在的にマジョリティであるならば、その地域の防災力は絶望的なものかもしれません。 ややもすると地域に対して無責任になりがちな人々のマインドを、責任感のあるマインドへと変革していくこと、さらに未来の地域を担う人材に対するリーダー教育に地域ぐるみで取り組んでいくことこそ、地域防災を成功へと導く、遠いようで近い、最短の道のりだと思っています。

・TEAM防災ジャパンの一員に推薦!という方をご紹介ください。

阿部明徳・下谷神社宮司です。阿部宮司は阪神大震災の際にも神道界の青年リーダーとしてご活躍され、3.11東日本大震災に際しては、都内の帰宅困難者をご自身の神社に受入れ、被災地のお社や鳥居などの再建活動の全国的リーダーとして現在もなお積極的に活動されるなど、私の心から尊敬するお方です。皆様にぜひご紹介させていただきたいと思います。

・TEAM防災ジャパンへの想い、メッセージをお願いいたします。

大きな災害を幾度も経験した東北の漁村では、津波の不倒地を示す場所に神社が建てられ、自然の中での労働と自然に対する畏敬と感謝の祈りが一致した、豊かな生活が古来より営まれて来ました。 TEAM防災ジャパンには、最新テクノロジーを用いた防災・減災の技術論だけでなく、そうした歴史や生活の知恵に根ざした「暗黙知」や「ローカル知」にも開かれた、実践性と多様性に富んだプラットフォームであってほしいと思います。
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