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リレー寄稿

地域防災の担い手をご紹介

寄稿者様への御連絡は、各御所属先へお問い合わせください。

【2回目】福和伸夫(ふくわのぶお)

名古屋大学・名誉教授、あいち・なごや強靱化共創センター

主な活動地域
愛知県 名古屋市
最近の防災・減災活動

最初のリレー寄稿以降、災害被害を軽減するために、あなたが関心を持って取り組んできていることは何ですか?

最初にリレー投稿したのは8年前です。その後、南海トラフ地震対策を中心に地震対策を色々なレベルで行ってきました。本務は、地震の時の揺れの地盤や建物の予測や建築物の耐震性向上に関する教育・研究でしたが、昨年、大学を定年退職し、最近は比較的自由な立場で、地域の様々なステークホルダーの方々と本音トークをして、社会のボトルネックを探し、それを改善する試みを続けています。そのおかげで、信頼関係が醸成され、産官学民の連携や、地域間の連携ができつつあります。

新たにどういうつながりができましたか? それは、どのように拡げることが出来ましたか?

色々な連携の場を作り続けています。産業が集積する西三河地域の9市1町が連携した西三河防災減災連携研究会、行政と産業界が夫々の組織の不具合をオフレコで曝け出しあう本音の会、行政と業界団体相互の連携を図る中部防災推進ネットワーク、様々な形で育成された防災人材が交流する防災人材交流セミナーなどです。また、こういった活動を支援するため、あいち・なごや強靱化共創センターという組織も立ち上げました。本音の会は昨年活動を終え、新たに、経験豊富な退職者が集まって防災古狸の会の活動を始めました。また、産業界の実状を議論する産業防災研究会もスタートしました。こういった場を作ることで、様々な出会いが生まれています。

最初の原稿を改めて読んで、社会が変化したりご自身が成長を感じる部分があれば、教えて下さい。

このところ、少子高齢化もあり、日本の活力が弱っているように感じます。社会が複雑化し、情報化も進んだため、社会全体を俯瞰しにくくなっています。財政難や老朽化で、社会を支えるインフラやライフラインも脆弱になっているようです。こういったことに目を背けず、一人一人が、明るく楽しく前向きに、社会の課題と向き合えるような雰囲気作りが望まれます。残念ながら、年と共に体力・知力が衰えるばかりですが、定年退職したおかげで、組織の束縛から離れて、自由な立場で活動しやすくなりました。前に出すぎず、後ろから活動を支えることや、大局的にものを考えつつ身近なところで実践することなどは、ちょっと進化したかもしれません。

日頃の取り組みに役立つ情報を集めるときのコツや、気をつけていること、お勧めの情報源を教えて下さい。

情報を集めるコツは、色々なことに興味や疑問を持ち、新しく知ることを面白がること、会話して楽しい人を見つけること、皆が近づいてきてくれる雰囲気づくりをすること、などでしょうか。そうすると自然と目利き力ができると思います。もう一つ大事なことは、基礎学力と教養でしょうか。ものを調べる糸口と解釈する力が自然とついてくると思います。

いま、防災に関わることで、どんなことに興味を持っていますか? その理由も含めて教えてください。

社会の仕組みを知ることです。このところは、建築耐震設計の盲点や、産業や医療の仕組みを勉強中です。弱点を見つけてそれを是正することができれば、楽しいですね。

いま、防災に関わることで、どんなことにお困りですか? つながりたい分野などはありますか?

民間の建物の耐震化が進まないことです。とくに産業界の対策が遅れていることが気になります。つながりについては、特定の分野は考えず、全てを繋ぎたいと思っています。まずは、TEAM防災ジャパンin東海を立ち上げて、東海地域の中でのつながり作りからはじめたいと思っています。

TEAM防災ジャパンのサイトや活動で、改善して欲しいことは何ですか?

活動を支えている人たちをサポートする仕組み作りでしょうか。それと、オフ会での対面交流でしょうか。そうすると、息長く続けることがきると思います。何より参加者が楽しく感じないといけませんね。

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