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内閣府政策統括官(防災担当)
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防災推進協議会

リレー寄稿

地域防災の担い手をご紹介

寄稿者様へのご連絡は、各ご所属先へお問い合わせください。

近藤祐史(こんどうゆうじ)

日本赤十字社医療センター 救命救急センター/国内医療救護部 医師

主な活動地域
東京都 全域
最近の防災・減災活動

生年月日:1981年5月25日
出身地:福岡県北九州市
最近の防災・減災活動:医師 医学博士 日本災害医学会評議員 日赤災害医療コーディネーター
日本DMAT隊員、インストラクター、統括DMAT、前DMAT事務局員 東京DMAT隊員
厚生労働省および総務省各種研究班、同省消防庁国民保護に関する懇話会 防災学術連携体など。
【派遣歴】東日本大震災(福島県および宮城県)、伊豆大島土砂災害(東京都大島町)、御嶽山火山噴火災害(長野県木曽町および県庁)、平成27年関東・東北豪雨(茨城県常総市等)、熊本地震(熊本県益城町および熊本県庁等)、平成28年台風10号による土砂災害(岩手県岩泉町および岩手県庁)、平成30年西日本豪雨(岡山県庁)、北海道胆振東部地震(北海道厚真町および北海道庁等)

防災を取り組み始めたきっかけは?

当初は国際救援を夢見て医師になりました。大学卒業後、日本赤十字社医療センターに研修医として入職しました。 そこで国際救援よりも先に国内救護に少しずつ関わらせてもらうようになり、日赤救護班としての出動を経験させてもらいました。さらに日本DMATの隊員資格を得ました。その1ヶ月後に東日本大震災が発災し、1時間半後に出動しました。これをきっかけに災害医療に強い興味を持つようになり、DMAT事務局で3年勤務し、現在に至ります。

ご自身の活動の中で、一番のエピソード(うまくいったことや、いかなかったことも)という事例をひとつあげてください。

東日本大震災の時、被災地で食料が手に入らないことを痛感して帰還しました。 次以降の救護班の食料も、都内のあらゆるスーパーやコンビニでも全く手に入りません。ダメ元でカップ麺のメーカーの本社代表番号にTEL。 すると「既に全ての在庫を農水省に渡した」と農水省担当者の連絡先を教えてくれました。農水省に連絡すると、「首相官邸にいる同僚の連絡先を」と。いつの間にか、官邸の緊急対策本部とつながっていました。 おかげで資源エネルギー庁等と連携してガソリンなどの燃料を石巻市に安定供給していただいたり、当時の極寒環境で多大なニーズのあったストーブ用の灯油をドラム缶15本分現地に送っていただいたりすることができました。

防災活動は「つながり」が課題ですが、ご自身で感じる現状の課題についておしえてください。

災害時に組織的活動は必須ですが、大きな組織ほど連絡や調整が大変だと感じています。 組織間の調整もそうですが、組織内も同様であり、これは弊社も当然例外ではありません。組織内でも他の組織の方でも、少しでも多くの方と「顔の見える関係」を普段から構築して、災害時に少しでもスムーズに繋がっていけるようにしていきたいと思います。各論的な部分としては、災害時における確実なライフラインの確保が心配です。 特に通信の確立が課題と考えています。21世紀も半ばに差し掛かる昨今、情報技術が飛躍的に進歩していることを考えれば、包括的で堅牢な通信手段を国家的に整備していくことが求められるのではないかと感じます。

ご自身の活動の中で、繋がれるといいなぁ(繋がってよかった)と思われる(地域、企業、団体、個人など)についてご紹介ください。特に、つながれてよかった個人をリレー寄稿にご紹介ねがいます!

一病院の一医師として働いているだけでは出会うことが難しかった方々と多くのつながりを持つことができました。弊社のみならず、DMATをはじめとする同じ保健医療分野でたくさんの仲間を得られたことは人生の財産です。 また、被災地でともに汗を流した多くの方々はもはや戦友のような感覚です。さらには内閣府防災や厚生労働省をはじめとする各府省庁の方々や、自身の研究や防災学術連携体を通じて知り合うことのできた、全く他分野のあらゆる研究者の方々とつながれたことは極めてありがたいことです。 特にもはや研究のパートナーとも言える芝浦工業大学の市川学先生との出会いは人生の分岐点であったと思います。

TEAM防災ジャパンサイトについて、期待されることについてメッセージをお願いいたします。

海外の防災関係者と話をすると、わが国は「最も自然災害の多い先進国」として期待されています。欧米はテロなどは多くても自然災害は少ないので、自然災害対応のトップランナーとされています。日本の防災技術を向上させることは、自然災害に苦しむ多くの発展途上国をも救うことになり得ます。 自分や家族のために対策を進めることが地球全体のためにもなるなら、こんな素敵なことはないので、このTEAMで頑張っていきましょう!
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