寄稿者様への御連絡は、各御所属先へお問い合わせください。
防災を取り組み始めたきっかけは?
2011年東日本大震災の衝撃的な津波の映像を鮮明に覚えています。当時の私は津波データ使った研究はしていましたが、防災を志していたわけではありませんでした。そのような理由もあってか、私個人としては東日本大震災に対して手も足もでなかった印象です。
ご自身の活動の中で、一番のエピソード(うまくいったことや、いかなかったことも)という事例をひとつあげてください。
津波災害の軽減には、まずはきちんと現象を予測できることが求められます。津波の計算(予測)と一言でいってもいろいろあります。私の研究分野では、ある方が開発した津波計算プログラムではAの機能が秀でているけどその他はだめ、別の方が作ったプログラムはAの機能はないけどBの機能が良い。さらに、他の方はA,BはないけどCという機能があるといった、知識が散逸した状況でした。そこでそれらを統合した津波計算プログラムのコミュニティーモデルを作成しました。”JAGURS”と名付けられたこのソフトウェアは2016年に一般公開されて、現在、国内外で利用が進んでいます。
防災活動は「つながり」が課題ですが、ご自身で感じる現状の課題についておしえてください。
多くの研究者の方に、開発思想である「得られた成果は研究コミュニティ全体として社会に還元する義務がある」に賛同いただき、JAGURSは彼らが開発したモジュールを無償で統合する方法で発展しています。
JAGURSはかなりうまくいった「つながり」の例ですが、研究という性質上、研究分野では「つなげる」作業があまり評価されない(みんな好きじゃない)傾向にあります。
このあたりの価値観の変革が必要とされているのかもしれません。
ご自身の活動の中で、繋がれるといいなぁ(繋がってよかった)と思われる(地域、企業、団体、個人など)についてご紹介ください。特に、つながれてよかった個人をリレー寄稿にご紹介ねがいます!
最近、JAGURSに関する問い合わせが増えてきました。口頭で聞かれるだけでなく,まったく知らない海外の方からメールをいただいたり、国際学術論文にJAGURSの名前をうっかり発見したことも何度かありました。JAGURSを通じて,津波防災を志す世界の人々とつながれたことは大変うれしいことです。
JAGURSが津波防災にさらに役立つよう、研究者・利用者ともっとつながりたいと思っています。
TEAM防災ジャパンサイトについて、期待されることについてメッセージをお願いいたします。
「つながり」には縦横様々な場合があります。地域コミュニティー内の絆の強化は最も重要な課題ですが、その他、研究者間のつながり・特定の業種間でのつながり、SNSを利用したつながりなどがあります。TEAM防災ジャパンには,さらにこれらを有機的につなげる取り組みを期待しています。
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