寄稿者様への御連絡は、各御所属先へお問い合わせください。
・地域防災にはまったきっかけは?
私は四女が7か月の時に東日本大震災を体験し、被災地の避難所を回る中で妊産婦さんの不安や困難に直面したことで、産婦人科医から公共政策を作る側に転職しました。被災地で「アウトリーチ(こちらからサービスを出前する姿勢)」を学んだことで、病院の中だけでは、大事なお母さんと赤ちゃんを守れない、地域、自治体、教育機関と共に次世代を守る仕組みを作らなければと思ったのが、最初のきっかけです。
参考ウェブサイト:
・日経BP ecomom【ママこそ美しくすこやかに】311に思うこと
http://business.nikkeibp.co.jp/ecomom/column/dc/dc_028.html
・311から学べること
http://business.nikkeibp.co.jp/ecomom/column/dc/dc_077.html
・Child Research Net【被災地レポート】
http://www.blog.crn.or.jp/lab/06/36.html
・地域防災に関わって、改めて大切だと感じたことは?
私が専門とする保健、医療、福祉分野と防災、あるいは自治体と医療、教育、保育機関とが顔の見える関係になるには、何よりも、こちらから会いに行くこと、こちらが熱意をもって話すこと、汗をかいて手を動かして働き、仕事を肩代わりすることが大切だと思いました。また、担当者が代わっても地域の子どもたちを守り続けられるよう、「システム」「文化」として根付かせることが大切だということも痛感しています。特に「防災」×「子育て世代」は、どの組織の所掌や担当分野からもこぼれ落ちた隙間分野であり、必要性や平時にも役に立つということを納得してもらわないと、前に進めません。そこで、海外の文献を取り寄せ、被災したお母さんたちの声を集めた資料を作り、仲間を集め、根拠を示しながら地域の事業として根付かせるように働きかけ、現在では約10の地方自治体で「災害時母子救護」事業が始まっています。
参考ウェブサイト:
・2013年12月13日 読売新聞 災害時のトリアージ…妊産婦ら識別体制 必要
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=89258
・2014/3/8 6:30日本経済新聞 電子版 子ども・高齢者ら守れ 私たち目線で防災をリード
http://www.nikkei.com/news/print-article/?R_FLG=0&bf=0&ng=DGXNASFE0100J_T00C14A3TY5000&uah=DF230420132670
・地域防災・減災に取り組んでみて感じる今の社会課題は?
2008年からハーバードの大学院に留学して改めて、日本人のクオリティの高さ、粘り強さ、民度の高さに思い至りました。しかし、皆が忙しく、皆が一生懸命、バラバラに頑張っているため、もっとお互いの得意分野を提供し合いながら「チーム」として取り組めばもっと楽しく効率的な仕組みが出来るのに、と思います。現在、ALSO(妊産婦救護トレーニングコース)やチームSTEPPS(チーム作りのトレーニングコース)のインストラクターとして人材育成に注力しているのも、人の能力を活かし、連携や協働が出来る素地を作りたいと思っているからです。
・TEAM防災ジャパンの一員に推薦!という方をご紹介ください。
避難所HUG(ハグ)を開発された静岡県西部危機管理局危機管理課 課長 倉野 康彦さんをご紹介します。
http://www.bousaihaku-smart.com/dptopics/1019/
HUGは、地域防災に役立つシミュレーション・ゲームで、倉野さんには私の研修や教育コースでも大変お世話になっています。
・TEAM防災ジャパンへの想い、メッセージをお願いいたします。
2011年の東日本大震災以降、隙間に落ちていたテーマである災害×母子救護における課題。誰もやらないなら、私がやるしかない!と頑張ってきましたが、災害でも母子支援でも、「仲間」がキーワードです。TEAM防災さんは、全国の同じような方を束ねる存在で、皆様の存在に大きく励まされました。
これからも、地域で、行政と、保健医療分野と、子育て世代を巻き込んだ企画をなさりたい方はぜひご連絡ください。TEAM防災ジャパンさんの名前には、私の大好きな言葉:「チーム」「防災」「Japan」がすべて入っているので、このコミュニティに加えていただけたことに感謝の気持ちでいっぱいです。今後とも、喜んでお手伝いします!
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