運営
内閣府政策統括官(防災担当)
協力
防災推進協議会

防災教育チャレンジプラン

防災力の向上を目指す、防災教育活動の情報提供の場

次年度のチャレンジプラン募集はこちら
※2024年度防災教育チャレンジプランの応募企画書の受付は終了しました。

防災教育チャレンジプランとは?

 近年、災害が激甚化・頻発化する中、災害に見舞われたとき、一人ひとりが自分自身を守るとともに、お互いに助け合える力を育む防災教育の重要性が増しています。「防災教育チャレンジプラン」は、全国の防災教育に取り組む団体・学校・個人への支援を通じて、防災教育を推進する取り組みです。21世紀の災害に立ち向かうであろう子供たちを中心とした、家庭や地域の防災に関わる能力の向上を図ることにより、社会全体の防災力を向上させることを目的としています。
 地域や学校等における防災教育のプランを募集し、選出されたプランの実践団体に対して「防災教育チャレンジプランアドバイザー」によるアドバイスや活動応援、実践団体同士の交流の場の提供、プラン実践にかかる経費の一部補助といった、ヒト・コト・資金の支援を行っています。

支援内容「防災活動支援」「活動アドバイス提供」「交流の場つくり」

2023年度 受賞団体をピックアップ

Q&A

Q&Aでは、防災教育チャレンジプラン実践団体のメーリングリストや事務局への質問の中から防災教育を実践する上でヒントとなる内容を抜粋し、掲載しております。

Q1

本校の体育祭で、遊びの要素を取り入れながら、防災・減災意識を高めるために、「バケツリレー」を体育祭の競技に入れてもらいました。防災訓練なら従来の方法で良いのですが、体育祭で実施する上での具体的な方法について、アイディアや経験をお聞かせ下さい。
担当からは「運動場が水浸しになるので工夫を」などの注文がつけられています。特に使用用具の工夫を考えています。(2005年度実践団体高知東高等学校より)

A1
高校生の年代になれば、「遊びの要素」ではなく、「社会的意義」を事前に考え意識付ける必要があると思います。例えば、事前に、災害直後ライフラインが停止したなかでの必要な飲料水の量などをレクチャーし考えて頂く。
・乳幼児のミルクを作るに必要な水の量は
・人間が生きるに必要な一日の水の量は、
・人工透析に必要な水の量は
・一合の炊飯に必要な水の量は、
・初期消火に必要な水の量は
・入浴に必要な水の量は、
・洗濯に必要な水の量は
・洗車に必要な水の量は、等々
災害に備え、家庭では、冷凍室の氷も含め、どの位の量の飲料水が蓄えられているか。
行政施策による、飲料水の備蓄は、何処に、どれだけの量蓄えられているか。 もし、備蓄した飲料水をすべて消費してしまったら、みんなの「命の保障」をどうするか。
今回のバケツリレーが、災害直後の断水時における、「被災者の命を繋ぐ大切な作業」というバックボーンがあれば、高地東高校の体育館の床には、一滴の水も落ちないと思います。(2005年度実践団体 神奈川災害ボランティアステーションより)
A2
水不足の時に、砂でバケツリレーを代用した自治体がありましたが、次のような方法も考えられます。
1.運動会の玉入れを応用して、古い靴下に小石を入れてグラム数を揃える。
2.アルミ缶のプルトップのフタを集める
3.学校の書類のシュレッダー済み裁断紙を大量に用意しておき、体育館の端に「貯水槽」として見立て、裁断済み紙を溜めておく。
こんなのは如何でしょうか?いずれも、購入しなくても良いのが特徴です。古靴下は運動部や何なら生徒会やPTAを通じて全校に募集できます。アルミ缶のプルトップも同じで、この場合は後で売ってお金にも換えられます。
この時、趣旨説明を充分に行うことが大事です。それをきっかけに、生徒や教職員、保護者、地域住民が興味関心を持ってくれるかもしれません。裁断済みシュレッダー用紙ですと、教職員だけの負担になりますが・・・是非ご一考下さい。(2004年度実践団体 あんしんまちづくり京都都市青年団より)
A3
「使用用具の工夫」とのこと、水の代わりに球技用のボールを使ってはどうですか。例えば、大きなボール(バスケットボールなど)と小さなボール(テニスボールやソフトボールなど)を多数用意します。
例えば、ある一定量をAからBに運ぶ競争とします。バケツには必ず大きなボール(下に入れる)と小さなボール(上に入れる)を入れて運ぶこととします。一度に早くたくさん運ぼうとすると山盛りになるので小さなボールが途中でこぼれますし、少量で安全に運ぶと回数が増えて時間がかかります。
これに、こぼれたボールをペナルティにして(例えば、選手はこぼしたボールを拾ってAに戻す、その間バケツはストップ、審判はこぼした分と同じ量をBに運んだ分から差し引いて帰りのバケツに入れてAに戻す、など)、小さなボール全球(+必ず下に大きなボール)をBに早く運んだチームの勝ち!なんてどうでしょうか。
各種ボールが大量にいることと運営者が準備や審判などで大変なことが欠点ですが、チームワークとバランス感覚、頭脳プレーなどが求められるゲームになると思います。(2004年度実践団体 防災一座より)
Q2

クロスロードの手法を使った防災に関する教職員向けの校内研修を予定しています。クロスロードについて、行政向けのカードは多くあるのですが、学校現場向けは少ないように感じています。クロスロードを教職員の研修や学校現場で活用した事例があればご紹介下さい。(2005年度実践団体高知東高等学校より)

A1
授業で「震災体験ゲーム」のようなものをつくって実践したことがあります。高校生相手に4回ほどと中学の先生相手に1回しました。方法は以下のとおりです。

1.学校、行政、ライフライン、市民、病院、消防、マスコミなど、10程度のセクターを設ける(参加人数で加減する)。
2.各セクターに決められた時間ごとに情報を与える。情報は、エクセルなどで縦軸に時間、横軸にセクターをとって表の中に書き込んでいけば整合性が取れるし、簡単にカードに打ち出スことができる。情報は、震災体験なので、できるだけ当時の事実を集めた。なお、情報を与えられるセクターと、情報がないセクターが存在する。一つの情報を与えられてから次の情報まで3分程度様子を見る。
3.与えられた情報に従ってセクター内で議論し、対策をとっていく。この際、他のセクターへの問い合わせも可能だが、5回だけといったように回数は制限する。マスコミには一斉情報発信機能を付与する。

これだけでかなりの議論を体験させることができ、情報収集やコーディネートの力も身につくか、その必要性には気付くと思います。与えられた情報が事実にもとづいているので、震災を知ることもできます。舞子高校では震災でやりましたが、水害や火災、ボランティアなど、さまざまな課題で同じようなゲームをつくることができると思います。とにかく、やってみるとおもしろくて、色々と考えさせられます。一度試してみてください。舞子高校のHPにもアップしているので、参考にしてください。 (実行委員会 諏訪委員より)
A2
クロスロードについてですが、先日、由岐町役場でクロスロード+ディベートのワークショップを行いました。クロスロードの問題については、できれば、高知東高校の先生が考えた方が良いと思います。自分たちで考えることにより、災害時における高知東高校の状況を想像できると思います。
一般的な問題を使うよりも、高知東高校に起こりうるジレンマを作った方が、より現実味もあります。手間はかかりますが、そちらの方がおすすめです。
また、その後でディベートを行うと、参加者の共通認識が深まります。
クロスロードを単なるゲームで終わらせることのないように工夫してみてはどうでしょうか。
(2005年度実践団体由岐中学校より)
A3
お問い合わせの「クロスロード職員研修」の件ですが、実行委員会の細川さんが情報提供されたように、本校において8月に、クロスロード制作者の慶應義塾大学商学部助教授吉川肇子先生においでいただき「クロスロード市民編」を行いました。
本校では、昨年度から防災ゲームを活用した実践的な防災学習をテーマに取り組んでおります。
そこで、他の職員にも防災ゲームの有効性を知ってもらうこと、また、実際に防災ゲームを行う中で、「真の防災とは?」というものを学び取ってもらうことを目的として行いました。
高知東高等学校さんでの職員研修が何を目的として行うかによって、クロスロードの活用の仕方も変わってくるのかと思いますが、「神戸編」は、行政向けで使いづらいということであれば、「市民編」を使ってみると良いのではないでしょうか?
徳島県の浜さんのご提案通り、独自のジレンマをもとにゲームを作成することができればベストかと思いますが、学校現場の忙しさから考えると、職員研修のために独自のクロスロードを作成するのはたいへんかなと思います。
まずは、クロスロードとはどのようなゲームなのかを体験した上で、アレンジを考えていくと良いのではないでしょうか?
研修後、吉川先生からは、クロスロードを子どもたちに作らせてみると良いのではないかというアドバイスをいただきました。
本校は、小学校のためクロスロードのジレンマを子どもたちに考えさせることは難しい状況でしたが、高校生なら様々な情報収集の上で作成可能ではないかと思います。
クロスロード自体は、小学生でも十分に楽しめ、有効な話し合いをすることができました。
市民編の中から、小学生でも理解可能なジレンマを選択し、グループごとではなく学級全体で取り組みました。
YES側の意見、NO側の意見に分かれて話し合いを行えるよう、少々ゲームをアレンジして取り組んだところ、たいへん盛り上がり、小学生なりにとてもよい視点で防災について話し合うことができました。(2005年度実践団体湖北小学校より)