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防災関連の最新ニュースをご紹介
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橋の倒壊を一定方向に制御 鉄道総研、巨大地震対策で
鉄道総合技術研究所は巨大地震の発生に伴い鉄道高架橋が万一、倒れても、人的被害を最小限にするため倒壊方向を制御する技術の開発に取り組んでいる。想定を上回る激しい揺れでも、建物や道路のない方向に倒れるようにする。埼玉大との共同研究で、橋桁と橋脚のつなぎ目にワイヤなどを装着する方法を使う。有効性については、上越新幹線が脱線した新潟県中越地震(2004年)で起きた揺れに基づくコンピューター解析で確認済み。16年度から3年間、大型振動台を使った実証試験を計画しており、その後の実用化を目指す。設置費用は橋全体の施工費の1割以下に抑えられる見通し。既存の高架橋への取り付けや、鉄道橋以外への応用も可能という。【2月2日 日本経済新聞より】
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災害時医療 混乱防げ/和歌山
和歌山県で30日、東海・東南海・南海3連動地震を想定した災害医療訓練が、県庁や県内各地の病院で行われた。近畿2府4県のDMAT約330人が、災害時に医療拠点となる病院に派遣され、「トリアージ」や、ドクターヘリでの搬送訓練を行った。和歌山市の県庁南別館3階に設けられたDMAT調整本部には各病院の被災状況や負傷者数の連絡が入り、調整本部長を務める県立医大付属病院の岩崎安博医師が、隊員の配置やヘリの出動を指示。隊員が、ホワイトボードに、各病院ごとの受け入れ患者数などを次々と記入していた。岩崎本部長は「混乱状況の中で現場の情報をいかに集めるかが難しい。衛星電話や無線など複数の手段を確保しておくことが必要だ」と話した。【1月31日 読売新聞より】
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北海道~関東沖 スロースリップ現象が地震誘発か
北海道から関東の沖合で、プレート境界がゆっくりずれ動く「スロースリップ」という現象が周期的に発生し、活発化すると周辺で比較的規模の大きな地震が多く発生することが、東北大学などの研究グループの解析で初めて明らかになった。東北大学の内田直希助教の研究グループは、スロースリップが発生する際に、ごく小さな地震が繰り返し起きることに着目し、北海道から関東の沖合で平成23年末までのおよそ28年間に観測された、ごく小さな地震のデータを基に、スロースリップがどこで起きていたかなどを解析。その結果、5年前の巨大地震の震源域や北海道東部の沖合など、プレート境界が強くくっついていると考えられている領域を除き、広い範囲で、スロースリップとみられる地殻変動が確認され、およそ1年から6年の周期で繰り返し活動が活発になっていたことが分かった。また、北海道から関東の沖合では、スロースリップが活発になると、周辺でマグニチュード5以上の比較的規模の大きな地震が増え、特に三陸沖では、活発でない時期の6倍以上に増えていたことが分かった。内田助教は「これまでの観測にスロースリップの観測を組み合わせていけば、将来、大地震の発生予測の精度を高めることができると期待される」と話している。【1月29日 NHKニュースより】
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南海トラフ地震想定 臨時航路開設の図上訓練/兵庫
神戸運輸監理部や兵庫県、神戸市、神戸旅客船協会などでつくる協議会が29日、旅客船による臨時航路開設に向けた図上訓練を、神戸第2地方合同庁舎で実施した。地震発生から7日がたち、鉄道と道路が寸断された状況で、同協議会が臨時輸送の要請を受けたとの想定。各組織から集まった約30人が通勤・通学者の移動手段を確保するため、神戸-大阪間の海上代替輸送ルートの設定に取り組んだ。訓練後には参加者から、港に出入りする船舶が過密状態になりかねないことや、船舶事業者への航行許可の手続きが煩雑なことなどの懸念が出された。【1月29日 神戸新聞より】
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地震などで決壊恐れ「警戒ため池」3000か所
2011年の東日本大震災では、福島県内のため池が決壊、住民8人が死亡しており、防災対策が急務になっている。農林水産省は自治体に対し、主に灌漑面積0.5ヘクタール以上のため池を対象に一斉点検を指示。各自治体では、堤防の亀裂や漏水の有無などを目視と書類で点検し、その結果などを踏まえ、詳細な調査が必要かどうかを総合的に判断している。読売新聞が昨年12月、各都道府県に点検状況を取材したところ、対象の約10万2500か所のため池のうち、約9割がすでに終了。下流に人家や公共施設などがあるため池は、少なくとも約9800か所あり、このうち約3割は、耐震不足の可能性がある(2760か所)、放流設備などに問題があり、決壊につながる恐れがある(240か所)などとして、さらに詳しい調査が必要だと判断された。【1月26日 読売新聞より】
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梅ケ島土石流 風化防ぐ 住民ら教訓継承へ実行委設立/静岡
台風がもたらした豪雨による土石流で多くの犠牲者が出た静岡市葵区梅ケ島地区の梅ケ島災害から今秋で50年になるのを前に、国土交通省静岡河川事務所と地元自治会などが25日、記念事業実行委員会を設立した。災害を機に、砂防や治山などの対策が進んだ一方、半世紀を経て流域住民の危機意識が薄れつつあったことから、記念事業を通じてあらためて啓発を図っていく。実行委には県や静岡市、静岡建設業協会なども参加する。防災講演会は6~7月の開催を企画し、災害を経験した地元住民が体験談を語るほか、梅ケ島・大河内両小中学校の児童生徒が郷土の災害史や治山対策についての学習成果を発表する。【1月26日 静岡新聞より】
▼国土交通省 静岡河川事務所「梅ヶ島災害 50 年実行委員会を設立します」
http://www.cbr.mlit.go.jp/shizukawa/05_jigyou/04_press/data/h280121_2.pdf -
離島に海水淡水化装置 渇水・災害へ対応 沖縄県16年度2基/沖縄
離島の水不足に備えようと、沖縄県は25日までに、船での運送が可能な海水淡水化の装置2基を購入する方針を固めた。装置は県内で初めて導入され、2基合わせて1日400トンの処理能力を見込み、約800人分の飲料水が確保できる。大規模災害や渇水時など緊急的な対策を想定している。対象は県内すべての離島で、大規模災害や渇水時に地元自治体の求めに応じてコンテナに積んで船で運搬する。この費用は各自治体の負担となる。【1月26日 沖縄タイムスより】
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ひょうご防災連携フォーラムが発足 産官学結ぶ/兵庫
防災や減災に携わる兵庫県内の研究者や実務者らが集い、成果や課題を学び合う研究会「ひょうご防災連携フォーラム」が24日、発足した。元兵庫県副知事の斎藤富雄・関西国際大客員教授ら研究者5人が発起人となり、設立を呼び掛けた。神戸市内で同日開いた発足式には、研究者や自治体の防災担当者ら約40人が出席。代表に選ばれた斎藤教授は「防災に関わる人が年々増える一方で、関係者同士の横のつながりは、21年たってもほとんどないままだ」と指摘。「地域内に顔の見える人間関係が培えれば、研究や業務の内容も深められるのでは」と呼び掛けた。今後は2カ月に1回のペースで集まり、会員らが研究成果を発表する。第1回は3月下旬を予定している。防災を学ぶ高校生・大学生や市民も聴講できるほか、ホームページで活動を紹介する。【1月24日 神戸新聞より】
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大雪時の鉄道運行 情報提供の方法検討へ
今月18日、大雪の影響で首都圏の鉄道で利用客が駅にあふれるなどの混乱が続いたことを受け、22日、国と鉄道各社の緊急の対策会議が開かれ、鉄道各社と国土交通省の担当者およそ30人が出席した。会議では今後も大雪の時には安全確保のために電車の運行本数や速度を制限していくことを申し合わせた。そのうえで電車の運行本数や所要時間の見通し、それに駅の入場制限や乗車までの待ち時間などのきめ細かい情報を提供できないか今後、各社で検討を進めていくことを確認した。鉄道会社からは「運行状況は刻一刻と変わるためどこまで伝えるのか判断が難しい」という意見も出され、国土交通省は具体策について各社と相談するとしている。東急電鉄の森田創広報課長は、「首都圏の電車網は相互に乗り合っているため1社では対応できないが、情報共有を進めていきたい」と話していた。【1月22日 NHKニュースより】
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地震速報、気象庁が新計算法…85%的中を目標
気象庁は今春にも緊急地震速報の高精度化事業を始める。従来の震度予測手法を大幅に改良するとともに新手法も導入し、併用することで、予測した震度と実測の誤差が1以内に収まる「的中率」が85%以上となる精度を目指す。現在の予測システムは、東日本大震災のような巨大地震や、ほぼ同時に二つの地震が発生した場合などに精度が低下しやすい。こうした弱点を補う高精度化事業を、従来の予測手法の改良と新手法の導入の2段階で進める。【1月25日 読売新聞より】
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火山活動情報もっと速く伝達 富士山科学研が県民向け発表会/山梨
山梨県富士山科学研究所が、山梨県立図書館で県民向け「研究成果発表会」を開催した。火山防災研究部の常松佳恵研究員は「より詳しい地形データを利用してシミュレーションを行えば、火山活動に関する情報をもっと速く伝達できるようになる」とした研究内容を明らかにした。この研究は、国立研究開発法人「防災科学技術研究所」と富士山科学研究所のプロジェクトで進められている。常松研究員は、富士山の地表をさいの目状に切り分けた細かい地形データを用意し、ハザードマップに重ね合わせることで、溶岩流の到達時間などの差異を算出できることを説明。火山活動が始まった時点から新たなデータを活用し、今後に起こり得る事態を情報として伝える「リアルタイムハザードマップ」(仮称)を、29年度までに示したいと話した。【1月20日 産経ニュースより】
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防災研究 情報交換で協定/和歌山
16日、2004年のインド洋大津波の被害を受けたインドネシア・バンダアチェ市の「アチェ津波博物館」と、広川町の「稲むらの火の館」が、防災教育・研究分野での情報交換などを進める協定を結んだ。アチェ津波博物館のトミー・ムリア・ハサン館長がこの日、稲むらの火の館での協定調印式に出席し、同館を運営する広川町の西岡利記町長と共に協定書にサインした。ハサン館長は「今後、自然災害の犠牲者をなくせるよう、互いの経験や培った防災教育について話し合っていきたい」と語った。【1月17日 読売新聞より】
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水道災害に備えよ 応急給水など訓練/群馬
群馬県安中市は16日、地震や風水害による停電、水質トラブルなどを想定した水道事業災害訓練を実施し、上水道職員37人が参加した。災害時の工務班は復旧・応急作業に当たるため、事務職員が避難場所などへ給水車を運行して応急給水できるよう、事務職員への災害対応指導を強化。竜巻による停電が発生し、浄水場は自家発電で稼働したものの、ポンプ揚水が止まって断水や一部でカビ臭の報告も入ったと想定。職員らは各配水池の点検、給水車への補給と市民への給水、浄水場への活性炭注入などの作業に本番さながらに対応した。【1月17日 東京新聞より】
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訪日客向けにホテル、百貨店で災害対応の整備相次ぐ
阪神・淡路大震災以降、防災対策を重視してきた関西の宿泊施設や商業施設が、急増する外国人観光客の避難誘導態勢を充実させている。神戸ポートピアホテル、ホテルニューオータニ大阪などは、宿泊客に避難経路の確認などを求めるパンフレットに7カ国語を併記している。また、リーガロイヤルホテルは、宿泊客が外出先で被災した場合に備え、ホテル周辺地図や連絡先を日本語と英語で記した携帯用カードを配布している。非常時の館内放送に外国語を追加する動きも広がっているが、いずれのホテルも「緊急時は客室を回って切迫度を伝え避難誘導する」ことが基本とみる。ピクトグラムの活用などが今後の検討課題という。商業施設でも、高島屋大阪店が、昨年11月から緊急地震速報の自動館内放送システムに中国語、英語、韓国語を加えた。阪急百貨店梅田本店、阪神百貨店梅田本店も昨年12月、災害時の館内放送に英語、中国語を追加。売り場スタッフが英語と中国語で誘導できるようポケットサイズの文例集を携帯させ、カウンターには避難誘導の際に掲げる旗を配備した。大丸梅田店は、緊急性を重視して館内放送は日本語、英語の2カ国語。政府関係者によると、平成27年の訪日外国人旅行者は過去最高になっており、受け入れる関連業界で、避難誘導の態勢整備の重要性は高まっている。【1月17日 産経WESTより】
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冬期の火山監視カメラ 蔵王山で実験開始/宮城・山形
宮城と山形にまたがる蔵王山で、雪が積もる冬の間も火山活動を監視するカメラが運用できるよう、気象庁は、雪を溶かしたり振り落したりする機能を備えた5種類のカメラの実証実験を始めた。火山の監視カメラの雪対策を調べる実験は全国で初めて。気象庁は、全国の火山の想定火口域に火山活動を監視するカメラの設置を進めているが、北海道や東北などでは、雪が積もる冬の間にカメラの運用をどう続けるかが課題になっている。こうした中、仙台管区気象台は、特別な雪対策を施したカメラの実証実験を蔵王山の山頂に近い山形市の蔵王温泉スキー場で始めた。実験は今年4月まで行われ、気象庁は、樹氷が出来るほど雪が吹き付ける厳しい環境の蔵王山で効果が確認できれば、各地の火山監視にも取り入れていきたいとしている。【1月17日 NHKニュースより】
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火山監視・警報センター新設へ/北海道
札幌管区気象台は、道内の火山の監視体制を強化するため、新年度から「火山監視・警報センター」を新たに設置する。札幌管区気象台は現在、十勝岳や雌阿寒岳、それに倶多楽など、道内の9つの火山を対象に24時間体制で観測を続けている。新年度からは、火山の過去の活動をデータベース化するとともに、専門家などと情報を共有しながら、火山性地震の増加などが観測された際には、速やかな警報の発表を目指すという。また、各火山にカメラや地震計などを新たに取り付けて監視体制の強化を進めていることにあわせ、観測や分析にあたる職員の数も、これまでの17人から33人に大幅に増やす。【1月8日 NHKニュースより】
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被災2小 防災テーマ施設と青果工場の計画案/宮城
宮城県東松島市は6日、東日本大震災で被災した野蒜小と旧浜市小の旧校舎の活用策について、公募の結果、防災をテーマにしたエンターテインメント施設と、LEDによる青果生産工場の計画をそれぞれ提出した2事業者を選んだと発表した。野蒜小の活用先は人材派遣業などを展開する「J.M.S」を選定。同社の計画によると1階に物産店や食堂、2階に震災や避難を学べる映画館やテーマパークを設ける。3階はベッド120床の宿泊室やシャワー室にする。旧浜市小の事業者は青果生産・販売「V・プランニング」に決定。体育館はレタスやイチゴなど約3500株の生産施設、校舎1階はレストランや研修施設、2階を研究開発室とする。市は住民と協議を進め、早ければ年度内に両事業者と契約する方針。【1月7日 河北新報より】
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電中研、我孫子地区の津波再現水路を公開-堆積物研究成果示す/千葉
電力中央研究所原子力リスク研究センターは12月12日、千葉県我孫子市で「大型造波水路」の見学会を開催した。同水路は205メートルと世界最大級の長さを持つ研究設備で、約100分の1の規模で津波を再現する機能も持つ。見学会はその成果を電力、建設会社、大学などの専門家に公開し、意見を交換することを目的に実施した。原子力リスク研究センターでは、確率論的リスク評価(PRA)研究の一環として今後起こりうる津波の想定に取り組む。大型造波水路では津波による堆積物の生成過程を再現。得られた知見をもとに実際の堆積物から過去の津波について規模の正確な推定につなげることを目指している。【1月6日 電気新聞より】
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災害時海上輸送で協定、九地整と九州各県など締結
国土交通省九州地方整備局は5日、大規模災害時における海上物資の輸送体制を確保するため、九州各県など関係自治体と港湾関連8団体との間で災害協定を結んだ。全国の地方整備局では四国地方整備局に次いで2例目。海上から救援物資を運ぶためには、輸送船が海中のがれきに接触しないよう警戒する船を別の港湾から派遣するなど、県境を越えた協力体制が必要になる。協定では、災害時に自治体からの要請を九州地方整備局が取りまとめ、九州港湾空港建設協会連合会など船を所有する港湾団体との間で調整を図るとしている。【1月6日 読売新聞より】
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平成27年度私立学校施設の耐震改修状況等の調査結果について
文部科学省は、12月25日、私立学校施設の耐震改修状況等について公表した。私立高等学校等の耐震化の状況は、全ての学校種で8割を超え、前年度から2.9ポイント上昇の83.5%となった。耐震化の要否を判定する上で必要な耐震診断の実施率は76.3%となり、前年度から4.7ポイント上昇した。私立大学等の耐震化の状況は87.6%となり、前年度から2.4ポイント上昇した。耐震化の要否を判定する上で必要な耐震診断の実施率は8割を超え、前年度から5.2ポイント上昇の81.7%となった。【12月25日 文部科学省より】