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防災関連の最新ニュースをご紹介
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【歴史・教訓】大津波映像 “小中学生に見せたほうがいい” 被災者などの7割
NHKは、昨年12月から今年1月にかけて、岩手・宮城・福島の被災者や原発事故の避難者など、合わせて4400人余りにアンケートを行い、全体の36%に当たる1608人から回答を得た。この中で、小学校や中学校の防災教育で当時の津波の写真や映像を見せることについて尋ねたところ、「したほうがいい」が35.8%、「どちらかと言えばしたほうがいい」が36.5%だった。また、子どもたちを「震災遺構」に連れて行くことについては、「したほうがいい」が26.1%、「どちらかと言えばしたほうがいい」が40.3%だった。こうした取り組みをしたほうがいいと考える理由を複数回答で尋ねたところ、「震災の恐ろしさを十分伝えるために必要だ」が86.2%、「被災した経験や記憶がない子どもが増えてきたから」が60.2%、「被災の記憶が風化してきているから」が52.2%などとなっている。震災の発生後しばらくは、被害を思い起こす映像を見せない配慮が広がったが、今の小学生の中には震災後に生まれた児童もいて、防災教育への意識の変化がうかがえる。【3月6日 NHKニュースより】
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【普及啓発】宮崎・日向で「防災カレンダー」 日向市防災推進課監修で印刷業者が発行
宮崎県日向市の産業支援センター「ひむか‐Biz」で2月26日、「日向市防災カレンダー」の販売が始まった。製作したのは印刷会社「デジタルプリントニュース」の甲斐隆一さん。4月始まりのカレンダーの日付部分には、2019年までの100年間に日本や世界で起きた大きな地震や台風、津波、火山の噴火などの災害が記されている。そのほか、日向市の避難所を読み取れるQRコードや、家具、家電の安全対策など防災に関する情報も記載されている。日向市防災推進課が監修した。甲斐さんは「せっかくハザードマップが記載されていても、冊子などでは書棚に入れて見る機会がなく、もしもの時にすぐには分かりづらい。日頃から目に入る場所に災害、防災情報があれば便利だと思った。カレンダーをきっかけに、自宅で用意したい非常持ち出し品のチェックをしてもらうなど、防災意識を高めてもらえれば」と話す。【3月5日 日向経済新聞より】
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【歴史・教訓】狩野川台風の教訓、後世に 「記憶をつなぐ会」が冊子作製/静岡
静岡県の狩野川流域市町などでつくる「狩野川台風の記憶をつなぐ会」はこのほど、1958年9月に被災した狩野川台風の記録や防災対策を取りまとめた冊子を作製した。5つのテーマで構成し、「語り継ぐ『狩野川台風』」では、台風上陸後の浸水被害状況を写真と図で説明。当時大仁町(現在の伊豆の国市)や修善寺町(現在の伊豆市)に住んでいた4人の被災者の体験談も紹介している。「高まる水害・土砂災害リスク」では、1時間降水量100ミリ以上の年間発生件数が30~40年前に比べて増加傾向にあることをデータで説明し、西日本豪雨や九州北部豪雨の被害状況を示しながら、水害への警戒を呼び掛けている。【2月26日 静岡新聞より】
▼国土交通省沼津河川国道事務所 「狩野川台風から60年」
https://www.cbr.mlit.go.jp/numazu/river/pdf/pamphlet_KanogawaTyphoon60th.pdf -
【歴史・教訓】六角川の防災パネルで啓発 22日まで武雄市役所で/佐賀
佐賀県武雄市の国土交通省武雄河川事務所は、事務所開設60周年を記念して六角川の水害や河川改修の状況を写真や地図などで伝える「防災啓発パネル展」を武雄市役所で22日まで開催している。「六角川の今と昔」と題したパネルは、川幅が狭くて堤防も低く、蛇行していた以前の姿と、橋や堰を設けたりして川幅が広がった今の様子を、写真や江戸時代の図などで紹介している。昨年7月6日の豪雨で越水した橘町大日地区の状況と対策工事の概要も写真や文章で説明している。防災マップづくりや水位上昇に合わせて時系列で防災行動を整理する「マイ・タイムライン」づくりを呼びかけるパネルもあり、訪れた人たちは過去の洪水の様子を見て、防災対応の大切さを学んでいる。【2月19日 佐賀新聞より】
▼国土交通省九州地方整備局武雄河川事務所 防災について考えてみませんか?~防災啓発パネル展を開催!~
http://www.qsr.mlit.go.jp/takeo/site_files/file/office/press/h30/20190131paneruten.pdf -
【歴史・教訓】繰り返す巨大津波知って 弥生中期の砂層、山元町資料館で展示 東日本大震災と同規模/宮城
宮城県の山元町歴史民俗資料館で、約2000年前の弥生時代中期に仙台平野を襲った津波跡が分かる中筋遺跡の砂層が展示されている。弥生時代の津波は仙台市若林区の沓形遺跡や中筋遺跡の調査などから、東日本大震災時とほぼ同規模だったとみられている。弥生時代の津波を研究している仙台市教委文化財課の斎野裕彦専門員は「中筋遺跡で見つかった津波堆積物によって、弥生時代の大津波が広範囲を襲っていたことが実証された」と指摘する。山元町教委の山田隆博学芸員は「この地層から東日本大震災が特別の災害ではないことが分かる。巨大津波が繰り返し襲ってきていることを知ってほしい」と話している。【1月29日 河北新報より】
▼山元町歴史民俗資料館
http://www.town.yamamoto.miyagi.jp/site/kankou/5782.html -
【歴史・教訓】震災8年 内陸避難者 語り部に…盛岡/岩手
東日本大震災後、岩手県盛岡市に避難した被災者たちが、震災から8年となる3月11日、語り部活動を始める。22日に市役所で開かれた市の復興事業に関する有識者会議で明らかになった。同市の一般社団法人「SAVE IWATE」は「震災で大切なものを失っただけでは悔しい。何か残したい」という被災者の声を受け、昨夏から手記集「残したい記録 伝えたい記憶(仮題)」を作り始めた。手記を寄せたのは、宮古市や山田町、大槌町などで被災して盛岡市に移り住んだ避難者ら男女16人で、1000部を発行して市内の小中学校・高校や公設図書館、希望者に無料で配布する予定である。語り部活動を始めるのは、執筆者のうち6人。3月11日に毎年開かれている追悼行事「祈りの灯火」で、「高台避難と避難所生活」「避難後の地元とのつながり」などのテーマで体験を話す予定である。【1月23日 読売新聞より】
▼東日本大震災追悼行事「祈りの灯火 2019」
https://inorinotomoshibi.jimdo.com/%E7%A5%88%E3%82%8A%E3%81%AE%E7%81%AF%E7%81%AB-2019/ -
【歴史・教訓】南海地震被害一目で 徳島大マップ制作 ネットで公開
徳島大環境防災研究センターが、宝永地震(1707年)や安政地震(1854年)など徳島を襲った過去の南海地震の被害を「南海地震被害マップ」としてまとめ、インターネット上で公開している。過去の南海地震の津波や液状化、揺れ、火災による被害を古文書などの歴史資料から抽出し、無料の地図情報サービス「グーグルマップ」に概要を掲載。自分の住む地域で過去にどんな被害が起こったかが一目で分かるようになっている。情報は随時追加されており、現在は102地点を閲覧できる。センターの馬場俊孝教授(津波防災学)の研究室に勤める楠則子技術補佐員が、過去の被害記録を分かりやすくまとめ、啓発に役立てようと企画。2016年10月から大学図書館の歴史資料を解読するなど作業を進めていた。楠技術補佐員は「過去の被害を知ることが自分の命や地域を守ることにつながる。資料はまだまだあるので、地道に更新していきたい」と話している。【1月22日 徳島新聞より】
▼南海地震被害マップ
https://www.google.com/maps/d/u/0/viewer?mid=1hLYXCDKjOABv3BAFtDVrRO8JMySQ-NTF&ll=33.89255704630914%2C134.23141725000005&z=10 -
【地域防災】豪雨・地震 歴史交え解説 災害リスク 地図に学ぶ 県歴博で公開講座/愛媛
愛媛県歴史文化博物館友の会公開講座「ハザードマップから学ぶ愛媛の災害」がこのほど、西予市の同館であった。大本敬久専門学芸員が史料や市町のハザードマップなどを用いて、西日本豪雨のような災害が過去に起きたことや、今後の豪雨や地震のリスクを解説した。大本さんは南予4市の防災マップや県土砂災害情報マップを示し「西予市宇和地域では肱川水系の支流氾濫や中心部の歴史的町並みでも土石流の恐れがある」と説明。宇和島市では南海トラフ巨大地震の津波が想定される臨海部に学校が集中し、避難場所候補の城山も急傾斜地特別警戒区域であることを懸念材料に挙げた。【1月18日 愛媛新聞より】
▼愛媛県歴史文化博物館 講座「ハザードマップから学ぶ愛媛の災害」
http://www.i-rekihaku.jp/gakublo/oshirase/7192 -
【歴史・教訓】阪神高速、大震災の資料を公開 ひび割れた橋脚、防災啓発/兵庫
阪神・淡路大震災から17日で24年となるのを前に、阪神高速道路は、大震災でひび割れた高速道路の橋脚を保存している兵庫県神戸市の震災資料保管庫を12、13日の午前10時~午後5時に特別公開する。保管庫は、震災の記憶を後世に伝えようと1999年に開設し、橋脚など34点を展示。2010年から予約制で見学を受け付けているが、特別公開は予約は必要ない。両日とも当時の復旧作業に携わった職員が講演する。【1月9日 共同通信より】
▼阪神高速道路 震災資料保管庫特別開館のご案内
https://www.hanshin-exp.co.jp/company/topics/_11213.html -
【防災力強化】インドネシア津波の原因は山体崩壊 日本でも
インドネシア・スンダ海峡で22日夜に発生した津波は、火山島のアナククラカタウが噴火に伴って「山体崩壊」を起こしたことが原因とみられる。中田節也・東京大名誉教授(火山学)によると、同島は数カ月前から噴火を繰り返し、溶岩で海を埋めながら成長していた。新しく拡大した所は不安定で、大きな噴火で一気に海に崩れ落ちたとみられる。日本でも1792年、長崎県島原市の眉山が火山性地震で山体崩壊し、対岸の天草(熊本県)を大津波が襲った。約1万5000人が死亡し、「島原大変肥後迷惑」と言われた。中田名誉教授は、2013年以降に噴火活動が活発化した小笠原諸島・西之島についても、津波への警戒を呼びかけてきた。「噴火が続いて成長中の火山島が山体崩壊することが多い。影響を受ける沿岸では津波対策を考えるべきだ」と話す。【12月24日 毎日新聞より】
▼島原市 歴史:島原大変
http://www.city.shimabara.lg.jp/rekishi/page2795.html -
【歴史・教訓】紀伊大水害を忘れないで 桑名北高で防災講演会/三重
三重県桑名市の桑名北高校で19日、防災について学ぶ学習会があり、7年前の紀伊半島大水害を経験した同校の坂田広峰教頭が講演し、全校生徒661人と地域住民も訪れ、耳を傾けた。坂田教頭は、学校の隣を流れる川が濁流と化す様子を撮影した動画や写真をスクリーンに映しながら、学校や周辺が受けた被害の状況を詳しく説明した。道路が冠水し、側溝との境界が分からなくなった写真を示して、「長い棒をつえがわりにして歩くといい」とアドバイス。最後に「紀伊半島大水害を風化させてはいけない。今日の話しを、家族の人にも伝えてほしい」と呼び掛けていた。【12月20日 伊勢新聞より】
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【歴史・教訓】被災語り部 熊本で国際シンポ
東日本大震災や、熊本地震など大規模災害の被災地で記憶の継承に取り組む人たちが集まり、活動内容や課題を語り合う「全国被災地語り部国際シンポジウム」が8日、熊本県熊本市で始まった。初日に熊本市民会館で行われたシンポには、自治体職員や、語り部ボランティアらがそれぞれの経験を語り、市民ら約150人が聴き入った。「被災地の語り部」として講話を行った井上学・熊本市危機管理監は熊本地震への対応について報告。「避難所の担当職員が日替わりで、施設管理者や被災者とのコミュニケーションがうまくいかなかった」と振り返り、「地域と行政が顔の見える関係を構築することで地域の防災力を高めていきたい」と述べた。パネルディスカッションには、長崎県島原市の雲仙岳災害記念館語り部ボランティアらが登壇。分科会では、熊本、兵庫県などの高校生らが次世代の語り部として取り組んでいる防災活動を紹介した。【12月9日 読売新聞より】
▼北淡震災記念公園 第4回全国被災地語り部国際シンポジウムin熊本
http://www.nojima-danso.co.jp/kataribe2.html -
【歴史・教訓】壁の水位痕は真備豪雨被災の証し 住民団体が保存方法を模索/岡山
西日本豪雨の実態を後世に伝えようと活動している岡山県倉敷市真備町地区の住民グループが、同町岡田の古い蔵の壁で、今年7月と1893(明治26)年に起きた水害時の水位を示すとみられる痕跡を見つけ、保存方法を模索している。蔵は富岡理弘さん方の敷地にあり、明治初期に建てられたとされる。7月の豪雨後、片付けをしていた妻の正江さんが、内壁に高さの違う二つの線があることに気付き、郷土史に詳しい同グループの森脇敏さんに連絡した。グループは岡山大の協力も得て、水位とみられる線の高さを計測。文献などと照合し、下側の線が7月の豪雨、約15センチ上側の線が明治期のものと推定した。グループは壁を1メートル四方程度で切り取り、水位を示す線が実際と同じ高さになるようにして地区内で展示することを検討している。森脇さんは「二度にわたる浸水被害の大きさを感じられる貴重な資料。保存、展示に向け、知恵を貸してほしい」と専門家らの協力を募っている。【12月6日 山陽新聞より】
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【歴史・教訓】<震災関連文書>保存への配慮「特に意識せず」57% 年限満了後「廃棄」33%に
東日本大震災で被災した各県や市町村の復旧・復興に伴う公文書(震災関連文書)に関し、過半数の自治体が保存への配慮を特にしていないことが、全国歴史資料保存利用機関連絡協議会のアンケートで明らかになった。震災関連文書の保存年限に特別な配慮をしたか尋ねた質問に「特に意識はしていない」と答えた自治体が57%に上った。「保存期間を長めに設定」は30%で、津波被害に遭った自治体に限ると、特別な配慮をしたのは23%だけだった。年限が過ぎた震災関連文書の取り扱いで「廃棄する」と答えたのは33%あり、「保留または保存年限を延長」は40%、「公文書館等に移管」は5%だった。震災関連文書は「罹災証明の発行経緯」「一部損壊住宅の工事補助金」など多岐にわたり、文書の種類に応じて永年保存、または1~30年の保存年限を定めている。宮城県女川町や多賀城市は歴史的に重要な文書を残す基準を作り、選別を開始。仙台市は公文書館の設置を決めたが、多くの自治体では対応が遅れている。調査を担当した茨城県常陸大宮市文書館の高村恵美氏は「歴史公文書を選んで公文書館に移す体制づくりが進んでいない」と話す。高村氏らは11月上旬、全史料協の全国大会で調査結果を報告。来春、正式な報告書をまとめる。【12月3日 河北新報より】
▼全国歴史資料保存利用機関連絡協議会
http://www.jsai.jp/index.html -
【歴史・教訓】地震津波碑や災害の痕跡 ネット上のマップに 四国防災共同教育センター/徳島・香川
徳島、香川両大学などでつくる四国防災共同教育センターが、四国に点在する地震津波碑や自然災害の痕跡などをインターネット上で確認できる「防災風土資源マップ」を作った。水害、地震、津波、土砂災害、渇水に関する四国内221地点の災害痕跡などを無料の地図情報サービス「グーグルマップ」上に掲載。地点ごとに写真を添え、地域を襲った災害の内容や教訓などの説明文を付けた。現地への案内機能もある。香川大の松尾裕治客員教授(災害伝承)が1996年から4県の災害痕跡などを巡り、資料を集めるなどしていた。松尾客員教授は「先人の教訓を学び、自分が住む地域の災害リスクを知ってもらうきっかけになれば」と話している。【11月30日 徳島新聞より】
▼防災風土資源マップ
https://www.google.com/maps/d/u/0/viewer?hl=ja&mid=1o7RZMDD-qYeTxwoljq5SIopwZd8&ll=33.63287551955487%2C133.61222505&z=8 -
【歴史・教訓】「防潮堤あっても逃げる」 歴史学者・磯田さん講演/静岡
歴史学者で国際日本文化研究センター准教授の磯田道史さんを招いた講演会「災害史から見た浜松」が26日夜、静岡県浜松市のえんてつホールで開かれた。磯田さんは同市沿岸に整備されている防潮堤に触れ、「確かに防潮堤はあった方がいい。ただ、地震時はそれがないものとして逃げるべきだ」と指摘。3~10数メートル級の津波が浜松を襲った過去の南海トラフ地震を例に挙げ、「津波の高さは予測がしにくく、さらに本当に防潮堤が機能するかも分からない」と強調した。また、「3メートル程度の津波であっても、沿岸部の要介護避難者には命に危険が及ぶ可能性がある。特に舞阪地区は防災の主戦場になるので、災害時の避難経路の作製が必要。近所でどう避難するかもぜひ話し合ってほしい」と呼び掛けた。【11月28日 中日新聞より】
▼浜松市防災学習センター
https://www.facebook.com/hamamatsubousai/ -
【歴史・教訓】震災アーカイブ役立てて 信大・白馬村・小谷村 HPを一般公開/長野
長野県北部の地震の調査を続けてきた信州大学と、被災地の北安曇郡白馬村、小谷村は21日、被害や復旧・復興の状況を捉えた写真や動画などが閲覧できるホームページ「2014年県神城断層地震震災アーカイブ」の一般公開を始めた。アーカイブは両村の地図が表示され、クリックすると地震直後の倒壊住宅などの写真や、被災者のインタビュー映像などを見ることができる。記録の保存や、地域や学校での防災マップづくりなどに生かしてもらう狙いで製作した。製作を主導した信大教育学部の広内大助教授(地理学)は発表会で「村で自立的に運用する仕組みが地域に受け継がれることが大事になる」と強調した。【11月22日 信濃毎日新聞より】
▼2014年県神城断層地震震災アーカイブ
http://kamishiro.shinshu-bousai.jp/ -
【歴史・教訓】豪雨被害、最新機器で残す 24日、東峰村に「伝承館」開館 被災時動画簡単に検索/福岡
昨夏の九州豪雨の被災地、福岡県東峰村に「災害伝承館」が24日オープンする。九州大研究者グループ「災害復興支援団」が整備した。支援団は「災害の記憶を風化させないよう記録として伝え、防災のヒントも考える拠点にしたい」としている。伝承館は、村役場宝珠山庁舎横にある林業総合センター2階の一室を、村復興計画策定委員長を務めた三谷泰浩九大大学院教授(防災工学)らが村から無償で借りて整えた。目玉は「東峰村探索システム」。村内地図に描かれた地点の印を棒で指すと、猛烈な勢いで流れる河川など、村民らから提供を受けた、その地点の被災当時の動画や画像が大型モニター画面に瞬時に現れる。館内には、村民と九大などが今夏、村内全15行政区を歩き避難に役立つ情報をまとめた「地区防災マップ」15枚や、災害の実情を知らせる大型パネルなども置く。復興へ向けた講演会や防災講座の場にも同館を活用するということである。【11月22日 西日本新聞より】
▼九州大学災害復興支援団
https://www.facebook.com/QdaiDSN/ -
【歴史・教訓】「歴史から学ぶ防災」でシンポ 市民ら講演や討論通じ意識高める/岡山
西日本豪雨を踏まえ、災害対策を考えるシンポジウム「岡山県における歴史から学ぶ防災」が15日、岡山県岡山市の山陽新聞社さん太ホールで開かれた。岡山大の馬場俊介名誉教授は「土木遺産から学ぶ減災」と題して講演し、岡山市の百間川をはじめ全国の河川に残る遊水池、付け替えといった治水対策を紹介。「明治以降は自然に打ち勝つことを目的としたが、江戸時代までは自然と共存して人命を守ることを優先した減災対策。過去の知恵に学ぶことは多い」と述べた。パネル討論では、7月の豪雨災害について、国土交通省岡山河川事務所の三戸雅文所長は「記録的な雨量に伴い、県内三大河川のいずれが氾濫してもおかしくない状況だった」と振り返り、県河川課の安倉俊雄課長は「河川整備は長い時間を要する一方、完了すればすぐに効果が発揮される」と指摘。岡山市・吉備学区連合町内会の西村輝会長は「小・中学校の教育に防災を取り入れることが重要だ」と話した。【11月15日 山陽新聞より】
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【歴史・教訓】宮城・女川で津波防災シンポ「生きた言葉や物語が学びに」
東日本大震災など大災害の教訓を生かして防災意識の向上を図る「津波防災シンポジウム」が10月31日、宮城県女川町の町生涯学習センターであり、震災遺構や臨時災害放送局を活用した震災伝承の在り方を考えた。一般社団法人減災・復興支援機構の木村拓郎理事長は、2004年の新潟県中越地震で被災した山古志村(現長岡市)の取り組みを紹介。遺構と語り部、地域産業が連携し、経済効果や交流の場を創出していることを挙げ、「震災遺構は非常に重要で長期保存が望ましい。県全体で維持管理する団体が必要」と話した。臨時災害放送局の活動を継承する一般社団法人オナガワエフエムの大嶋智博プロデューサーとパーソナリティーの佐藤敏郎さんは、町民らの言葉を伝え続けてきた経験を報告した。佐藤さんは「あの日からのこと、さらにはあの日までのことを伝えるのが震災伝承。復興の進展と風化の進行がイコールになってはいけない」と強調した。【11月1日 河北新報より】
▼宮城県 平成30年度津波防災シンポジウムを開催します
http://www.pref.miyagi.jp/site/0311densyogensaip/dobokubu-tsunami-h301031.html