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【関東大震災100年】鍵屋一(かぎやはじめ)

跡見学園女子大学 教授、(一社)福祉防災コミュニティ協会 代表理事

主な活動地域
秋田県 男鹿市
最近の防災・減災活動

関東大震災から100年経ちましたが、教訓として伝わっていると考えられることはなんですか?

・建物の耐震性が弱く、横浜市関内などでは9割の建物が全壊した。
・延焼火災の被害が大きく、同時多発火災における市民の初期消火が重要であった。
・火災以外にも建物の下敷き、土砂崩れ、津波により多くの死者が発生した。
・流言により多くの朝鮮人、地方出身者が普通の市民により撲殺された。
・行政は10万人を超える遺体処理に追われ生存者への支援が極めて弱かった。
・鉄道運賃を無料にすることで東京から70万人以上を地方に疎開させた。
・9月6日に後藤新平が「帝都復興の議」を提出できたのは、1921年の「東京市政刷新要綱」で16の重大事業構想があったからである。

いま、関東大震災級の地震が起きたら、心配なこと、解決していないと思う課題はなんですか?

・住宅の耐震化と延焼火災防止は当時と同様に重要である。
・さらに厳しい課題は人口増である。当時の人口は東京市で220万人であるが現在は都区部だけで972万人と4.4倍以上になる。
・大地震でライフラインが止まった状態でこの膨大な被災者をいかに支えるかは、具体化されていない。
・居住形態もマンションが多くなり、停電・断水状態でトイレなど生活の維持が厳しくなっている。
・当時の平均寿命は男41歳、女43歳であったが、現在は男81歳、女87歳であるなど、脆弱性の高い人が増えている。

関東大震災からの100年に学び、子孫たちに何をどう伝えていくか、考えていることをお聞かせ下さい。

・最初の大きな揺れから命を守るために、住宅耐震化と家具の下敷きにならない対策が最も重要である。
・マンションに住んでいる場合は、在宅避難生活が送れるような備蓄と住民間の協力が重要である。
・超高層ビルの場合は長周期地震動対策をきちんと実施しておく必要がある。
・木造住宅市街地の場合は初期消火等による延焼火災の防止が重要である。
・高齢者、障がい者等が安心して避難生活を送れるように福祉施設等の充実、あるいは広域避難先の確保が必要である。
・復興計画を事前に作成し、震災がれき処理など難題に正面から取り組んでおくことが早期復興につながる。
・経済の中核となっている企業がBCPを着実に実行できるように真剣に取り組むことが必要である。
・首都圏中枢部はあまりにも人口が多いため、地方への移転を積極的に進めておく必要がある。

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