まなべる、いかせる、つながれる。防災・減災のオンライン基地。

運営:防災推進協議会 企画編集:助けあいジャパン 協力:内閣府防災担当

リレー寄稿

※寄稿者様へのご連絡は、各ご所属先へお問い合わせください。

井ノ口宗成(いのぐち・むねなり)

井ノ口宗成(いのぐち・むねなり)

富山大学 都市デザイン学部・准教授

生年月日:1980年10月16日
出身地:京都市
最近の防災・減災活動:著書・編著書
林 春男・牧 紀男・田村 圭子・井ノ口 宗成, 組織の危機管理入門―リスクにどう立ち向かえばいいのか, 丸善出版, 2008年02月 (第4講, 第14講 分担執筆)
北原 糸子・松浦 律子・木村 玲欧(編集), 日本歴史災害事典, 吉川弘文館, 2012年05月 (能登半島地震 分担執筆)
田村 圭子, ワークショップでつくる防災戦略, 日経BP社, 2015年11月 (分担執筆)
「レジリエンス社会」をつくる研究会, しなやかな社会の挑戦, 日経BPコンサルティング, 2016年03月 (分担執筆)

防災を取り組み始めたきっかけは?

中学生の頃、阪神・淡路大震災を近くで見ていました。私自身は、京都在住だったので被害はなかったものの、それまで見たことのない火災の映像が脳裏に焼き付いていました。
大学では土木専攻に進み自動運転や道路建設に興味を持っていましたが、4年生の研究室配属にて、恩師である林春男先生と出会いました。林先生より、「社会の防災力向上」という新しいキーワードをもらい、「情報科学と社会の営みを合わせた新しい挑戦」に後押しをしてくださったことが、防災に取り組んだきっかけでした。


ご自身の活動の中で、一番のエピソード(うまくいったことや、いかなかったことも)という事例をひとつあげてください。

2007年中越沖地震における柏崎市の被災者生活再建支援です。
それまでは、被災地に赴いても自身の能力不足や適応力不足を悔やんでいましたが、柏崎市では長期滞在を決心し、「ひとりの取り残しもない被災者生活再建支援」を目指して実装研究を推進しました。情報システムの開発を得意としていたことや、恩師から教えていただいた「人の行動を把握する」ことから、今で言う「被災者台帳」の総合管理システムの基礎を設計・開発しました。日々、市職員にレビューをもらい、見直しと再構築を繰り返し、現場の窓口対応で使っていただくとともに、被災者の生活再建支援状況を個人単位で把握することに成功しました。
システムだけではありませんが、支援が進むにつれ幾人かの被災者から笑顔がこぼれたことを忘れられません。


防災活動は「つながり」が課題ですが、ご自身で感じる現状の課題についておしえてください。

被災地を見てきた中で大きく2つを強く感じます。
1つ目は、個々人の災害に向き合う姿勢です。安全・安心な社会が安定して提供される現代において災害は突然の異常事態として位置づけられています。普段から災害が発生することを意識し、どう乗り越えるか、逆手にとってどう災害を契機として活用するかを日々考えてほしいのですが、そのような姿勢が十分ではありません。
2つ目は、過去の経験者の知見の発信です。現場では、その場限りの対応が実施されているところもあります。理論を考えるだけでなく、過去の経験に耳を傾けて、その経験の背景や過程を考えながら、経験をつないでもらいたいと思います。


ご自身の活動の中で、繋がれるといいなぁ(繋がってよかった)と思われる(地域、企業、団体、個人など)についてご紹介ください。特に、つながれてよかった個人をリレー寄稿にご紹介ねがいます!

研究室配属まで理数系を中心としてきた私に、社会科学の世界に導いてくれた恩師ならびに研究室の先輩方があっての、今の活動だと思います。
また、新潟県や柏崎市、岩手県、福知山市、大島町、安平町など、多くの自治体職員にも支えられてきました。過去の被災地の職員たちと、今でも新たな被災地で顔を合わせる機会も多く、また、災害を乗り越えた経験を共有しているだけに、新たな災害や課題にも立ち向かう力をもらっています。言語化の難しい空気感を共有できたり、今後の見通しについて同じ方向性を持っていることで、良いチームワークが出来ています。
過去の被災地で共にした職員の皆さんを書き出すことは出来ませんが、そのすべての方々に感謝しています。


TEAM防災ジャパンサイトについて、期待されることについてメッセージをお願いいたします。

研究者や専門家だけでなく、地域には多くの防災に興味を持った人、過去の被災地で尽力された方々がおられます。その方々の考えや経験を活かして、次の災害に備えたり、災害時の新しい課題を解決することが重要です。理論や技術も大切ですが、過去の実績・経験を次につなげるネットワークとして、ぜひともTEAM防災ジャパンには頑張ってもらいたいです。
皆の知恵と経験をつないで次の災害を乗り越えることを願っています。

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