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関東大震災から100年経ちましたが、教訓として伝わっていると考えられることはなんですか?
9月1日の防災の日をはじめとして、地震火災対策、避難場所など、関東大震災の教訓をもとに、現在も普及しているものは多くあると考えます。しかしながら、先日、9月1日の防災の日の意味を知らないと言う若者に出会い、若い世代に教訓を伝える難しさを改めて再認識しました。関東大震災100年を、改めて防災について考えるきっかけにしたいですね。
いま、関東大震災級の地震が起きたら、心配なこと、解決していないと思う課題はなんですか?
関東大震災では、悪条件が重なったこともあり、火災旋風により多数の方が亡くなりました。私たちは、自然災害は私たちの想像を超えて、未曾有の災害をもたらす可能性を持つことを常に忘れてはいけません。悪条件が重なった結果として起こりうる過酷事象のバリエーションについて、柔軟な頭で想定していかなければならず、そのためには、あらゆる分野の皆さんが今一度、関東大震災級の地震が起きたら何が起こるかをイメージし、「想定外を無くす」ことが最も大切であると思います。
関東大震災からの100年に学び、子孫たちに何をどう伝えていくか、考えていることをお聞かせ下さい。
私は、外国人向けの防災研修を担当する機会が多いのですが、日本の防災を学びに来日した外国人から、「日本は敗戦し、更にたびたび大災害にあってきたのに、なぜ今のように発展できたのか?」と尋ねられることが多いです。首都直下地震や南海トラフ地震などの巨大地震災害や、気候変動下で頻発化する水災害など、今後の巨大災害リスクに直面する若者に対しては、私たちの先人も災害を乗り越え、生き抜いてきたからこそ、現在の若者の皆さんが存在しているのだということを伝えたいです。巨大災害リスクの膨大さを考えると、若者たちが不安に陥ることがあるのではないかと懸念しますが、先人たちのように我々も災害を乗り越えていける力と技術を持っているのだということを伝えていきたいですね。
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