寄稿者様への御連絡は、各御所属先へお問い合わせください。
防災を取り組み始めたきっかけは?
大学院時代に千葉県の真間川流域の水害について調査し、その研究成果を「水防都市構想」として提案したことをきっかけにして防災に取り組みはじめました。
その後、防災をコンサルタント業務のひとつとするマヌ都市建築研究所にて、東京都防災生活圏モデル構想を具体化した墨田区一寺言問地区の防災まちづくりに取り組み、同地区を含む向島地域での地域活動がライフワークのひとつになりました。
ご自身の活動の中で、一番のエピソード(うまくいったことや、いかなかったことも)という事例をひとつあげてください。
秩父市の久那地区における土砂災害からの逃げ地図づくりは、津波からの逃げ地図づくりの手法を応用した取り組みで、当初は試行を繰り返して苦労しましたが、逃げ地図づくりを契機に地区防災計画の立案につながりました。この取り組みは同じ市内の上白久地区や下白久地区に横展開し、土砂災害からの逃げ地図づくりからの地区防災計画立案が続きました。
一方、陸前高田市広田町の田谷地区は、逃げ地図づくりを重ね、それを活用した「キツネを探せ!」というアートプロジェクトを生むなどして防災まちづくり大賞・消防庁長官賞を受賞したものの、かねてから懸案となっていた地区防災計画の立案には至っていません。
防災活動は「つながり」が課題ですが、ご自身で感じる現状の課題についておしえてください。
webサイトやSNSなどで容易に多くの情報や遠方の人々とつながることができる時代になりましたが、身近な地域におけるご近所関係が希薄になり、いざという時の協力活動が難しいというのが基本的な課題です。
もう1点は、スマートフォンの普及により、地理情報や位置情報の把握は容易になりましたが、地図を読み込む機会が少なくなり、建築関係者でもスケール感を持ってコンタ(等高線)を辿り空間構造を理解できる者が年々少なくなっているように感じます。
ご自身の活動の中で、繋がれるといいなぁ(繋がってよかった)と思われる(地域、企業、団体、個人など)についてご紹介ください。特に、つながれてよかった個人をリレー寄稿にご紹介ねがいます!
昨年のぼうさいこくたい2018を契機に日本青年会議所国土強靭化委員会とつながり、今年の1月から全国各地で洪水からの逃げ地図づくりを展開してきました。
残念ながら同委員会の任期は1年間ですが、一緒に逃げ地図づくりに取り組んできた綾垣一幸・副委員長(横浜JC)を紹介します。今年のぼうさいこくたい2019では私たち逃げ地図づくりプロジェクチチームのメンバーと一緒に、逃げ地図師として講師(ファシリテイター)を務めます。
TEAM防災ジャパンサイトについて、期待されることについてメッセージをお願いいたします。
日頃から防災に熱心な活動をしている人たちばかりでなく、きっかけがないと参加しないひとたちにも、メッセージが届くような工夫が必要かと思います。
そういう意味では、私の研究室に所属して、東日本大震災の小・中学生の避難行動について卒業論文を書いたジャニーズ事務所所属の伊野尾慧君のようなアイドルが、TEAM防災ジャパンサイトに登場してメッセージを送ることも効果的かもしれません。
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