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内閣府政策統括官(防災担当)
協力
防災推進協議会

リレー寄稿

地域防災の担い手をご紹介

寄稿者様へのご連絡は、各ご所属先へお問い合わせください。

木戸崇之(きどたかゆき)

(株)エー・ビー・シー リブラ(朝日放送グループ)

主な活動地域
大阪府 大阪市
最近の防災・減災活動

防災を取り組み始めたきっかけは?

亡くなった祖母から、「小学生の頃、大阪市此花区で室戸台風の高潮に遭って、風呂屋の階段を必死に登って助かった」というエピソードを聞き、2000年に『ジェーン台風から50年 忘れられた高潮災害』というラジオ番組を作ったことです。 祖母にエピソードを聞かなければ、京都生まれの私が高潮に関心を持つこともなかったでしょうし、ここまで防災に注力することもなかったかも知れないなと思います。

ご自身の活動の中で、一番のエピソード(うまくいったことや、いかなかったことも)という事例をひとつあげてください。

災害情報の強制表示も、震災アーカイブも、これまでの放送局としてはかなり奇抜なアイデアで、いろんな人から「よく思いつきましたね」と言われます。変わり者の無茶な発想なのに実現にこぎつけられたのは、社内外の「巡り合わせ」や「有形無形の後押し」があったからです。 災害情報の強制表示機能を国内の放送局で初めて導入するにあたっては、同僚の技術陣、編成マンが果敢にチャレンジしてくれましたし、震災アーカイブは、上司はもちろん他社の大先輩、映像に映っている被災者の方からも後押しをいただきました。「よく思いついた」のではなく、実現を許してくれた所属先の『懐の深さ』に感謝しています。

防災活動は「つながり」が課題ですが、ご自身で感じる現状の課題についておしえてください。

今活動している人々との「つながり」は心強いですし、いろいろ勉強になりますが、難しいのは「未来につなげること」かなと感じます。今の実績にこだわって独り占めしていると、気付いたときにはそれを受け継いでくれる人がいなくなってしまうことが不安です。なるべくこだわりを捨てて、世代の異なる仲間との「つながり」をより強く意識したいと思います。いまあるものは早めにバトンタッチして、自分自身は新しいことへのチャレンジを続けていけるのが理想ですね。

TEAM防災ジャパンサイトについて、期待されることについてメッセージをお願いいたします。

震災アーカイブの制作作業では、災害伝承に立ちはだかる「肖像権」の壁を強く意識しました。また、著作者の死後70年生き続ける「著作権」も、ある面では災害伝承を妨げる要因になります。これは民間の力だけではどうにもなりません。国、民間、研究者、ボランティアなど、さまざまなセクターの方がいらっしゃるこのTEAM防災ジャパンのつながりで、法律や制度の変更なども含めて道筋をつけていければ理想的だと思います。
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