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【地域防災】梅雨入り前に防災もコロナ対策急務/和歌山

今月12日、台風1号が発生。日高地方では梅雨入りも迫ってきており、秋にかけての災害多発シーズンは間近となっている。新型コロナウイルス禍の中、とくに心配されるのが「3密(密閉、密集、密接)」状態になる可能性がある避難所の運営。各市町では集団感染防止へ段ボール間仕切りの活用、分散避難などの対策を練る一方、発熱者への対応や備蓄品の追加購入などの課題も出てきており、新たな備えの検討、準備を急いでいる。2011年9月、紀伊半島大水害で甚大な被害を受けた日高川町は、すでに避難所での感染防止対策の検討を済ませている。昨年5月にオープンした町防災センター(小熊)に備蓄している段ボール間仕切り800枚(1枚縦横約1.2メートルの正方形)をフルに活用する方針。各避難所へ配って避難者同士の「密接」を防ぐことにしている。さらに避難所には消毒液やマスクを設置。大規模な災害が予想される場合は防災センターなど9カ所の拠点避難施設だけでなく、町内138カ所(拠点含む)の避難所をできる限り開放、分散避難を図り、「密集」も防止する考えだ。防災を担当する総務課は「町長から指示を受け、避難所のコロナ対策を検討してきた。これから災害シーズンを迎えるので、まだ足りない部分は早急に検討、対応していきたい」と話している。今年度から日高広域消防OB2人が配属されている防災センターでは発熱者が出た場合が課題とし、隔離部屋をどこに確保するかを決めておきたいとの声も上がっている。日高地方の各自治体は万一の際、コロナ対策で閉鎖中の公共施設を開放する方針。日高川町以外のそれぞれの主なコロナ対策では、御坊市は消毒液の確保が必要といい、住民に非常用持ち出し品として消毒液のほかマスク、体温計などの追加を求める呼びかけを検討している。由良町は避難所内に複数の部屋(これまで1部屋)を用意。美浜町は今月21日の臨時議会に予算を提案し、避難所用のマスク、段ボール間仕切り、消毒液を購入する計画を進めている。日高町は消毒液の設置と発熱者の別部屋への隔離、印南町は発熱者の別の避難所への隔離、段ボール間仕切り活用などの対策を立てており、みなべ町は避難所内での避難者分散、消毒液とマスクの配置を決めている。【5月17日 河北新報より】