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防災関連の最新ニュースをご紹介
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【技術・仕組】気象庁、大雪の情報提供強化 相次ぐ雪害受け
気象庁は13日、雪に関する情報発信を今冬から強化すると発表した。大雪への警戒を呼びかける新たな気象情報を導入するほか、各地の降雪量を地図上で把握できるサービスを開始。過去6時間に顕著な降雪が観測された上、その後も大雪警報の発表基準を一定量上回ると見込まれる場合に、大規模な交通障害などへの警戒を呼びかける。当面は山形、福島(会津地方)、新潟、富山、石川、福井の6県を対象とする。同庁ホームページには降雪や積雪の状況を5キロ四方ごとに色分けした地図を掲載。13日午後から公開しており、1時間おきに更新する。従来、2日先までだった「24時間予想降雪量」も、数日間続くような大雪が予想される場合に「3日先」まで発表する。【11月13日 日本経済新聞より】
▼気象庁 新しい雪の情報の提供を開始します
http://www.jma.go.jp/jma/press/1911/13a/20191113_snowanalysis.html -
【普及啓発】気象レーダーやドローンを駆使 防災研究の発表/鹿児島
地震や火山の防災研究に取り組む鹿児島大学の研究者らによるシンポジウムが9日、鹿児島県鹿児島市の同大学であった。同大地震火山地域防災センターの真木雅之特任教授(気象学)は、気象レーダーを使って火山の噴煙などを観測する手法を紹介。高く上がった噴煙の内部の灰や小石などの分布状況を知ることができる様子を観測データで示し、「降灰量や噴煙高度など、量的なデータが得られることが利点」と話した。同大共通教育センターの井村隆介准教授(火山地質学)は、ドローンを使った火山観測について発表。噴火口の変化や噴煙が上がるスピードなど、ドローン利用で可能になるデータの3D化で「より生々しい様子がわかる」とした。また、鹿児島地方気象台の稲葉博明次長が特別講演し、気象庁が2007年12月以降に出した火山の噴火警報・予報は、九州地方が突出して多く、そのほとんどが県内だと指摘。「気象台が出す警報や予報を的確に理解してほしい」と結んだ。【11月10日 朝日新聞より】
▼鹿児島大学地震火山地域防災センター 令和元年度防災・日本再生シンポジウム「地震火山災害の軽減に貢献する鹿児島大学の観測調査研究」
http://bousai.kagoshima-u.ac.jp/3578/ -
【防災施策】「農業版ハザードマップ」作成へ現地調査 松山 興居島/愛媛
去年の西日本豪雨でかんきつ類の農地などが大きな被害を受けた愛媛県松山市の興居島で、今後の被災に備えて全国的にも珍しい「農業版ハザードマップ」の作成に向けた現地調査が行われた。当時、被害の把握に時間がかかったことなどが教訓となり、愛媛大学の研究グループが今後の被災に備えた農業用のハザードマップの作成を進めている。6日は農家からの聞き取りを踏まえ、土砂災害や浸水、通行止めになった道路をはじめ、復旧に使える重機の保管場所などをデータ化した地図を農家の人たちと確認した。そのうえで、ドローンを使って土砂崩れの規模や農地への被害も改めて確かめた。愛媛大学大学院農学研究科の間々田理彦准教授は「備えと早い復旧を目指すうえでこうしたハザードマップを活用してもらいたい」と話している。【11月7日 NHKニュースより】
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【防災施策】災害時の人命救助に特化 高度救助隊、熊本・天草で発足
熊本県の天草広域連合消防本部が、集中豪雨などの大規模災害に対応するため、最新鋭の機器を使って人命救助にあたる高度救助隊を新たに発足させた。5日、天草市本渡町の同消防本部で発隊式があった。高度救助隊は人命救助に特化し、救急救命士や救助の専門教育を受けた20~40代の17人の隊員で編成。政令指定都市や中核市などに設置が義務づけられており、県内では熊本市に続いて2番目の設置。発隊式で隊員らは、洪水災害を想定し、孤立した被災者をはしごを使って崖上に避難させる訓練を披露した。このほか、倒壊した建物の中で要救助者の有無を確認できる「電磁波探査装置」をはじめ、配備された最新鋭の機材の機能を市長に説明した。【11月6日 朝日新聞より】
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【防災施策】奥越で8県合同防災訓練 大雨と地震想定/福井
大雨と地震を想定した中部7県の緊急消防援助隊中部ブロックと県総合防災訓練、大野と勝山両市も加えた合同防災訓練が2日、福井県奥越地方の7会場であった。奥越地方を中心に長時間の降雨があり、震度5強の地震に引き続き6強の地震もあり、甚大な被害が発生したと想定。中部7県に滋賀県を加えた計8県から行政、消防、警察、自衛隊、医療機関など計170機関、1250人が参加した。主会場の大野市真名川憩いの島では、国内最大の全地形対応消防車両「レッドサラマンダー」が川の中を走行して堤防の土手を駆け上がった。土砂崩れの車両事故からの救出など11項目の訓練が続いた。勝山市の雁が原スキー場では、消防隊員ら約250人と消防車両約40台、ヘリ3機が出動して土砂崩れからの救出活動などが行われた。住民避難訓練では県の訓練で初めて外国人が参加。大野市小山公民館前で戸惑う外国人技能実習生を見つけた市民が「危ない」「逃げて」と簡単な日本語を使って避難所の小山小学校まで誘導した。【11月3日 中日新聞より】
▼総務省消防庁 令和元年度緊急消防援助隊地域ブロック 合同訓練の実施について
https://www.fdma.go.jp/publication/ugoki/items/rei_0110_20.pdf -
【技術・仕組】車内で調合 「災害時迅速に」 横浜薬科大で除幕式/神奈川
車内で調剤ができる災害対策医薬品供給車両「モバイルファーマシー」の2号車が完成し、その除幕式が10月29日、神奈川県横浜市戸塚区の横浜薬科大学で行われた。同大と市、市薬剤師会の3者が昨年12月に結んだ協定に基づき導入された。1号車は今年3月に導入済み。災害などの緊急時に運用するほか、平時には薬剤師学術大会や防災訓練などで活用している。同大でも車両を使い、教育の充実と災害現場で活躍できる薬剤師の育成を進めている。2号車は、災害時の悪路でも力を発揮する4輪駆動車仕様。被災地でも電源を確保するため、発電機のほか、リチウムイオンバッテリーを新たに追加するなど装備を充実させた。【10月31日 神奈川新聞より】
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【普及啓発】真備派遣 医療チームの活動報告書 岡山県医師会、夜間診療必要訴え
岡山県医師会は、昨年7月の西日本豪雨で倉敷市真備町地区などに派遣した災害医療チーム「JMATおかやま」の活動を報告書にまとめた。避難所への巡回診療や被災した地元医療機関の復旧支援・診療応援などの活動について、各チームや個人が計30編の報告を寄稿した。避難所では日中の診療だけでなく、自宅の片付けなどで日中に外出している人らのために夜間の診療が必要とされたことなどを説明。医療機関の患者情報をクラウド化するなど被災によるデータ消失に備えた対策の必要性も訴えている。被災した患者情報を関係者が共有できればよりニーズに合った支援が継続的に行えることから、「災害時の緊急措置として、法の緩和や柔軟な運用など、あらかじめ整備しておく必要がある」との指摘もあった。【10月30日 山陽新聞より】
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【防災施策】千曲川堤防の応急復旧工事完了 長野市が避難指示解除/長野
台風19号による大雨で決壊した長野県長野市穂保の千曲川堤防の応急復旧工事が30日、完了した。これまでの仮設堤防と異なり、決壊前と同程度の強度が確保されたことで同市は12日以降、千曲川沿いの地域に出してきた避難指示を解除した。国土交通省北陸地方整備局によると、堤防は13日未明に約70メートルにわたって決壊したが、同工事では、本来の堤防の位置より河川敷側に、高さ5.5メートルの鋼鉄製の板を長さ約320メートル設置した。同整備局千曲川河川事務所の吉田俊康副所長は「できる限り早く復旧しようと24時間態勢で工事を進めてきた。まだ仮復旧なので一日でも早く本来の堤防を造りたい」と話した。本工事は今後、有識者の意見を踏まえて堤防の形状や工法などを検討し、できるだけ早い時期の工事着手を目指す。【10月30日 中日新聞より】
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【防災施策】小田川の堤防強化に本格着手 国交省と倉敷市、拡幅や漏水対策/岡山
国土交通省と岡山県倉敷市は16日、昨夏の西日本豪雨により被害を受けた同市真備町地区の小田川堤防で、強化工事に近く本格着手する、と発表した。計画では、堤防上部の幅を現在の約5メートルから7メートルに広げる。外側ののり面の傾斜も緩やかにし、全体の厚みを増す。同町有井・川辺では、堤防下の軟らかい地層から水が居住地側に漏れる「基盤漏水」と呼ばれる現象を防ぐため、鋼矢板を川底に打ち込む工事も行う。堤防上部は市道となり、拡幅で「災害時の緊急車両の通行や住民の避難がしやすくなる」(倉敷市)という。豪雨に伴い小田川では堤防2カ所が決壊し、大規模な浸水被害が生じた。同省高梁川・小田川緊急治水対策河川事務所は「住民の不安解消を図れるよう、市と連携しながら事業を進めたい」としている。【10月16日 山陽新聞より】
▼国土交通省 高梁川・小田川緊急治水対策河川事務所
https://www.cgr.mlit.go.jp/takaoda/index.html -
【防災施策】台風19号「改良復旧」検討促す 国交省が災害緊急調査 佐野など4市町/栃木
台風19号の被害を受けた栃木県内河川や道路の早期復旧に向け、国土交通省は15日、佐野、栃木、鹿沼、壬生の4市町で災害緊急調査を実施し、2カ月後をめどに災害査定を実施する考えを示した。秋山川の堤防が決壊し住宅街を大量の水が襲った佐野市では、赤坂町の決壊現場など3カ所を視察。県職員の説明を受けた同省の細井俊一災害査定官は、応急復旧を早期に行うよう要請。必要に応じて土のうの上にブルーシートを敷く方法なども紹介した。細井災害査定官は記者団に対し「上下流の被害も確認し、川全体として考える必要がある。元の形に戻すのが基本ではあるが、場合によっては堤防を高くするなどグレードアップを図ることも考えられる」と話した。現地調査後、県庁で県土整備部幹部と意見交換した細井災害査定官は「今回の災害規模は非常に大きい」と感想を述べた上で、今週末に再び大雨が降る可能性を踏まえ「決壊箇所の応急措置を大至急進め、被害の全容を迅速に把握してほしい」と求めた。【10月17日 下野新聞より】
▼国土交通省 令和元年台風第19号による被害状況等について
http://www.mlit.go.jp/saigai/saigai_191012.html -
【技術・仕組】災害対応の新造フェリー 松山―広島の石崎汽船/愛媛
愛媛県松山市と広島県呉市、広島市を結ぶフェリーを運航する石崎汽船は11日、新フェリー「旭洋丸」を就航させる。同社としては約30年ぶりの新造フェリーで、災害時には陸上に水や電力を供給する機能を備える。新造船は旧旭洋丸の老朽化に伴い導入した。断水時には給水車42台分を陸上に送水できるほか、停電時には一般家庭60世帯分の送電能力の発電機も備える。2018年の西日本豪雨発生時には広島―呉の鉄道や道路が不通となる中、代替となる臨時便を運航。災害時のフェリーの重要性が再認識された。【10月10日 日本経済新聞より】
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【地域防災】防災情報、毎日お届け 横浜にコミュニティーラジオ マリンFM86.1 8月開局
神奈川県横浜市中区を主な聴取エリアとするコミュニティーラジオ局「マリンFM」が開局した。地域に密着した情報発信の一つとして、重視するのが防災情報。中区役所と情報共有のため協定を結び、8月26日の開局以来、区から情報を得て避難所の場所や非常時の備えなどを伝える番組「防災インフォメーション」を毎日、定期的に放送している。早くも本領発揮したのが9月9日に関東に上陸し、横浜市も大きな被害を受けた台風15号。避難勧告や避難所開設の情報を届け、聴いた人から「役に立った」といった感謝の声が寄せられたという。もともと音楽制作会社を経営していた社長の笹原延介さん。東日本大震災で被災者への情報伝達に力を発揮した、コミュニティーFMが中区にないと知り「自分たちでつくろう」と決意。免許取得など準備を進めつつ、イベント時に免許が不要なミニFMを開設するなどして運営ノウハウを学んできた。【10月9日 東京新聞より】
▼マリンFM
http://www.marine-fm.com/ -
【技術・仕組】防災科研など、「耐水害住宅」を公開実験 浸水せず
防災科学技術研究所と大手住宅メーカーの一条工務店は2日、茨城県つくば市にある世界最大級の大型降雨実験施設で、ゲリラ豪雨や洪水の対策をした「耐水害住宅」の公開実験をした。実験では長さ40メートル、幅30メートル、深さ3.5メートルの大型水槽の中に、一般的な木造2階建て住宅と、同じ間取りの耐水害住宅を建てた。洪水を想定して水槽に約1時間注水し、ゲリラ豪雨を模して雨を降らせた。一般的な住宅は基礎にある換気口や玄関などから浸水。風呂やトイレでは排水管の水が逆流した。一方、耐水害住宅は換気口や排水管に設置した弁で水の浸入を防いだ。水圧に耐える強化ガラスや防水シートも効果があったという。国土交通省によると過去12年で全国で床下・床上浸水の被害は約35万棟に上る。防災科研の林春男理事長は「いろいろな対策を標準化し、住宅関連メーカーなどと連携して水害に強い日本になれば」と話した。【10月2日 日本経済新聞より】
▼防災科学技術研究所 世界最大級の大型降雨実験施設によるゲリラ豪雨・洪水対策の「耐水害住宅」公開実験について
http://www.bosai.go.jp/press/2019/pdf/20190913_01_press.pdf -
【普及啓発】災害時の道の駅、活用探る 噴火、地震を想定 富士宮でセミナー/静岡
道の駅朝霧高原、NPO法人人と道研究会主催、静岡県富士宮市の共催で、第3回「道の駅」リレー防災セミナーが9月29日、同市の富士教育訓練センターで開かれた。パネル討論には、道の駅朝霧高原を設置する同市の須藤秀忠市長や同道の駅の志村正信支配人、阿部郁男常葉大教授らが登壇。志村支配人は運営者の立場から、避難所開設に当たってのマニュアルや訓練の必要性を指摘した。須藤市長は富士山の噴火口の想定が困難との認識を前提に「従業員の安全を図り、どう人員を配備するか問題がある」と言及。地域や広域での連携や外国人来訪者への対応などでも意見が挙がった。【9月30日 静岡新聞より】
▼NPO法人人と道研究会 「第3回道の駅リレー防災セミナー」in富士宮
https://www.route-press21st.jp/2019/09/05/2019年9月29日-日-第3回-道の駅-リレー防災セミナーを道の駅-朝霧高原-で開催します/ -
【技術・仕組】津波防災 地元の技結集 気仙沼・鉄工業者ら 自立式防潮堤1号完成/宮城
宮城県気仙沼市が建設を進める防潮堤の陸こう(出入り口)に今夏、気仙沼鉄工機械協同組合加盟企業が手掛けた自立式防潮堤「フラップゲート」の第1号が完成した。建造は日立造船とライセンス契約を結んだ北斗と、藤田鉄工所、小野寺鉄工所の地元3社が中心となった。大島にある駒形防潮堤の2カ所で据え付け作業を終えた。津波が押し寄せると寝かせた状態の扉が浮力によって立ち上がり、浸水を防ぐ。停電時も手動操作する必要がない。遠隔操作できるゲートも普及しているが、早く閉めると漁師らの避難を妨げる恐れがあるほか、市の試算で年5000万円程度となる維持費もネックとなっていた。市は維持費が安いフラップゲートに着目。「造船などで培った技術を生かしてほしい」と鉄工組合に働き掛けた。他の被災地でも同種ゲートを導入しているが、地元企業が連携して完成させるケースは珍しい。3社は国内初のトンネル状の陸こう用のゲートも建造中。日立造船の工場に何度も足を運びながら研究や実験を重ね、近く完成する見込みである。【9月28日 河北新報より】
▼日立造船株式会社 フラップゲート式水災害対策設備
https://www.hitachizosen.co.jp/products/products026.html -
【普及啓発】給油所で災害時訓練 佐賀県石油商業組合
佐賀県石油商業組合は19日、給油体制や手順を確認する「災害時対応実地訓練」を白石町廿治の給油所で実施した。県内の事業者20人が参加し、震度6の直下型地震が起きて停電したという想定で取り組んだ。参加者は、設備の安全確認や非常時の自家発電機を稼働する手順を学んだほか、救急車やパトカーなどの緊急車両の誘導・給油といった一連の流れを確認した。同組合によると、8月末の佐賀豪雨で県内の286カ所ある給油所のうち、25カ所が浸水などの被害を受けた。同組合の岡幹也副理事長は「地震や水害が起こったときに迅速に対応できるように意識を高めていきたい」と話した。【9月26日 佐賀新聞より】
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【技術・仕組】西日本豪雨の積乱雲発達メカニズムを解明 京大防災研
昨年7月の西日本豪雨は、西日本が大量の水蒸気を含んだ大気に覆われた上、かなり上空まで湿度が極めて高かったことで積乱雲が発達し、大雨をもたらした可能性があることを、京都大防災研究所の竹見哲也准教授(気象学)らの研究グループが19日、国際学術誌「サイエンティフィック・オンライン・レターズ・オン・ザ・アトモスフィア」の電子版に発表した。グループは、大きな被害をもたらした昨年7月5~8日について、気象庁が作成した気象データを分析。九州から中部地方では、大気中に大量の水蒸気が含まれていたほか、上空9千メートル以上の高度の湿度は、80%を超えていた。こうした条件の下、南と南西から暖かく湿った空気が流れ込んで西日本上空で衝突することで、「バックビルディング現象」が生じ、大雨を降らせた可能性があるという。竹見准教授は「水蒸気量と湿度に着目することで、積乱雲が発達する様子や降水量などがより詳細に予測でき、豪雨災害の防災に役立たせることができるかもしれない」と話している。【9月19日 産経新聞より】
▼京都大学防災研究所 平成30年7月豪雨時の積乱雲群の発生機構を解明
https://www.dpri.kyoto-u.ac.jp/news/12739/ -
【防災施策】台風被害の横浜市沿岸部 気象台が調査/神奈川
神奈川県横浜市では台風15号の影響により、金沢区の工業団地で護岸が10か所以上崩壊し、400社に浸水などの被害が出ているとみられるほか、横浜港の橋や施設にも大きな被害が出ている。13日は横浜地方気象台などの職員5人が、気象庁の機動調査班として現場に派遣され調査を行なった。流された貨物船が衝突した横浜市中区の南本牧ふ頭に向かう橋は、道路や側壁がおよそ130メートルにわたって損傷していた。気象台の担当者によりますと、台風が通過した際、南本牧ふ頭では高さ4メートルの防波堤をこえる波が押し寄せたとみられ、強風と高波で貨物船が流されて橋に衝突した可能性があるということである。横浜地方気象台の中根秀行調査官は、「台風15号では中心付近が速いスピードで三浦半島付近を通過したことで雨より風による被害のほうが顕著になったと考えられる。実際に現地を確認して想像以上の被災状況だった」と話した。【9月13日 NHKニュースより】
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【技術・仕組】地震の揺れ始め、規模の大小で差なし 超速報は「困難」
東京大学の井出哲教授が、東日本大震災を含む過去15年に発生した地震の観測結果から「大きな地震も小さな地震も、発生直後の揺れ方は意外と似ている」ことを明らかにし、英科学誌ネイチャーに発表した。井出さんは、北海道から関東の太平洋沖で2004年以降に発生したM4.5以上の地震約2500回のうち、プレート境界が破壊されて滑った東日本大震災と同型の約900回を抽出。同じような場所で起きたM2以上4未満の小さな地震と地震波を比べた。すると、全体の2割は地震波の始まり方の特徴が極めて似ていた。これまで、同じような場所と規模で繰り返し起きる地震については、揺れ始めの地震波が酷似するという報告はあった。今回、揺れ始めは同じで、途中から規模が大きく変わる分かれ道があるらしいことが分かった。逆に言うと、発生から1秒未満の短時間では地震の規模は予測できないことを意味する。井出さんは「緊急地震速報の改良や高速化は難しいという残念な結果」としつつ、プレート境界で破壊滑りが進むシナリオづくりに生かしたいとした。【9月11日 朝日新聞より】
▼東京大学 大学院理学系研究科・理学部 大きな地震と小さな地震の始まり方は意外に良く似ている
http://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/press/2019/6515/ -
【災害想定】熊本地震断層帯に今もリスク 静岡県立大など、力の状態推定成功
2016年4月に熊本県で起きた熊本地震で、膨大な地震活動を統計的に処理する新手法を用いて、地震後の断層帯にかかっている力の状態を推定することに静岡県立大と中部大などの研究グループが成功した。静岡県立大グローバル地域センター地震予知部門総括の楠城一嘉特任准教授が率いる研究グループは、小さな地震と大きな地震の発生数の割合を示す指標「b値」に着目した。一般に地殻内に大きな力がかかっていると大きな地震の発生数が相対的に増え、b値が低くなる傾向があることが知られている。研究グループは過去20年近くの間に起きた膨大な数の大小の地震活動を統計処理し、熊本地震の発生前にも、震源付近のb値が低下していたことを確認した。また、地震後の現在も日奈久断層帯の中央部分だけb値が低下していることから、今後も推移を監視していくとした。楠城特任准教授は「地震予知と違い、いつ起きるかは分からないが、相対的な切迫性や地震発生の可能性が高い地域をある程度事前に絞り込める」と新手法の手応えを話す。その上で「日本はどこで地震が起きてもおかしくない。こうした情報を参考にした上で、個人や地域、行政はいつ地震が起きてもいいよう防災対策を徹底してほしい」と訴える。【9月8日 静岡新聞より】
▼静岡県立大学 2016年熊本地震後の日奈久断層帯を監視する手法を開発
https://www.u-shizuoka-ken.ac.jp/news/20190905/