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防災関連の最新ニュースをご紹介
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【地域防災】白根山で火山性微動観測 レベル2継続 噴石警戒呼びかけ 群馬
群馬県にある草津白根山の「白根山」で、今年3月以来となる火山性微動が観測された。気象庁は噴火警戒レベル2を継続したうえで、火山活動が高まっていると考えられるとして、引き続き湯釜火口からおおむね1キロの範囲で噴火に伴う大きな噴石に警戒するよう呼びかけている。気象庁によると、29日午前11時59分ごろ、群馬県にある草津白根山の「白根山」の湯釜付近で地下の熱水や火山ガスの動きを示すと考えられる火山性微動が観測された。微動の振幅は小さく、およそ1分間続いた。草津白根山で火山性微動が観測されるのは、今年3月28日以来。【6月29日NHKニュースより】
▼気象庁 草津白根山(白根山(湯釜付近))の活動状況
https://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/activity_info/350.html -
【防災施策】女川原発の避難計画、政府が了承 コロナなど感染症対策を併記/宮城
政府は22日、原子力防災会議を開き、東北電力が再稼働を目指す女川原発(宮城県女川町、石巻市)で重大事故が起きた際の半径30キロ圏内の住民避難計画を了承した。広域避難の手段に加え、被ばく防護措置と新型コロナウイルスなど感染症拡大防止策を両立させる方策も盛り込んだ。原発の避難計画に感染症対策を反映させるのは全国で初めて。住民計約19万9000人が対象となり、広域避難先は全て宮城県内に確保し、避難元の地域ごとに詳細な手段や経路を設定した。感染症対策としては、感染者とそれ以外の人で避難車両や避難所を別にするほか、車両内や避難所では密集の回避を求める。屋内退避時は被ばく防護のため、原則換気は行わない。【6月23日 河北新報より】
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【防災施策】浸水想定区域の消防署や避難所、移転費用を一部補填
総務省は相次ぐ洪水被害に備えて、消防署や避難所の移転費用の一部を補填する事業に乗り出す。近年の集中豪雨で防災拠点が浸水する事例が起きているためで、財政支援は同省が進めている緊急防災・減災事業を活用する。これまでは東日本大震災を受け、地震や津波による被害を想定した施設整備を支援対象としていたが、大雨や台風で氾濫した河川による洪水被害なども対象に加える。事業費の7割を地方交付税で手当てする。消防署については、浸水想定区域から建物を移して新設する際の整備費用のほか、電源設備のかさ上げなども財政支援する。避難所では、上層階への移設や防水扉、止水板の設置などを支援する。すでに着手済みか、今年度中に着手した工事が対象だ。昨年の台風19号では、福島県須賀川市で広域消防組合の庁舎の非常用発電機が冠水し、一時的に使えなくなった。地方自治体からは、「集中豪雨の発生頻度が高まっている。堤防が決壊、河川が氾濫する台風被害も相次いでいる」などとして、国に支援を求める声が出ていた。【6月22日 読売新聞より】
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【地域防災】高潮被害うけ調査 防潮堤整備へ/兵庫
一昨年の台風21号による高潮被害を受けて兵庫県が沿岸部の調査を行ったところ、44か所で防潮堤や堤防などの高さが不十分だったことがわかり、令和10年度までに順次、対策工事を進めることになった。一昨年9月、神戸市付近に上陸した台風21号では、記録的な高潮で芦屋市や西宮市、尼崎市などの沿岸部で住宅の浸水などの大きな被害が出た。これを受け、県が海岸の防潮堤や河川の堤防の高さを改めて測量し、最新の台風のデータを用いて算出した新たな基準と比較した結果、海岸と河川の沿岸の少なくとも44か所、あわせて51キロメートル分について、防潮堤や堤防の高さが不十分だったことがわかった。対象の44か所は、大阪湾で19か所、播磨沿岸で9か所、淡路島沿岸で9か所、但馬沿岸で7か所となっていて、このうち芦屋市の南芦屋浜で最大2.2メートル、洲本市の都志と淡路市の富島で最大2メートル、また、香美町の無南垣では最大1.9メートル、高さに不足があった。このため県は、防潮堤などのかさ上げや水門を整備を進める10か年計画をまとめ、高潮対策を進めていくことになった。兵庫県では「台風の被害が大きかった芦屋市や西宮市の沿岸部などではすでに先行して工事を始めており、県全域での対策を急ぎたい」としている。【6月15日 NHKニュースより】
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【歴史・教訓】忘れない「28水」水害体験者らが冊子刊行 甚大被害の福岡・大刀洗町
1953年6月25日から29日にかけて、北部九州を猛烈な豪雨が襲った。「28水」と呼ばれる昭和28年西日本水害だ。福岡、佐賀、熊本、大分県などで死者・行方不明者が千人を超え、筑後川流域では床上浸水約4万9千戸、被災者数は約54万人に上った。大堰(おおぜき)村(現在の福岡県大刀洗町大堰小学校区)でも650戸中420戸が浸水する甚大な被害が出た。当時を知る住民らが冊子「故郷おおぜきあの日を忘れない昭和28年水害の記憶」をまとめ、防災への思いを新たにしている。冊子はA4判32ページ。水害の概要、被災当時の記録と復興後の現在の様子、住民の証言集、近年相次ぐ水害などを写真や図版を多用して紹介している。「憩いの園大堰交流センター」に展示されている写真が、冊子作成のきっかけになった。故 實藤(さねふじ)量平さんが28水当時の状況を撮影した約70枚で、遺族が10年ほど前、センターに寄贈した。ここ数年、水害が相次ぐ中で「当時の記憶も薄れている。写真や体験を伝えよう」と、住民らによる「28水に学ぶ会」が発足し、2018年から冊子を作る準備を進めてきた。センターは今後、28水の講習会やパネル展なども検討している。【6月14日西日本新聞より】
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【歴史・教訓】台風19号被害 宮城・丸森町の災害検証委が基本方針案を提言 避難所見直し、河川監視/宮城
昨年10月の台風19号豪雨直後の対応を振り返り、防災体制の改善を図る宮城県丸森町の「災害検証委員会」が、16項目の基本方針案をまとめた。想定浸水域や土砂災害危険区域にある避難所の見直しや、カメラによる河川の監視体制強化などを提言した。町のホームページなどで基本方針案を公開。6月1日まで町民から意見を募り、同月内に保科郷雄町長へ最終報告する。町は地域防災計画の見直しに基本方針を反映させる。基本方針案は「土砂災害や洪水に対応できない避難所を開設した」と反省点を挙げ、「安全で安心な避難所を設定する」との姿勢を示す。想定浸水域内でも上階への垂直避難が可能な場所は避難所とし、福祉避難所の拡充も盛り込んだ。氾濫した新川と五福谷川周辺に監視カメラを新設する。新たな観測地点として水位計と雨量計の設置も検討し、避難の判断材料にする。警戒レベルの発令は、町内8地区それぞれの地形的特徴を考慮せず全域一律としていた点を改め、地区ごとの発令にする。迅速な避難誘導に向け、町管理の要配慮者・避難行動要支援者名簿を自主防災組織や行政区長に配布する基準を規定化する。「配布のタイミングが遅かった」との反省を踏まえた。避難の呼び掛けは、防災行政無線の音声が聞こえにくい例があったため、町が配信する住民登録型メールなどで無線と同じ内容を伝える。冠水で孤立した町役場の代替施設や後方支援拠点の候補地として、舘矢間小校舎、旧丸森東中体育館、国民宿舎あぶくま荘などを検討する。【5月25日河北新報より】
▼丸森町復旧・復興基本方針
http://www.town.marumori.miyagi.jp/data/open/cnt/3/5657/1/houshin.pdf -
【防災施策】水防と防疫、両立へ備え 豊橋市が防災訓練/愛知
新型コロナウイルスがまん延する中、台風など風水害が襲ってきたら-。そうした事態を想定した防災訓練が22日、愛知県豊橋市であった。感染リスクが高まる三密状態になりがちな災害対策本部をどう運営すべきか、現場との効率的な情報共有は...。ほとんど経験したことがない「複合災害」を念頭に、対応策を一つずつ確かめ合った。災害対応の中枢を担う対策本部室は、三密に陥りがちな場所だ。幹部から防災担当の職員まで40人ほどが“缶詰め”となり、新型コロナの感染流行期にはクラスター(集団感染)が起きかねない。そのため、訓練では出席者は半分以下の15人に制限し、検温や防護対策を施して入室。他の人たちは各持ち場からビデオ会議アプリ「Zoom(ズーム)」を利用して参加した。今回は、別会場で実施した水防訓練の様子もドローンとズームを組み合わせることで、時間差なく対策本部に届けられた。豊川に落ちて流された水難者を、市消防本部に配備された水陸両用車などを活用し、助け出す様子が本部のスクリーンに投影されていた。市は今年4月、新型コロナが拡大する中での避難所の運営や感染予防の方針を発表。発熱やせきなどの症状がある人と、ない人を分けたスペースを各避難所に設けることや、除菌水噴霧器や体温計の配置などを定め、対策を進めている。佐原市長は「現場からオンラインで送られた映像がどんなふうに見え、やりとりができるか身をもって体験できた」と講評した上で、「災害はいつ発生してもおかしくない。職員には日ごろから高い防災意識を持って、備えてほしい」と呼び掛けた。【5月23日中日新聞より】
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【普及啓発】新型コロナ感染防護策など確認 梅雨入り控え、益城町が避難所運営訓練/熊本
熊本県益城町は梅雨入りを前に24日、町総合体育館で新型コロナウイルスの感染拡大に備えた避難所運営訓練を実施し、町職員ら約100人が、正しい感染防護策や避難者受け入れの手順などを確認した。大雨警報の発表を受け、町が災害対策本部を立ち上げたとの想定。体育館入り口には、町が新たに購入した体温測定カメラを設置。高さ1.4メートルの段ボール製の間仕切りで間隔を空けて設けたスペースに、避難者役の職員を誘導した。体調不良者のケアや食料の配布など、訓練の流れを見守った熊本赤十字病院の看護師や専門家らは「靴を履き替える場所の十分な確保や、屋外で車中泊をしている人が出入りする際の対策などを明確にしたほうがいい」と指摘していた。町によると、通常の避難所開設より時間や人員を要するほか、収容人数が半減するなど課題も多いという。訓練を検証し、新たに策定した「新型コロナウイルス避難所運営マニュアル」を見直す。今石佳太危機管理監は「在宅避難や車中泊も視野に入れ、まず今シーズンの出水期を乗り切りたい」と話した。同体育館は熊本地震で被災し、今年3月に建て替えが完了。7月から一般使用できる。【5月24日熊本日日新聞より】
▼益城町防災サイト 避難所における新型コロナウイルス感染症への対応について
https://www.town.mashiki.lg.jp/bousai/kiji0033860/index.html -
【普及啓発】西日本豪雨2年を前に防災訓練 岡山県と市町村、連携確認
2018年7月の西日本豪雨から2年になるのを前に、岡山県は21日、大雨を想定した防災訓練を実施した。県内の市町村や消防、国土交通省岡山河川事務所など50機関の約360人が参加。豪雨で甚大な被害が出た倉敷市などとウェブ会議も開き、連携の強化を図った。今年は新型コロナウイルス感染予防のため、昨年実施した住民が参加する避難訓練は見送り。県庁内の事務局を三つに分散するなど「3密」を避ける対策を取り、屋内で実施した。訓練を視察した伊原木隆太知事は「避難所での感染リスクをいかに避けるか、考える必要がある」と話した。【5月21日山陽新聞より】
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【防災施策】佐久市の千曲川遊水地計画 県が「桜井地区周辺」検討/長野
長野県が、増水した千曲川の水を一時的にためる「遊水地」を佐久市桜井地区周辺に新設する方向で検討していることが20日、分かった。昨年10月の台風19号災害を受け、国と県、流域市町村が実施する緊急治水対策プロジェクトの一環。新設する遊水地について、県は広さ約45ヘクタールで約135万トンの水をためる想定。洪水時に土地を遊水地として使う契約を地権者と結ぶ方向で検討しており、洪水時以外は従来通り農業を営むことができる。遊水地の周りを囲む高さ5〜7メートルほどの堤防部分だけ用地買収する。検討地の上流にある千曲川支流の滑津川は、台風19号で約300メートルにわたって堤防が決壊。周辺が浸水し、車で避難中だった市民1人が亡くなった。同じく支流の谷川、田子川は護岸が欠損した。県は対策として、滑津川は堤防を1.5メートルほどかさ上げし、谷川、田子川は川幅を広げて河床を深くする改良工事を計画。工事後は、台風19号と同程度の降雨があっても水が流れるようになる。一方、下流の千曲川本流で氾濫する危険が高まるため、新たな遊水地で受け止めるようにする。県は地元の理解を得た上で設計のための測量に入るとし、「地元に丁寧に説明し、進めていきたい」としている。緊急治水対策プロジェクトは、台風19号で大規模な浸水被害があった千曲川流域でおおむね5年かけ、家屋への浸水被害を防ぐことを目標としている。国の管理区間では長野、中野、飯山、千曲の4市の計5カ所が遊水地の検討地に挙がっている。【5月21日信濃毎日新聞社より】
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【防災施策】九州豪雨被災地の朝倉市 梅雨を前に一斉点検/福岡
梅雨の時期を前に20日、福岡県朝倉市で被災地域の一斉点検が行われた。3年前の九州豪雨で最も被害が大きかった、朝倉市の山間部にある8つの地域は、現在も復旧工事が完了していないことから、梅雨を前に危険箇所の一斉点検が行わた。県や市の防災担当者ら40人が、避難経路のほか、土砂崩れや浸水被害が懸念される場所の状況を確認した。現場を視察した朝倉市の林裕二市長は、「警戒レベルが低い段階から開設する避難所を増やし、新型コロナウイルスへの対策も講じたい。」としている。【5月20日九州朝日放送より】
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【防災施策】水害時の避難場所に 宇多津町が社寺と協定/香川
水害が発生した際に緊急の避難場所として活用してもらおうと、香川県の宇多津町は今日、地元の神社や寺と災害協定を結んだ。宇多津町と協定を結んだのは、町内の高台などにある7つの神社や寺。協定では、津波や高潮などの水害が発生した場合、境内の施設を付近の住民に緊急避難場所として提供することが定められている。宇多津町は大雨などで川が決壊した際、町内の大半が浸水すると想定されていて、安全な避難場所の確保が急務となっている。このうち宇夫階神社は災害が発生した場合、氏子たちが日頃、会議などを行う施設を緊急の避難場所として提供する。宇多津町ではこの他、町内の短大や専門学校とも同様の協定を結び、万が一に備えるとしている。【5月21日RNC西日本放送より】
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【地域防災】県境を震源に有感地震が1か月で136回…気象庁、しばらく注意を/岐阜・長野
岐阜県飛騨地方と長野県中部の両県境を震源とする地震が19日に相次ぎ、未明~午後11時に計36回の有感地震(震度1以上)を記録した。両県境を震源とする有感地震は4月22日~5月19日午後11時に136回確認されており、気象庁は断層帯や火山活動につながる動きはないものの、今後しばらくは地震が続くとして注意を呼びかけている。一連の地震による最大震度は4月23日午後と19日午後に観測した震度4。19日に震度4の揺れを観測した岐阜県高山市で、被害は確認されていないという。付近には長野県松本市から南方に延びる「境峠・神谷断層帯」や北アルプス・焼岳(両県境)があるが、一連の地震との関連性はいずれも確認されていない。この震源域では1998年8月からの約4か月間にも地震が300回近く観測されており、気象庁地震津波防災対策室は「今回の一連の地震も同じ推移をたどる可能性がある」とする。地震予知連絡会会長の山岡耕春名古屋大教授によると、北アルプスは隆起に伴う変形などで地震活動が活発になることがあるという。今は1か所で起きた地震が誘発して広がっている状態だとみられ、山岡教授は「今後も最大で震度5弱程度の地震が起こり得る。建物が倒壊する揺れではないが、落下物や崖崩れ、落石には注意が必要だ」と話している。【5月20日読売新聞より】
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【地域防災】ゲリラ豪雨対策、都市に「雨庭」 時間かけ地中浸透、日本庭園の知恵を現代に/京都
近年頻発するゲリラ豪雨対策として注目を集める「雨庭」が、京都市下京区の四条堀川交差点に完成した。道路に降った雨水を一時的にため、時間をかけて地中に浸透させる仕組みで、防災や水質浄化、ヒートアイランド現象の緩和のほか、住民が管理を担うことで地域コミュニティー活性化の効果も期待されている。同交差点では、雨水が道路にたまり歩きにくいという住民の声を受け、2017年度から雨庭の整備工事をスタート。道路沿いの植栽空間に、これまで2カ所の雨庭を整備してきた。3カ所目となる最後の雨庭は、交差点北西角に3月に完成。面積は約140平方メートルで、事業費は1800万円。カスミザクラやユスラウメ、貴船石を配置し、日本庭園風に仕上げた。雨庭が持つ機能は、京都に古くからある寺社や庭園にも見られ、都市防災の観点から注目されている。市は本年度、西大路四条交差点(右京区)と堀川高校付近(中京区)、六原学区(東山区)の計3カ所に整備する予定で、市みどり政策推進室は「雨庭の管理を通した地域住民の交流にも期待したい」としている。【5月18日京都新聞より】
▼京都市 四条堀川交差点北西角における「雨庭」の完成について
https://www.city.kyoto.lg.jp/kensetu/page/0000268051.html -
【歴史・教訓】資料20万点、閲覧伸びず 有効活用促す工夫必要 開設3年、熊本地震デジタルアーカイブ
熊本地震に関する写真や文書などの記録をデータ化し、一般に公開している熊本県の「デジタルアーカイブ」が4月で開設3年を迎えた。これまでに集めた資料は当初目標の20万点を突破した。一方で利用は伸び悩んでおり、専門家は「次の展開を考える時期に来ている」と指摘する。大勢の被災者が身を寄せ合う体育館、支援物資の配布時刻が書き足された避難所の掲示板、道路や農地の被害をまとめた自治体の会議書類…。県のアーカイブには、地震発生初期の混乱ぶりを克明に伝える資料が並ぶ。事業は2016年9月、資料の散逸を防いで熊本地震の記録を後世に残そうと、有識者会議の提言を受けて着手した。市町村や民間にも協力を呼び掛けて写真や行政文書を中心に幅広く収集した。【5月19日熊本日日新聞より】
▼熊本県 熊本地震デジタルアーカイブ
https://www.kumamoto-archive.jp/ -
【地域防災】「出水期」前に広島・湯崎知事が呼びかけ “避難行動 感染症リスクに注意を”
これから出水期を迎え、新型コロナウイルスによる感染症のリスクが懸念される中、湯崎知事は、大雨の際の避難行動に注意するよう呼びかけました。「まずは避難する必要があるときにはですね、自らの命、ご家族の命を守るためにちゅうちょなく避難していただきたいと思う。」(湯崎英彦知事)湯崎知事は、19日の定例会見で、これから迎える出水期を前に避難行動のポイントとして、▽安全な場所にいる場合は避難する必要はなく、▽避難所に限らず親せきや知人の家を避難先として検討することなどを呼びかけました。また、避難所を開設する市町に対しては、新型コロナウイルス感染症対策のために、▽できるだけ多くの避難所を開設し、▽発熱がある人の専用スぺースを確保することなどを依頼しているということです。一方、18日までの2週間ほど、県内で新規の感染確認ゼロが続いていることについて、湯崎知事は次のように述べました。「(県民が)人との接触を避けていただいた。また、事業者のみなさまは休業要請に協力をしていただいて、お店などを閉めていただいて、人が集まるのを避けた結果。」(湯崎英彦知事)休業要請の全面解除について、湯崎知事は、「当初は20日ごろに判断する予定だったが、政府が21日に発表する今後の方針を受けて判断したい」としています。【5月19日RCC NEWSより】
▼広島県 知事記者会見「新型コロナウイルス感染症の予防を踏まえた災害時の避難について」
https://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/kishakaiken/gpc-20200519.html -
【歴史・教訓】過去学び防災の一助に 「笠岡の地震 日本の地震」発刊/岡山
岡山県笠岡市内の歴史愛好家でつくる「笠岡町の歴史を知る会」(大塚善彦会長)は、過去の大規模地震による地域の被害を住民の証言や史料を基に記録した冊子「笠岡の地震 日本の地震」を発刊した。南海トラフ地震の発生が高い確率で予測される中、市民が過去に学び、防災意識を高める一助になれば―との思いを込めた。同会は旧笠岡町に当たる市中心部の笠岡、中央町地区の11人が会員。2012年に発足後、先人の足跡を今後を生きるヒントにしようと、地域の歴史にまつわる本を随時まとめている。今回は重要性が叫ばれる防災をテーマに設定。昨年5月から作業を進めてきた。冊子は3章構成で、第1章は東海沖から九州沖まで延びる南海トラフ沿いの紀伊半島西側を震源とする昭和南海地震(1946年)について記述。「経験したことがない激しい揺れ」(当時21歳の女性)、「散髪屋がつぶれ、寺のお墓がほとんど倒れた」(同12歳女性)など、旧笠岡町に住む高齢者に広く記憶を尋ね、19人から得た体験談を収めている。第2章では、南海トラフ沿いで起きた大規模地震を列挙し、笠岡での被害に関する記録を史料から拾っている。江戸後期の安政地震(1854年)では、商人とみられる「大津屋安兵衛」が液状化のような現象や火災の発生、長引く余震について書き残していることを紹介。第3章は、笠岡市周辺の断層を震源とする地震が起きた際の被害想定などを記した。大塚会長は「巨大地震はいつ起きてもおかしくない。備えの大切さを改めて伝えたい」と話している。A4判、110ページ。200冊作った。市立図書館に寄贈するほか1冊千円で販売している。問い合わせは、同会が加盟する笠岡地区まちづくり協議会(0865-63-5949)【5月19日山陽新聞より】
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【普及啓発】富士山防災、教材提供へ/山梨
山梨県富士山科学研究所は、防災教育を担当する教職員を支援するため、保有する富士山防災に関する資料を教材として提供する取り組みを始める。富士山噴火に関連する動画や噴火時の避難方法などをシステム上で公開する予定で、2021年度の運用を目指す。新学習指導要領で防災教育が拡充されたことを受け、指導に必要となる資料を提供することにした。本年度からシステムの開発作業を始めており、研究所などが保有する噴火に伴う溶岩流や火山灰などの写真や動画のほか、避難方法を分かりやすく紹介する手順書などを掲載する予定という。研究所は現在、防災教育に対する教職員のニーズを把握するため、富士北麓地域の小中学校を対象にアンケートを実施しており、結果を教材に反映させる。県内全域での活用も想定し、洪水や地震、土砂災害などの情報も掲載する。各市町村などの防災担当者の利用も想定しており、住民を対象とした出前講座などで活用してもらう。希望者にはパスワードとIDを付与し、システムにアクセスできるようにする。21年度から段階的に公開する予定。新学習指導要領では東日本大震災や熊本地震、西日本豪雨などの大規模な災害が頻発していることを踏まえ、防災・安全教育を充実。小中学校では特定の教科で学習するのではなく、理科や社会などで横断的に学ぶ。高校では地理歴史に新設される必修科目「地理総合」で防災を取り扱う。研究所はこれまで県内の学校を訪問し、富士山防災などに関する出前講座を実施してきた。久保智弘研究員は「個々の研究員が持っている防災に関する情報をまとめ、広く周知したい。防災情報は知らなければ逃げ遅れなどして命を守ることはできず、避難行動につながる教材を提供したい」と話している。【5月17日山梨日日新聞より】
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【地域防災】安曇野の地下に六つの大規模断層 信大グループが発見/長野
信州大の研究者らでつくる「信大震動調査グループ」(代表・小坂共栄(ともよし)名誉教授)は14日、安曇野市内の地下にこれまで存在が知られていなかった大規模断層が少なくとも六つあると明らかにした。いずれも活断層の可能性があり、調査した原山智名誉教授は「これまで地震が想定されていた松本盆地東縁断層(糸魚川―静岡構造線活断層帯の一部)だけでなく、今回見つかった断層も合わせて被害対策を見直す必要がある」としている。 新たに推定されたのは松本盆地東縁断層に平行し、南北に縦断する9本。うち6本は2本ずつつながっている可能性がある。最も長い断層は同市穂高有明から同市堀金三田にかけて8キロに及び、垂直方向に500メートルほどのずれが確認できたという。市からの委託調査で、同グループが2018、19年度、高精度な地震計を使い、微小振動(微動)の伝わり方から地下構造を調べた。いずれも地下にある「伏在断層」で、原山名誉教授は「被害を出す地震の多くは地上から確認できる活断層ではなく、伏在断層である場合が多い」と指摘し、注意を促している。同グループは市街地一帯の地盤の軟らかさと厚さから推定した「揺れやすさマップ」も作成。穂高有明や堀金三田などが揺れやすいと分かった。市は本年度中に改訂する防災マップなどに反映させる。【5月15日 信濃毎日新聞より】
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【普及啓発】豪雨の脅威 消防団員ら劇で再現 岡山県 啓発DVD制作
岡山県消防保安課は、災害の脅威や防災の重要性を分かりやすく訴える啓発劇を収録したDVDを制作した。倉敷市真備町地区に住む消防団員が西日本豪雨時に遭遇した体験を再現したものなど2種類。県内の自治体に配布し、自主防災組織や住民向け講習会で活用してもらう。倉敷市消防団玉島方面隊女性部が原案・出演を手掛けた風水害編「豪雨災害の教訓~早く逃げよう」(約25分)と、岡山市消防団西地区女性隊の原案・出演による地震・津波編「守れ命!」(同)。風水害編は、2018年7月の豪雨災害で倉敷市真備町地区の自宅が被災した団員の体験がベース。氾濫した水が迫りくる中、「床下浸水じゃろ」と避難を拒む同居の両親を残して一足先に逃げた後、2階まで水に漬かってしまったと両親から混乱した様子で電話がかかってくる場面などを再現するとともに、被災直後の実際の写真も織り交ぜ、当時の切迫した状況を伝える。「命を守るためには万一の際でも焦らず、適切に判断することが求められる」と村井佐恵部長。「再現劇を通じて日頃から防災を意識する大切さを感じてほしい」と話す。地震・津波編は県内を地震と津波が襲ったとの想定で、災害への備えを怠っていた一家の姿を描いた。劇中には防災講習会の開催シーンもあり、ペットボトル入りの水や非常食といった備蓄品の必要性を紹介しているほか、バケツやごみ袋を使った簡易トイレの作り方も説明した。それぞれ150枚ずつ作り、各市町村と消防本部に配った。動画配信サイトのユーチューブや消防保安課ホームページでも視聴できる。同課は「防災についてより深く考えるきっかけになれば」としている。【5月17日山陽新聞より】
▼岡山県消防保安課
https://www.pref.okayama.jp/page/654962.html