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内閣府政策統括官(防災担当)
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防災推進協議会

リレー寄稿

地域防災の担い手をご紹介

寄稿者様へのご連絡は、各ご所属先へお問い合わせください。

須藤宣毅(すとうよしき)

河北新報社 防災・教育室部次長、日本災害復興学会 理事、日本災害情報学会 広報委員、防災士

主な活動地域
宮城県 全域
最近の防災・減災活動
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防災を取り組み始めたきっかけは?

河北新報社東京支社に在籍していた2004年ごろ、一般社団法人減災・復興支援機構の木村拓郎理事長、東北大学の首藤伸夫名誉教授(当時は日本大学大学院教授)、東京大学大学院の広井脩教授から、ほぼ同時期に「宮城県沖地震は必ず起きるから地元紙の記者としてもっと防災の勉強をしなさい」と勧められたことがきっかけです。宮城県沖地震は約30年周期で起きていますが、当時、1978年の前回地震から25年余りが経過していました。2006年、防災士の資格を取りました。

ご自身の活動の中で、一番のエピソード(うまくいったことや、いかなかったことも)という事例をひとつあげてください。

東日本大震災の直前、本社報道部で防災取材班のキャップをしていました。河北新報の防災記事は日本のどの新聞社よりも多かったと思います。震災発生の半年後、津波被災した自治体の仮設住宅を訪ね、「河北新報の防災記事は震災で役に立ちましたか」とアンケートしました。「役に立たなかった」が7割でした。宮城県南の仙台平野の被災者からは「どれも高台避難を呼び掛ける記事で、三陸のリアス海岸の津波しか想定していなかった」と指摘も受けました。地形、都市と漁村、人口構成など事情が異なれば、被害も対策も異なることを痛感し、震災後、町内会や職場、学校を対象にしたワークショップ形式の防災報道に着手しました。

防災活動は「つながり」が課題ですが、ご自身で感じる現状の課題についておしえてください。

東日本大震災での避難や救助の話を聞くと、住民の連携が成否の鍵でした。教訓を踏まえ、防災ワークショップは「人と人、地域と地域を結びつけて防災力を高めたい」との思いを込め、「むすび塾」と命名しました。新型コロナウイルスの拡大後、ワークショップは活動の制約を受けましたが、ビデオ会議の普及で遠方の人も参加できるオンライン形式のワークショップが可能になりました。ただし、津波災害をわが身、わが地域に引きつけて考えるには、海からの距離、津波の高さなどを現地で確認することがベストです。それらを実感できる震災遺構が各地にあります。オンラインでつながった人たちを、被災地に呼び込むことが課題です。

TEAM防災ジャパンサイトについて、期待されることについてメッセージをお願いいたします。

リレー寄稿に投稿している人たちの所属や、取り組んでいるテーマの幅広さから分かるように、これほど多種多様な防災関係者がそろったサイトはないと思います。現在は防災関係者カタログのような状態ですが、AIを活用するなどして、さまざまな防災の課題を解決したい人と、そういった課題を解決できる人をマッチングするような機能を期待します。
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