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防災関連の最新ニュースをご紹介
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南海トラフ、想定死者3万4千人減 静岡県が減災効果公表/静岡
静岡県は30日、南海トラフ巨大地震に備える県地震・津波対策アクションプログラム2013に基づき昨年度までの3年間に実施した事業で、想定される死者数が全県で約3万4千人減少する減災効果を生んだと、県庁で開いた県防災・原子力学術会議で公表した。今回の結果は地震動や津波などのシミュレーションではなく、津波避難施設のカバー率や海岸堤防整備による浸水域の軽減、住宅耐震化率などから簡易的に試算した。被害要因別に見ると、最も減災効果が大きいのは津波対策で、想定犠牲者数が約3万2900人減るとの結果が出た。今回の結果はハード事業の効果に限定されているが、津波の試算で避難開始時間を5分早めれば、犠牲者はさらに1万以上減るという。同会議会長の松井孝典千葉工業大惑星探査研究センター所長は「ソフト事業を同時に進めるべき。今後も防災教育に力を入れ、防災に関心を持ち、自ら行動する県民を増やしていくことが重要」と指摘した。【5月31日 静岡新聞より】
▼静岡県「静岡県地震・津波対策アクションプログラム2013これまでの対策による減災効果について」
http://goo.gl/uVQS6F -
西原村、集団移転の事例説明へ/熊本
熊本県西原村は、区長の要望を受け、集団移転に関する住民説明会を6月1日に開く。西原村では5人が死亡し、住宅の全半壊は1134棟に達している。村によると、4月末に開いた区長会で、一部の区長が集団移転を検討する意向を表明したという。区長の要望を受けて開く住民説明会では、東日本大震災で津波被害を受けた沿岸部の集団移転に活用された「防災集団移転促進事業」や、新潟県中越地震で集落再生に適用された「小規模住宅地区改良事業」を紹介。いずれも国の補助が受けられることなどを説明する。内田安弘副村長は「集団移転するかどうかは住民主導で決めること。村としては住民に判断材料を提供したい」と語った。【5月30日 読売新聞より】
▼国土交通省 防災集団移転促進事業
http://www.mlit.go.jp/crd/city/sigaiti/tobou/g7_1.html -
土砂災害防止月間(6月1日~6月30日)を実施します
国土交通省と都道府県では、防災・減災の取組の一環として、梅雨や台風の時期を迎えるにあたり、国民一人ひとりが土砂災害の防止及び被害の軽減の重要性について認識し、理解が深められるよう、毎年6月を「土砂災害防止月間」として定め、様々な取組を実施している。主な取り組みとして、6月21日に岡山市で土砂災害防止「全国の集い」の開催。6月5日(日)を中心に全国各地で、住民、市町村、都道府県、国、防災関係機関等による「土砂災害・全国防災訓練」の実施。小・中学生を対象とした土砂災害防止に関する絵画・作文の募集などを行う。【5月26日 国土交通省より】
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「半壊」でも仮設住宅への入居可能に 熊本県/熊本
熊本県は、熊本地震で被災した人が、仮設住宅に入居する際の条件について、これまでは自宅の被害の程度が「全壊」または「大規模半壊」の場合に限られていたが、「半壊」であっても住み続けることが困難で、解体や撤去せざるをえない場合には入居対象とすることを決めた。災害救助法に基づいて熊本県では、仮設住宅やいわゆるみなし仮設住宅に入居できる対象者について、原則として自宅が「全壊」、または「大規模半壊」と認定された場合としている。しかし、一連の熊本地震では、被害の程度が「大規模半壊」より小さい「半壊」であっても、入居対象にしてほしいという要望が市町村から出されたことから、熊本県は法律の運用について内閣府と協議していた。その結果、内閣府は「半壊」でも、地盤が沈下して傾くなど住み続けることが困難で、解体や撤去せざるをえない場合には、入居できるとする内容を熊本県に通知した。【5月27日 NHKニュースより】
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気仙沼市 毎月11日を「防災を考える日」に/宮城
宮城県気仙沼市は、毎月11日を「防災を考える日」にすると、26日に開かれた市防災会議で説明した。早ければ今夏にも市地域防災計画に明記して定め、災害への備えの点検を市民に呼び掛ける。食料・飲料水の備蓄品や非常用持ち出し袋、災害時の避難場所といった備えができているかどうか、毎月テーマを設けて各家庭や学校、企業などに確かめてもらう。市はホームページや防災ツイッターなどで、取り組みを働き掛ける考え。昨年11月に開かれた市震災復興推進会議で委員から「震災の記憶が薄れている。毎月11日を防災の点検や子どもたちに伝承する日にしてはどうか」と提案があった。小野寺秀実危機管理監は「自分自身や家庭内などで震災を振り返り、防災を考えてもらう一つのきっかけにしたい」と話した。【5月27日 河北新報より】
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条件厳しすぎ識者「二の足」、震災再検証に遅れ/岩手
岩手県大槌町が、4月にスタートする予定だった東日本大震災の再検証作業を始められずにいる。再検証を指揮してもらうため町が外部の識者を招いて置く「震災検証監」が条件面から決まらないためで、町は人選を急いでいる。町は今年2月の町議会全員協議会で、再検証を行う方針を表明。旗振り役として「震災検証監」を新設して外部識者1人を招き、複数の町職員とチームを組むとした。検証監は危機管理対応の指導も行うことから、任期は最低1年で常勤。現在の職務との兼務は認めない。町に住居を移すなどの条件を設けたが、厳しい条件から複数の識者に断られたという。平野町長は「痛みを伴う役場の検証と今後の危機管理の指導役として『第三者で常勤』の条件は譲れない」と説明し、人選を急ぐとしている。地域防災に詳しいNPO法人「CeMI環境・防災研究所」の松尾一郎副所長は「検証では個人の責任を追及されがちだが、教訓を導き出すことが大切。そのためにも客観性は欠かせない」としている。【5月28日 読売新聞より】
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県内避難所、165カ所が「土砂災害危険」/熊本
熊本県内の土砂災害危険箇所に、市町村指定の避難所や避難場所が少なくとも165カ所あることが25日、分かった。このうち4カ所は、著しい危害が生じる恐れがあり「レッドゾーン」と呼ばれる「特別警戒区域」にあり、一部は熊本地震でも避難先となった。安全が確保されるべき避難所だが、集落全体が山あいにあったり、近隣に適当な場所がなかったりして、やむを得ず指定しているケースが目立つ。熊本地震で地盤が緩んでいるとみられるため、県は梅雨入りを前に安全確保の徹底や、別の地域への予防的避難を図るよう各市町村に呼び掛けている。県砂防課によると25日現在、土砂災害危険箇所は推計2万600カ所。このうち土砂災害警戒区域は1万4877カ所で、指定率は72.2%。同課は「危険な場所だと知ってもらうことで、災害時の避難行動に結び付けてほしい」として、本年度内に指定率100%を目指している。【5月26日 くまにちコムより】
▼熊本県「熊本地震に係る土砂災害危険箇所の緊急点検結果について」
http://www.pref.kumamoto.jp/kiji_15847.html?type=new&pg=1&nw_id=1 -
災害復旧融資の利用 7割が別府・由布市/大分
大分県は熊本・大分地震で被災した県内の中小企業者を対象にした災害復旧融資(県制度資金)の利用状況をまとめた。19日現在で34件・5億6450万円。件数の7割を別府、由布両市が占め、宿泊施設など観光関係者の資金繰りニーズが高い。金融機関には風評被害の長期化を懸念する観光関係者などの相談が増えているという。市町村別では別府市13件・2億1800万円、由布市11件・1億9350万円、日田市3件・6200万円の順。県は「建物や設備の復旧より日々の資金を求めている実情がうかがえる」とする。特に相談が多い大分銀行湯布院支店の小平善久支店長は「風評被害の長期化を心配する声を聞くが、観光客が戻ってくるまで頑張れるよう支援する。気軽に相談してほしい」と呼び掛けている。【5月26日 大分合同新聞より】
▼大分県「 平成28年熊本地震により被災した中小企業者に対する金融対策について」
http://www.pref.oita.jp/soshiki/14040/saigaifukkyuyuusi.html -
熊本の震災関連死、県の審査要望 5市町村「統一基準で」/熊本
熊本地震による「震災関連死」の認定を巡り、熊本県内5市町村が県による審査を希望していることが25日、分かった。市町村単位の審査では認定にばらつきが出る恐れがあり、医師や弁護士ら専門家も不足しているというのが理由。ただ、弁護士からは「実情を把握できるのは市町村。誤った審査は(訴訟などで)長時間、遺族を苦しめる」と反対論も出ている。災害弔慰金支給法などは、避難中などの関連死も対象だが、関連死に該当するかどうか全国統一の基準はなく、原則として市町村の審査会を経て認定。県に審査を委託することもできる。【5月25日 47NEWSより】
▼日本弁護士連合会 平成28年熊本地震における震災関連死の審査に関する会長声明
http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/statement/year/2016/160520.html -
車中泊、防災計画になし 新潟中越、東日本の教訓生きず 九州7県3政令市/熊本
熊本地震でエコノミークラス症候群になるケースが相次いでいる車中泊について九州7県と福岡、北九州両市が、地域防災計画に対策を盛り込んでいないことが西日本新聞の取材で分かった。地域防災計画に車中泊対策を盛り込んでいる自治体はなく、熊本県は「車中泊は想定していない」、長崎県は「避難所への避難が前提」と回答。その上で多くが「国の基本計画の修正を踏まえて見直すことになる」との姿勢を示した。こうした事態に内閣府は車中泊対策の検討を始めた。担当者は「熊本地震の課題を検証し、一定の車中泊対策を考慮する」と話した。車中泊が原因とみられる震災関連死は04年の新潟県中越地震で相次ぎ、11年の東日本大震災でも対策が課題となった。同県長岡市は06年に車中泊を続ける人にも支援物資が届くように地域防災計画に盛り込んでいる。室崎益輝・神戸大名誉教授は「今後もプライバシーの確保などから車中泊は増えるはずで、行政は車中泊という避難のあり方も認めて支援に努めるべきだ。国も自治体も早急に対策を取る必要がある」と指摘している。【5月25日 西日本新聞より】
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福祉避難所の指定進まず 県内、災害弱者の支援課題/岩手
岩手県によると3月末現在で26市町村が「福祉避難所」を指定したが、7市町村は指定施設が一つもない。県内で福祉避難所の指定施設がないのは大船渡、花巻、葛巻、西和賀、金ケ崎、平泉、田野畑の7市町村。福祉避難所はバリアフリー化された民間の福祉施設を指定するケースが多いが、市町村の取り組みに温度差があるのが実情。福祉避難所の認知が進んでいなかったり、人員に余力がなく災害時の受け入れに難色を示す施設もある。水や食料の備蓄経費を行政と施設側のどちらが負担するかなど調整に時間を要するのも指定が進まない一因となっている。また、福祉避難所が指定されていても、事前準備が不十分な場合などにうまく機能しない例もある。東日本大震災時も、町内7カ所に福祉避難所を設けていた大槌町では、想定を上回る避難者が殺到。福祉避難所の不足、要支援者の状況把握が不十分などの課題が浮き彫りとなった。【5月25日 岩手日報より】
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熊本地震で大規模断水 水道法の見直し議論始まる
23日、全国の市町村の関係者や水道事業の専門家などで作る厚生労働省の委員会の会合が開かれ、災害時の備えや周辺自治体との連携方法などについて、法律に盛り込むための議論が始まった。厚生労働省によると、熊本地震では大規模な断水が発生し、全国の自治体から職員が駆けつけて復旧に当たったが、災害時の自治体どうしの連携方法などについて事前に定めていなかったため、応援で来た職員の役割分担や給水車の配置場所などを決めるのに時間がかかったという。災害時の水道の復旧を巡っては、これまでも自治体どうしで協定を結ぶなどの備えが必要だと指摘されていて、専門委員会では今後、水道管が埋設されている場所の図面を共有したり、職員や給水車の配置場所を事前に定めるなど自治体の連携方法について検討することにしている。【5月23日 NHKニュースより】
▼厚生労働省 第2回水道事業の維持・向上に関する専門委員会 資料
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000124981.html -
熊本地震受け、国土強靱化の取り組み拡大 政府が行動計画決定
政府は24日、国土強靱化推進本部を開き、大規模災害に備えた2016年度の行動計画を決定した。熊本地震を踏まえた防災・減災の取り組み拡大や、昨年9月の関東・東北豪雨を受けた水害対策の徹底を盛り込んだ。災害時の事業継続に積極的に取り組んでいる企業を認証する仕組みの創設なども明記した。行動計画では大規模水害の恐れのある市町村で河川管理者や都道府県で構成する協議会の設置を促し、減災目標を共有する。14年の御嶽山の噴火を踏まえ、20年度までに避難計画を策定することや、火山研究者の育成を進める方針も示した。【5月24日 日本経済新聞より】
▼首相官邸 平成28年5月24日 国土強靱化推進本部
http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/actions/201605/24kokudo_kyoujinka.html -
災害時のガイドライン改定 時系列で対策明確化/兵庫
兵庫県は23日、水害や土砂災害時の避難勧告発令などの指針となるガイドラインを改定した。タイムラインを関係者であらかじめ共有し、災害時は、連絡員の待機、警戒本部立ち上げ、災害対策本部設置などに段階的に移行。避難勧告・指示が想定される際には、事前に発令の方法や見込み時刻などを住民に告知する。発令が夜間になる場合は、発生想定の数時間前かどうかにこだわらず発表する。また、避難情報を出す区域を学校区や町内会単位にするなど、分かりやすく絞り込むことも提示。さらに避難所が開設されていなくても、避難勧告をためらわないことなども強調した。【5月23日 神戸新聞より】
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大雨情報、5日先まで危険度明示 気象庁 26日から
気象庁は、警報を発表するような大雨の恐れがある場合、5日先までの危険度を「高」「中」の2段階で表形式にまとめ、26日から自治体に向け新たに情報提供すると明らかにした。気象庁の担当者は「自治体が事前に防災上必要な態勢を取れるよう、警報級の大雨になる可能性をより早く、分かりやすく伝えたい」としている。大雨のほか、暴風や波浪も表にする。今後、自治体の意見も踏まえて改良した上で、17年度からはホームページで公開する方針。【5月21日 産経ニュースより】
▼気象庁 「警報級の可能性」など新しい気象情報の提供に向けて
http://www.jma.go.jp/jma/press/1605/20a/20160520johokaizen.html -
土砂災害発生の危険度を地理情報と重ねて分かりやすく伝えます ~土砂災害警戒判定メッシュ情報の表示の改善~
気象庁は19日、ホームページで提供している土砂災害警戒判定メッシュ情報の表示を、5月24日より、市町村名や道路・鉄道・河川等の地理情報と重ね合わせて表示できるようにすると発表した。気象庁では、土砂災害警戒情報や大雨警報(土砂災害)が発表されたときに、当該市町村内において土砂災害発生の危険度が高まっている地域を把握することができるよう、気象庁ホームページにおいて土砂災害警戒判定メッシュ情報を提供している。今回の改善で、土砂災害警戒判定メッシュ情報と市町村名や国土数値情報の地理情報を重ねあわせて表示できるようになるとともに、地図の拡大・縮小が可能となり、自分のいる場所がわかりやすくなる。【5月19日 気象庁より】
▼気象庁 土砂災害警戒判定メッシュ情報
http://www.jma.go.jp/jp/doshamesh/ -
食料備蓄ゼロ九州2割 5県計53市町村 宮崎、鹿児島目標も未設定
西日本新聞が、米や乾パンなどを倉庫に保管しておく「現物備蓄」について、九州7県の市町村の備蓄状況や県が定めた目標量を各県に取材したところ、233市町村の2割が、災害時に住民などに提供する食料の備蓄をしていなかったことがわかった。鹿児島県は備蓄が進まない要因について「限られた財源の中、予算上の優先順位が低いことや、食料を備蓄する倉庫が確保できていないこと」を挙げた。2割超の自治体が現物備蓄していない福岡県は「流通備蓄で対応するという自治体もあるが、あくまで現物備蓄が望ましいと市町村には呼び掛けている」という。九州大アジア防災研究センターの橋本晴行教授は「災害に備え、各家庭で水や食料を備蓄しておく自助努力は当然大事だが、停電や交通網の遮断で地域が孤立した場合に備え、市町村も備蓄しておくダブルの備えが欠かせない。保管場所や維持管理などの費用はかかるが、熊本地震を教訓に、地域の状況に応じて避難者数を想定し、計画を立てておくことが必要だ」と話している。【5月19日 西日本新聞より】
▼内閣府 防災基本計画
http://www.bousai.go.jp/taisaku/keikaku/kihon.html -
災害時の健康支援チーム、厚労省が養成へ
厚生労働省は、災害時に機能が低下した被災自治体の保健所などで、保健医療対策を補佐する「災害時健康危機管理支援チーム」(DHEATディーヒート)の養成に乗り出す。感染症対策への助言や、支援者の配置・医療関連物資の供給を円滑に進める役割を担う。全都道府県にまず、5人程度のチームを置くよう求めており、将来的には被災地への派遣も目指す。DHEATは、公衆衛生を担う医師や保健師、栄養士ら行政職員を中心に5人程度で構成。救急医療を担当する災害派遣医療チーム(DMAT)や、心のケアにあたる災害派遣精神医療チーム(DPAT)などとの調整役になるほか、避難の長期化に備えて被災者対策を考え、支援者や物資の配置などについても助言する。【5月19日 読売新聞より】
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津波到達時間を一目で 防災マップを津市が改訂/三重
三重県津市は、南海トラフ巨大地震発生時に伴う津波を想定した「市地震防災マップ」を改訂した。市は2007年、東海、東南海、南海地震が同時発生したケースを想定して、「市地震防災マップ」を作製。各地区で予想される震度や津波の浸水域分布をまとめた。改訂版のマップはA1判の両面カラーで、A4判サイズに折りたためる。市内を23地区に分けて、浸水深30センチの津波が到達するまでの予測時間を色分けの地図で掲載した。72カ所の津波避難ビルと津波避難協力ビル13カ所の位置も載せた。市内全域のマップは、来月から市のホームページでダウンロードできる。7月までに、インターネット上で、特定した地域の被害想定がすぐに把握できる地理情報システム(GIS)の活用も始める。【5月19日 中日新聞より】
▼津市 平成28年5月18日 定例記者会見
http://www.info.city.tsu.mie.jp/www/contents/1001000012595/index.html -
テント村廃止に戸惑い 熊本・益城町 避難者700人「屋内は怖い」/熊本
熊本県益城町が町内の通称「テント村」を5月中に廃止する方針を決めたことが避難者に波紋を広げている。町は新たに避難所を設け、テント生活を送る約700人に移ってもらう計画だが「屋内は怖い」「また移動か」と困惑する声が上がる。同町は5月上旬の大雨の際、テントに浸水被害があったほか、晴天時は高温になることから「長期のテント生活では安全や健康を守るのは難しい」と判断。例年6月上旬の梅雨入りを念頭に、5月31日までに新設する6カ所の避難所に移転を求めることとし、13日からテント避難者への説明と意向調査を始めた。だが、2度にわたる震度7の揺れで建物倒壊の恐怖を経験している同町の住民は体育館などの避難所に対する抵抗感が強い。町の担当者は「移動は強制ではないが、テント暮らしは問題が多い。子供や高齢者など特に配慮が必要な避難者には屋内の避難所に移ってもらいたい」と話している。【5月17日 日本経済新聞より】