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特集

「平成30年版防災白書」の紹介

内閣府では、「平成30年版防災白書」をとりまとめました(6月12日閣議決定)。


今回の防災白書では、「気象災害の脅威 ~九州北部豪雨災害~」を特集として取り上げ、平成29年7月に発生した「九州北部豪雨災害」による気象災害の被害状況や政府やボランティア・NPO等との連携などによる対応や今後の課題について記述しています。
本編では、国の防災基本計画の修正(平成29年4月)、激甚災害指定の早期化に向けた手続きの運用改善の決定(平成29年4月)など、平成29年度に重点的に実施した施策の取組状況について、取り上げています。また、内閣府が実施した、「防災に関する世論調査」、「企業の事業継続及び及び防災の取組に関する実態調査」の結果など、様々なデータが公表されました。

「平成30年版防災白書」(内閣府防災情報ページ)


<ポイント紹介>

九州北部豪雨災害において地域の取組が被害の軽減に寄与

福岡県朝倉市では、行政と住民の協力により市内全地区の「自主防災マップ」が平成26年度までに作成・全戸配布されていたこと、住民による地域の危険個所等の確認や避難場所の周知ができていたことにより、避難場所への避難行動がとられていた。
福岡県東峰村では、各地区で平常時に自治体から提供された避難行動要支援者名簿の情報を基に、避難行動要支援者支援計画が作成されており、避難場所への避難行動がとられていた。

企業の事業継続計画(BCP)への取組状況

事業継続計画(以下「BCP」という)を策定した企業は大企業が64.0%(2年前の調査は60.4%)、中堅企業31.8%(2年前の調査は29.9%)とともに増加している。なお、「国土強靱化アクションプラン2017」では、大企業で策定している割合をほぼ100%(全国)、中堅企業の割合は50%(全国)を目指すこととしている。
また、策定後のBCPを「毎年必ず見直している」は大企業で36.1%、中堅企業は23.8%であり、「毎年ではないが定期的に見直している」は大企業36.1%、中堅企業は37.6%と、中堅企業であっても約6割が定期的に見直していることがわかる。
被災した大企業・中堅企業(計824社)に対し、日本で発生した自然災害時にBCPが役にたったか聞いたところ、「とても役に立った」「少しは役に立ったと思う」が大企業59.0、中堅企業46.1%であったのに対し、「全く役に立たなかった」は大企業が1.4%、中堅企業が0%であり、BCPの有効性を実感されていることがわかった。(企業の事業継続及び及び防災の取組に関する実態調査:平成30年3月実施・有効回答1,985社)

地方公共団体の業務継続計画への取組状況

地方公共団体における業務継続計画の策定状況は、都道府県で平成29年度末で100%に達した。市町村では平成29年6月時点で、前回調査から22ポイント上昇し、64%となっている。(総務省消防庁 「地方公共団体における業務継続計画策定状況の調査」)

地区防災計画の取組状況

内閣府では災害対策基本法の改正を行い、平成26年4月より「地区防災計画制度」を開始した。
内閣府が平成28年度までの3年度に渡り実施してきたモデル事業により、平成30年3月31日現在で44地区のうち約6割の27地区が地区防災計画(素案)を策定し、うち、16地区については市町村地域防災計画を修正し、地区防災計画として反映されることになった。なお、市町村地域防災計画で定められた全国における地区防災計画は平成29年4月1日現在において984となっている(消防庁調べ)。