運営
内閣府政策統括官(防災担当)
協力
防災推進協議会

特集

TEAM防災ジャパンお世話係企画チーム 学習交流会「防災のおとなりさん@岩手」開催レポート

TEAM防災ジャパンは2021年3月1日(月) 「防災のおとなりさん@岩手」と題したオンラインによる学習交流会を開催しました。


東日本大震災から10年を迎えようとする時期であること、次年度のぼうさいこくたいの開催地が岩手県の釜石市ということを念頭に、岩手県の方、岩手県にゆかりのある方々からじっくりお話を聞きながらの交流会となりました。
特に今回の学習交流会では、防災を専門するわけではないけれども、重要な活動をされている方をあえてゲストとして迎えることで、TEAM防災ジャパンのつながりの幅を広げていくことを目指しました。

主なプログラムは以下の通りですが、NPO法人いわて連携復興センターの葛巻徹さん、元三陸ジオパーク推進員の杉本伸一さんおよび前ボーイスカウト岩手連盟理事長の末永正志さん、保健師で岩手医科大学の鈴木るり子さん のお話を、それぞれTEAM防災ジャパン関係者による対談形式でお聞きしました。
その後、ゲストを囲む形で3つのグループに分かれて自己紹介をしたうえで、さらに深めたゲストのお話をお聞きし、参加者とともに、新しいつながりの可能性についても意見交換を行いました。


<主なプログラム>

●岩手からのゲストの紹介と対話
 *葛巻徹さん(いわて連携復興センター)× 澤田雅浩さん(兵庫県立大学)
 *杉本伸一さん(元三陸ジオパーク推進員)× 中川和之さん(時事通信)
  末永正志さん(元釜石市消防防災課長、前ボーイスカウト岩手連盟理事長)
 * 鈴木るり子さん(岩手医科大学)× 黒田洋司さん(消防防災科学センター)
●ゲストを中心としたブレイクアウトルームでの交流(3ルーム)
●ゲスト同士による振り返りと交流
●まとめ


<ゲストのお話し>
葛巻さんは、東日本大震災以前から取り組んできた、地域活性化のための市民活動の経験やつながりを下敷きに、震災後にいわて連携復興センターを岩手の仲間で立ち上げ、県外の市民団体や企業の支援を県内につなぐ役割を担ってこられました。
被災地はまだ復興の途上であり、防災よりも復興という雰囲気ではあるものの、岩泉の水害の経験なども踏まえ、“いわてNPO災害支援ネットワーク”を立ち上げて、行政や企業との連携も前提に災害に備えた活動にも取り組んでいるとのことでした。

また、杉本さんからは、日本ジオパーク委員会の支援の一環で、島原から三陸へ行くことになったという経緯とともに、大地を知ることが防災につながるという「防災といわない防災を伝えたい」という思いや、末永さんたちのボースカウトの活動などとの関わりを通して、アウトドアの活動が防災に役立つ点に着目してきたことなどを語っていただきました。
末永さんからは、震災後、子どもが遊べるような場所が災害復興のために使えなくなってしまったことから、子どもたちの心のケアのために、岩手県内のアウトドア系の団体と連携して、幅広い子どもたちに遊びの場を提供してきた経験から、被災から数年たってもフラッシュバックを起こす子どももいるなど簡単にはいかないこともあること、そのため、専門家の支援も受けつつ、保護者との関わりをはじめいろいろと学びながら活動を継続してきたというお話をいただきました。

鈴木さんは、これまで保健師として北海道や京都、そして岩手県大槌町で活動してきました。東日本大震災では自宅が全壊した中でも、全国の保健師の協力を得て大槌町の全戸家庭訪問に取り組まれたそうです。訪問のねらいは、避難所だけでなく在宅の被災者、被害のなかった山奥に住む人もふくめて、地域の人の状態を見える化することで、関連死等につながるリスクもみえてくるといいます。健康状態だけでなく、被災住民の将来のまちへの希望などにも耳を傾けてこられたことなどに触れながら、「見て・聞いて・つないで・動かしてみせる」のが保健師の仕事であるとの信念を語っていただきました。


<交流を通して>
対談後、グループ交流では、「ゲストさんとつながるとしたらどんな場面?」「ゲストさんは、どんな地域・どんな活動とつながりたい?」といった切り口で、参加者全員が自己紹介をしながら、連携のイメージも膨らませる機会となりました。

参加者には、岩手で防災や地域の活性化に取り組む方、医療関係者、アレルギーのお子さんを持つ立場や女性の視点で防災に取り組んでいる方などが参加くださったほか、岩手以外にも東北の支援に関わった方なども参加されました。同じ岩手県内でも、知り合う機会がありそうでなかった方たちがつながるきっかけにもなったようです。

なお、2021年度のぼうさいこくたいが岩手で開催されることについて、まだご存じでない方も少なくないことがわかりました。また、岩手の方からは、被災した市町村からすると復興や空き地問題があるなかで、まだ防災という感じではないところもあること、しかしコロナ禍の中でもなんらかの形で岩手に関わってもらいたいという思いがあることから、沿岸振興なども念頭に、釜石や岩手の方々に、ぼうさいこくたいという場をうまく使ってもらい、それをみんなで応援していくような形もあるのではないか、といった意見も頂戴しました。

また、今回の学習交流会については、「多様な方々と繋がることが防災の多様性につながるので、こうした交流の場は重要」「コロナ禍でなかなか人に会えないので貴重な機会となった」などの意見も寄せられており、定例化への期待もいただきました。

令和3年度は、こうしたお声も参考に、岩手をはじめ全国のみなさんとのつながりをさらに育みながら、ぼうさいこくたいの盛り上げにもつながっていくような学習交流の場を作っていくことができればと思います。