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「平成28年度 災害ボランティア等の活動環境整備に関する研修会(消防庁主催)」レポート
平成29年2月13日、消防庁が主催して日本消防会館で開催された「平成28年度 災害ボランティア等の活動環境整備に関する研修会」では、内閣府、JVOAD(全国災害ボランティア支援団体ネットワーク)、熊本県、KVOAD(くまもと災害ボランティア団体ネットワーク)それぞれの立場から、熊本地震でのNPOと行政との連携について報告を受け、来たるべき災害への対応について会場とともに考えました。災害発生時に対応する地方行政の職員にとって、貴重な知見が共有されました。
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内閣府政策統括官(防災担当)付企画官(普及啓発・連携担当) 児玉 克敏氏
「我が国の防災ボランティアとNPO」
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【ポイント】
- ・防災ボランティアは今後、NPOが中心になる。
- ・今後の災害対応には、NPOと行政との連携が不可欠。その際、本研修会の参加者が核となって欲しい。
- ・発災時にNPOと行政とが連携した被災者支援の活動が円滑に行われるには、『受援力』を高めることや、各セクター間の情報共有、連携等、平常時の取組が重要である。
<はじめに>
4月18日夜19時過ぎに東京から熊本県庁に到着し、直後に現地対策本部長であった松本副大臣から、県とNPOとの連携を促すよう指示がありました。21時、社会福祉協議会の担当であった熊本県健康福祉部に、NPOと行政の連携が如何に重要かについて説明し、翌19日朝に副大臣立ち会いのもと、県庁とJVOADとが初顔合わせすると決まりました。その際に県庁の中で強く支持いただいたのは、昨年の本研修会に参加していた熊本県の担当者です。つまり今後、災害が発生した時は、今日お集まりの皆さんが核となってNPOと行政との連携を進めていただくことになります。
<防災ボランティアの歴史>
ボランティア元年と言われた阪神・淡路大震災の平成7年以来、誰がボランティアの受付けをするかが議論されてきました。2004年の中越地震の頃に社会福祉協議会が中心となって災害ボランティアセンターを運営する形が定着し、最初期の混乱がなくなりました。東日本大震災では、個人ボランティアの数が145万人とされていますが、実際に活躍したボランティア数は550万人という推計があります。その差の400万人はNPOと考えています。(資料2p参照)
従って、NPOが今日の話の中心で、内閣府の施策の中心となります。東日本大震災など災害が繰り返されるたびに、避難所の環境を整備するなどのノウハウを蓄積してきたNPO・ボランティア団体は、もはや行政の職員では太刀打ちできないほどの災害対応のプロフェッショナルとなっています。(資料25p参照)
この県の計画では、医療などの専門職のボランティア以外を「一般ボランティア」と捉え、個人ボランティアとNPOを書き分けていないですが、都道府県でもNPOを個人ボランティアと別概念で捉える必要があります。(資料13p参照)
<熊本地震における対応>
都道府県の現地対策本部の横に、ボランティア団体の連絡窓口を作って情報共有する構想がありました。(資料18p参照)
この最初の事例が「熊本地震・支援団体 火の国会議」です。4月19日に体制が立ち上がったという速さ、NPO間で業務等の調整を図りながら大規模に支援したことなどから、行政とNPOとの連携の取組としては我が国初と言って良いと思います。政府としてもNPOを認知して大きくクローズアップしています。政府の公式の報告でも、ボランティアを政府の主な対応の項目に位置づけ、JVOADからNPOの活動状況を情報提供してもらい、行政とNPO等の連携・協働を報告しています。(資料22p参照)
<今後>
発災時に、こうした活動が円滑に行われるためには、平時から被災地の行政がNPO等に対する理解を深め、支援を上手に受け入れる力、いわゆる『受援力』を高める必要があります。(資料20p参照)
例えば、行政や NPO等のボランティア団体、社会福祉協議会等各セクター間の情報共有、連携が図られることが大事です。内閣府としてもこの動きを促進して参ります。
全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD) 事務局長 明城 徹也氏
「我が国のNPOと熊本地震における被災者支援について」
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【ポイント】
- ・JVOADの役割は支援の漏れ、抜け、落ち、ムラを無くす調整役
- ・熊本地震では、国の現地対策本部と県からNPOへの協力依頼から連携が実働。今後は、発災時の円滑な連携ができるよう、事前に行政と情報連絡体制を作ることが重要。
- ・支援団体(NPO)間の会議(業務の調整体制)、県・県社協・NPOの会議(連携体制)のそれぞれが必要。
<NPOの歴史とJVOADの設立>
東日本大震災では、個人ボランティア、NPO、NGOがたくさん現地に入りました。その際、大きな課題として、支援の漏れ、抜け、落ち、ムラを無くす調整が上手く取れなかったことが指摘されました。平成25年「次に災害が起きた時には上手く連携・調整をして活動しなければいけない」と話し合いが始まり、平成28年11月1日にNPO法人JVOADを設立しました。(資料1p、2p参照)
JVOADは災害が起きた現地で、被災した住民や地域のニーズ(困りごと)と、誰がどこでどういう支援をやっているのかという支援の全体図を把握します。こうして、どの地域に支援が入っていないか、どの分野の支援が足りないかなど、支援のギャップを明らかにして、「何をすべきか」がわかる環境を整える動きをしていきます。
<熊本県との連携・協働>
4月の熊本地震の時はまだ準備会という段階でしたが、3年間準備会をやって来たこともあり、内閣府、社協との情報共有、熊本のNPOと会う手はずなど、事前の流れ、情報共有がスムーズに行きました。(資料14p、15p参照)
大きな転換点は4月19日で、国の現地対策本部と県からNPOへの協力依頼があり、ここから連携が動き出しました。当時600ヶ所以上と言われていた避難所の運営管理について、行政と連携して共有会議を開きながら進め、協力していこうという話がありました。具体的には、県から避難所のリストと地図データを共有してもらい、県庁内にNPO等が情報共有出来るスペースを設置したことなどです。
<連携体制(会議)>(資料16p、20p参照)
会議体は2種類あって、1つは「熊本地震・支援団体火の国会議」です。主にNPO等の支援団体が中心ですが、オープンな情報共有の場を作り、地域のニーズの共有や、提供できる支援内容の申し出など、団体同士の情報のやり取りで、解決出来るものを解決して行こうという会議を毎日19時から行いました。もう1つは「県・県社協・NPOの連携会議」です。それぞれ単独では解決出来ない課題を共有し、連携による解決策を探しました。
会議の成果として、避難所の運営支援の調整、生活環境調査の実施と環境改善の取り組みが挙げられます。炊き出しの調整や、避難所の集約・閉所に向けた協力体制なども行われました。物資支援、仮設住宅の支援などの調整も行われています。(資料21p、23p参照)
<今後>
熊本地震で見えて来た課題は、避難所の運営者不足、住環境の避難所ごとのばらつき、在宅の避難の状況把握が困難なこと、避難する理由の多様化に伴って、仮設住宅が出来でも避難所が解消出来ないことなどです。(資料24p、25p参照)
今後は、行政、社協、NPOによるネットワーク、NPO等の受け入れ、調整機能について、具体的に文書化して連携体制を作ることが必要です。勇気を持って情報共有をするというところから始めると、力を発揮して困りごとの解決につながると思います。(資料26p参照)
熊本県健康福祉部健康福祉政策課福祉のまちづくり室長兼審議員 木村 忠治氏
「平成28年熊本地震 災害ボランティアとの協働について」
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【ポイント】
- ・平時から関係を構築し、発災当初から熟練したボランティアに運営の支援を受けるなどの受援力が必要(資料1p参照)
- ・行政は指定避難所に関心が向き、多様な避難状況の把握・支援を見逃す傾向があるので要注意
- ・NPO等の災害ボランティア団体と社協ボランティアがそれぞれ担う役割を混同してはいけない。特に、参加者の安全確保が最優先となる社協ボランティアについて、稼働時期や守備範囲を事前に把握し理解しておくことが不可欠(資料7p、14p参照)
<受援力の必要性>
県の事前想定は、実質的に社協ボランティアのみで、室長である私自身もJVOADさんの存在を知らなかったというのが率直なところです。また、知事が今、一生懸命言っていることですが、県としての受援力が足りなかったということです。平時からの関係構築が必要で、発災当初からの避難所運営の支援などをお願いすべきでした。(資料1p、5p参照)
<NPOと行政との相互補完>
義援物資の担当をして気づいたのは、市町村から上がって来るニーズと、火の国会議などを通じてNPO、JVOADさんたちが持って来る情報の差が大きくあることです。市町村など行政はどうしても指定避難所ばかりを見てしまう傾向にあります。それ以外の車中泊などへの目配りや支援に、NPOと協働して取り組みました。情報の共有も重要で、行政がどこまで出来て何が出来ていないかを公開しないと連携は成り立ちません。(資料14p参照)
<個人ボランティアとNPOを区別する必要性>
大事なこととして、2つのボランティアを混同してはいけないということがあります。社協ボランティアは個人ボンランティア対象なのでできることに制限があります。一方、NPO等の災害ボランティア団体は様々な分野の専門家がおられます。その役割は全く別なものですが、混同して理解している人が県・市町村の職員の中にも社協の方の中にも多くおられます。一時期「熊本はボランティアはいらないらしい」という誤解が流れたのも、この混同が原因でした。(資料7p参照)
<今後>
今後、県とNPO等のボランティアとの災害協定を結ぶことにしています。また、連携マニュアルを作成して市町村にも示そうとしています。また、県の防災計画等も現行計画では小規模災害、地元の川が氾濫したレベルの書きぶりにとどまっています。これも修正をかけることになります。(資料5p、6p参照)
くまもと災害ボランティア団体ネットワーク(KVOAD) 共同代表 樋口 務氏
「熊本地震及び復興に向けた地元NPO等の活動について」
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【ポイント】
- ・中間支援組織は県内のNPOを把握しており、声がけや連携・協働に力を発揮する。
- ・県や社協とNPOの間の壁をすばやく超えて協力関係を築くことが重要
- ・各都道府県の中間支援組織と、災害が起きる前にコンタクトを取り顔の見える関係を作ることが大事。
<団体について>
母体は「特定非営利活動法人NPOくまもと」という熊本における中間支援組織で、NPOの設立支援、運営支援、マネジメント等のコーディネートを行っています。本業は保育園で、熊本地震がなければ今日も園児たちと遊んでいたかと思います。
<JVOADとの出会い、県・県社協との連携・協働>
発災直後は手も足も出ませんでした。明城さんが15日夕方16時頃NPOくまもとに訪ねてこられ、JVOADが何かもわからないまま話をし、全国レベルで展開していることを初めて知り、地元としても参加することになりました。(資料3p参照)
「火の国会議」における私どものミッションは、活動可能になった地元団体への参加呼びかけと、全国から来ていただく被災地支援経験団体との連携・協働でした。個人的には、行政とNPOが一緒に話して活動を一緒にやっていることに感動しました。災害前は、社協とNPOの間には連携や協働する場面がありませんでしたが、発災直後お互いに協働出来ることがあると話して、参加していただくようになりました。これがKVOADにつながったと思っています。(資料4p、5p参照)
<連携した支援の実例>
連携の具体例として、益城町の特別養護老人ホームがあります。住民の方も避難して来たわけですが、指定避難所でないため、人的支援、支援物資を取りに行かなければなりません。要介護の方のお世話という本来の業務があり、避難所運営の両立は困難でした。そこへ訪問ボランティアナースの会(NPOキャンナス)が支援の受け入れを打診され、施設の一部を拠点として提供することで関係が出来ました。また、熊本で唯一防災を主としていたNPOソナエトコの場合、避難所のアセス調査で協力したことをきっかけに、知りあった全国からのボランティア団体から、避難所の環境改善や心のケアなど支援のノウハウを伝授されました。(資料5p、6p参照)
<地元での連携体制(KVOAD)の立ち上げ>
6月16日に函館で震度6弱の地震があり「県外支援者が熊本県以外の被災地に向かった時、どうする?」と気付かされ、地元連携の必要性を感じました。7月23日に「くまもと災害ボランティアネットワーク」の設立実行委員会のキックオフを行い、「火の国会議」参加団体、熊本市内で活動する団体の連携会議である「ひごまる会議」参加団体を基盤として構成しました。8月9月にかけて準備会事務局による運営計画、規約案を策定し、10月22日に設立総会を開催、現在、特定非営利活動法人の認証の申請中です。理念は、一過性のつながりで終わらせないということ、被災地における長期的な支援対応、被災を経験したからこそ出来る今後の支援対応です。(資料10p、11p、12p、13p参照)
今後、各都道府県に私どもと同様な、団体のコアになり得る方がいると思います。災害が起きる前に、そういう方とコンタクトを取って、今から顔の見える関係作りを作られていったらどうでしょうか。もしわからない場合は、我々を育ててくれた日本NPOセンターに相談されるのがよいと思います。
質疑応答
明城氏のコーディネートの元、4者それぞれの立場から振り返りつつ、会場からの質問に答えました。
Q:発災以前に、このように国、県、NPOが関わると認識していた?
木村(熊本県):大規模災害になれば、NPOの方が来られて活動されると思っていましたが、組織的に連携するイメージはなかったです。今となっては、何を考えていたのだろうと大反省なのですが、そういう認識でした。
児玉(内閣府):役所にとって量とタイミングがわからないものはないも同然です。また、NPOさんたちは比較的、自己アピールが強いので、その人たちと一緒に上手く付き合って行けるのか心配だというのが発災前の印象でした。もちろん今は違います。
樋口(KVOAD):NPOの活動でも、所轄である男女共同参画や市民活動推進で行政と連携・協働することはありますが、そういう時は受委託の関係なので、今回のようなお互いのリソースを提供し合うような連携は考えていませんでした。
明城(JVOAD):我々外から入る団体からすると、県内のネットワークが一つだと非常にやりやすい。逆に、ネットワークがいくつもあってそれぞれの関係性が良い関係ではないと、非常につきあいにくいし支援もしづらい状況になります。そういう意味では今、熊本は良い流れでネットワークが出来ていると思います。
Q:連携会議において出席した県の担当部署は?
木村:連携会議は健康福祉の関係部局です。NPOの担当課は別の部が男女共同参画と一緒に担当しており、そこは途中からずっと来てくれています。
樋口:熊本県内で認証を受けているNPO法人は770になりますが、そこは所轄である男女共同参画や市民活動推進の部署が把握しています。今回、法人以外の任意団体や一般社団も発生しましたが、それを男女共同参画や市民活動推進の部署がコントロールするのは難しいと思います。発災して、一番支援の対象になるのは弱者ですので、弱者関係の部署のほうが良いのではないかと思います。
児玉:(会場に質問し挙手を呼びかけ)福祉系の方、危機管理系の方、男女共同参画・共生社会系の方、行政の窓口としてだいたいこの3部門で、だいたい同数ではないかと思います。
Q:連携会議で議題になる担当課に参加してもらい、横串が差せた秘訣は?
木村:「来てください」と呼びかけました(笑)。ただ事前に「JVOADさんとは?」「何のための会議なのか?」を丁寧に説明しました。「事務レベルだけれど、内閣府の肝いりのすごい位置づけの会議だから」ということも伝えました。
Q:火の国会議や県の連携会議の情報は、市町村にどう共有した。
樋口: NPOがどっぷり浸かっている市町村では、職員並みにNPOが動いているというところがあります。そういうところは、メーリングリストの情報から自分たちの地域の課題を見つけて、見合う情報を市町村に上げていたと思います。
明城:公費解体の事例のように、解体する前に家電等を取り出さないといけない市町村や、そのまま置いておいていいという市町村があり、情報が錯そうしたためNPOやボランティアセンターでの対応に支障が起きました。木村さんと我々とが一緒に市町村を回って、ボランティアの担当と解体の担当と話をしに行って、市町村の見解を聞きました。
木村:公費解体のことは火の国会議でとても困っていると聞き、早く解決するために動きました。連携会議に担当課も来てもらって検討したのですが、どうしても役所の文章は住民にはわかりにくいものになってしまいます。それで、実際に問題となっている市町村に出向いて解決しようということになりました。(木村氏資料 11p参照)
市町村や市町村社協との協議にJVOAD、KVOADとご一緒していただいたのは、連携しないといけない相手だということを理解していただくという意味で一石二鳥ねらったところもありました。
Q:JVOADへの連携要請は県レベル? 政令市との関係は?
木村:県としては、県全域で連携して活動をしていただくつもりで連携を要請しました。実際の動きとしては、熊本市とJVOAD・KVOADの間で連携会議が途中から立ち上がりました。
樋口:火の国会議と県の連携会議で熊本市の状況が全然上がって来ませんでしたが、熊本市でもひごまる会議と市の連携会議を作っていただいたので、月、木は県との連携会議。火、金が市との連携会議をやってきました。今は県と市が隔週一回合同で行っています。
Q:支援をお願いするNPO団体とお願いしないNPO団体の見分け方は?
明城:火の国会議もそうですが、オープンな場を作るというのがポイントかなと思います。我々としては、排除するというのは難しいです。9割以上は良いことをしようと思って来ている団体です。変な団体がいても、みんなでいろいろな視点で見る、目がそこにあるという状況を作るのが大事かと思います。東日本大震災でおおごとになった例も、クローズに特定のところとだけつき合った結果、あとで大変なことになっていました。やはりオープンな場を作ることが大事だと思います。
Q:KVOADの運営や、支援団体が避難所で活動をする時の費用負担は?
樋口: NPOは初期の活動分は持っていると思います。その後、例えば日本財団、中央共募などの支援で補填されます。
明城:支援活動に来た団体の費用は、自分たちで確保して来るというのが基本です。一部、支えセンターや行政からの委託を受けて支援をする団体もあります。
木村:東日本大震災では県外からお越しのNPO等の方々に長く活動していただくために、今も補助金を出されているかと思います。熊本でも、桁は違うかもしれませんが、復興基金を活用して補助金を用意出来るのではないかと思っています。
児玉:共助の施策展開なので民間どうしで支援し合うのが基本です。内閣府では、「防災推進国民会議」などのチャネルを通じて経済団体などにCSR活動や支援金の寄附などをお願いして、寄付文化を醸成して行くことに取り組んでいます。
明城:義援金は直接被災者に行くお金ですが、支援金はNPOなどが支援活動に使えるお金で、今、共同募金も義援金と支援金を両方集めています。支援金がもう少し浸透すればNPOを支えることにもなると思います。
Q:今後の関係性は?
樋口:関係する行政機関とはおそらく週1は会議を通して顔を合わせるのではないかと思っています。また、各市町村域に、そこを束ねる団体がほしいと思っています。2年後になるでしょうか。仮設の方々が自立に向け出した頃に、行政では出来ないようなところをお手伝いさせていただければと思っています。
明城:内閣府で受援計画の検討会が行われています。市町村の受援計画を作っているところはまだ割合が少ないということです。その中で、自治体の応援職員の受け入れをどうするのかとか、物資の受け入れをどうするのかというようなテーマに加えて、ボランティア、NPOの受け入れをどうするのかということも、合わせて議論していますので、どんどん連携のあり方というものが発展して行く過渡期なのかなと思っています。
木村:JVOADさんと初めてお会いしたその日から連携ができたのは、国(内閣府)が緊密に連携をとられていたということが非常に大きかったと思います。都道府県は、私たちが市町村の皆さん方に、県とJVOAD・KVOADとは連携が取れていてツーカーなんだよということを見せて行く。市町村段階では、市町村と社協さんが一緒になって住民の方々に対してパートナーシップを組んでいるんだよということを、折に触れ見せて行くということが大事なのかなと思います。