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特集

TEAM防災ジャパンお世話係企画チーム 学習交流会第2回「防災のおとなりさん@岩手」開催レポート

2021年8月31日

TEAM防災ジャパンは2021年7月30日(金) 第2回“防災のおとなりさん@岩手”と題したオンラインによる学習交流会を開催しました。


前回(2021年3月1日開催)に引き続き、東日本大震災から10年を迎え、今年度のぼうさいこくたいの開催地である岩手県で、震災復興や被災者支援に携わられた方々から、お話をうかがいながら交流しました。
主なプログラムは以下の通りですが、はじめに、NPO法人@リアスNPOサポートセンターの鹿野順一さん、NPO法人いわて連携復興センターの葛巻徹さん、一般社団法人Jump、泉町議員である千葉泰彦さんの話を、それぞれTEAM防災ジャパンの関係者による対談形式でお聞きしました。その後、ゲストを囲む形で2つのグループに分かれ、自己紹介をしたうえで、ゲストのお話をさらに深めてお聞きし、参加者とともに、岩手との新しいつながりや活動への発展の可能性にもついても意見交換を行いました。


<主なプログラム>

●岩手からのゲストの紹介と対話
 *鹿野 順一さん(NPO法人@リアスNPOサポートセンター)× 澤田雅浩さん(兵庫県立大学)
  葛巻徹さん(NPO法人いわて連携復興センター)
 *千葉泰彦さん(岩泉町議員 一般社団法人Jump)× 阪本真由美さん(兵庫県立大学)
●ゲストを中心としたブレイクアウトルームでの交流(2ルーム)
●まとめ


<ゲストのお話し>
鹿野さんは、前回から引き続きゲストとしておいでいただいた葛巻さんのご紹介で、参加いただきました。鹿野さんは、@リアスNPOサポートセンター代表理事として活動されています。岩手県釜石市で、NPO等、地域で活動する団体を支援し、行政も含めた市民活動の仕組みづくりをしているそうです。サイレントマイノリティ、サイレントマジョリティ、外国人の方、繁華街で夜の仕事をしていて子どもを預けている人達、障害のある方、LGBTの方々等、「地域コミュニティの少し外側にいる人達」への発信や、活動への参加促進を考え、ひとりひとりに寄り添う「Happyぼうさいプロジェクト」の活動にも参画しています(注)。また、被災した者として、他地域の被災地において被災者や現地NPOの支援を行ったり、防災をテーマに各地で講演活動も行っておられます。

葛巻さんは、東日本大震災以前から取り組んできた、地域活性化のための市民活動の経験やつながりを下敷きに、震災後にいわて連携復興センターで活動し、いわてNPO災害支援ネットワークを立ち上げ、行政や企業との連携も前提に災害に備えた活動にも取り組んでいるとのことでした。
加えて、東日本大震災の被災地での活動から感じることとして、「災害復旧復興と防災は表裏でつながっている」と指摘されました。ハードなまちづくりは復興したが、住民の入れ替わりも多く、そこにこれからも暮らしていく人のつながりの難しさを感じ、活動につなげているとのことでした。

また、千葉さんは、東日本大震災後、平成28年の台風被害で自宅や職場が被害を受けましたことからJumpを立ち上げ、岩泉町の災害支援を続けてこられました。その後、認定NPO法人全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)のスタッフとして国内災害での被災者支援に関わり、現在は岩泉町議会議員として活躍されています。Jumpは、「次の災害で、町や町社協の手に負えないようなことになった時に、法人格があった団体の方が町内外とのコミュニケーションをとりやすく、支援の調整も円滑に行えるのではないか」という問題意識で立ち上げたとのことです。避難所の環境改善や、ボランティアセンター運営にも関わり、「災害ボランティアセンターが、被災された方の生活再建も端緒になるのだな」と、発災から復興までシームレスな支援の重要性を実感されたとのことでした。
市民団体の活動が盛んでない被災地、人口減少や高齢化がすすむ岩泉町で、地域が元気になれば受援力も高まると、地域経営の視点から集落のあり方や高齢者の移動支援などを検討し、次の災害に備えたいと考えていらっしゃいます。

    注:「Happyぼうさいプロジェクト」は、ふくおかNPOセンターが中心となって立ち上げた活動で、防災に関する取り組みに触れる機会がなく、地縁組織等とも接点を持ち得ていない住民が多数のぼる現実を踏まえ、多様な住民層にかかわってもらえるよう、楽しさを前面に出した、動員型ではない多様なアプローチによる防災・減災のためのプログラム開発に取り組んでいます。鹿野さんは、このプロジェクトのコアメンバーとして参加協働しています。

<交流を通して>
対談後は、ゲストを囲む形で2つのグループによる交流を行いましたが、「ゲストさんの岩手での活動との接点」「参加者の活動を通してのお悩みの共有とゲストさんからのアドバイス」といった切り口で、参加者全員が自己紹介をしながら、具体的な連携のイメージを膨らませてみました。
参加者は、岩手県内外の防災や地域の活性化に取り組む方、医療・福祉関係者、障害者支援や男女共同参画の領域で活動する方、メディア、行政関係者など、多様な顔ぶれだったことから、グループ交流では領域を超えた連携の可能性がさまざまに見えたように思います。また、岩手県内での知り合う機会にもつながったようでした。具体的には、岩手を含めた被災地内のジオパークの学びあいや、アウトドア防災との連携の可能性についても議論されました。また、地域防災活動で、市民に防災を「わがこと」としてとらえてもらうための工夫について、鹿野さんのかかわっている「Happyぼうさいプロジェクト」の視点での議論も盛り上がりました。

なお、2021年度のぼうさいこくたいが岩手で開催されることについては、まだご存じでないかたも少なくないことがわかりました。ただ、今回の交流を通して、例えば、ぼうさいこくたいに向けて、ブース出展など、具体的な連携の内容が議論されたことは、収穫であったかと思います。
また、今回は、ゲストや参加者が相互に連絡を取りやすくするため、事前に参加者の意向を確認した上で、参加者情報の共有が可能とするなど、今後の展開に向けての一歩となりました。
今後も、いわてを中心としたつながりづくりなど、ぼうさいこくたいの盛り上げにもつながっていくような学習交流の場を作っていくことができればと思います。

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